第一三〇四話 『雹ノ 京香』(2.17.月) 《『表決戦』【ヘッド・Decisive・Battle】決着!!》 ……結論から言おう、あたしは 生きながら今の今まで死んでいた いや、誰かの為だとか何だとか そう言う事も煩(わずら)わしかったし…… 特にあたしが触れる問題でも 無いと思った、これからもきっとそうだろう …そうあたしは思う、 けれど…あたしが異世界で生きて来たアノ 時間はあたしを蘇らせてくれた…… 全てが止まっていた、そのあたしの時間が 漸く動いたのだ… 今だから解る……この先に何が起ころうとも もう後悔はしない、『ルクレツァ』が あたしの側で徐々にその凪ナタ状の 武器が崩壊して行く中で、この中の 破片を差し出して来た……。 「キョ『Kyo』... この...precious stone'sはアナタに 授けますわぁ〜ん ...解りますわね...『炎の核色』... いぇ『火の核色』なのかしらぁ〜ん... どちらでも良いですわぁ...アナタが... これを使うの...so...ワタクシの心に 響くのですわぁ...ん!!」 この意味は、もう考えずとも理解出来た 彼の攻撃であたしの腕はもう 使い物にならないと思っていたが、解った 「...あぁ、解った...。 くっ...ぐっっ...この...『百足』だかの... 傷は...あたしの中から...悪意を 引き出し...汚染しようとしている!...。 つまり...あたしの心次第で... いや、負けないと言う思いが...唯一の!!...。」 この傷口からは奴の悪意が 垂れ流れて来ているのだ、だから 強い思いがあれば...跳ね返せる...ハズ... …くっっあぁぁぁっぁっっっ!?!… 「終わりか...良くヤッタよ... 実際、オレが思うほど...。 しかし、脆弱だな...人間でいる事は 一線を越えたオレには近付けない...。 そして、一撃を封じたところで...貴様が いなければ...オレの悪意は 無限に増殖する...忘れたか? 貴様がオレの“力”を封じて抑制していた事を!! ...くくっ、無駄死にダったな!!!」 あたしがルクレツァと会話を行っていた時から 奴の気配はもう感じていた、既に 『月乃』では封じ切れないだろうと 自分で彼も悟っていたハズ...しかし 時間稼ぎとしては...あまりに 早すぎた、あたしの浸食は酷く手にしていた 剣が手からこぼれ落ちて床下へ突き刺さる... 「ごめんなさい...。 私が不甲斐ないばかりに...でも、もう平気..。」 ...だが、その時だった... 「すまない...。 お前らには迷惑かけてバカリだったな...。 だから、取り返すぜ...この代償は!」 2つの影があたしとルクレツァ、そして 『貴弘』『智明』を覆い、最後に 「本当にすまなかった...『レビン』...!! だからよ...そこで見ててくれや...。 お礼参りって奴だ...オレに力を貸してくれ...!」 「『幹』...有り難う...貴方の霊気が 込められた...その『霊聖坤』と... 『帝劍坤』...私に貸してね...? 一緒に....トドメを...!!」 その2人を横切って、走り出した ...あたしはこの時...初めて、あぁ... 他人を信用し安心出来る事が、どんなにも 幸せな事かを知った...だからこそ 今...あたしが出来る事をする必要があった 「...ぐっ....うぁあああっっっっ!!!...。 はぁはぁはぁはぁ....。 まだよ...まだ、通じなくても何度でも ...そう、何度だってこの剣を叩き込んでやる!!...。」 それは、純粋に立ち向かう事!!!...。 『未曾有の果てなき練獄』【アンハード・オブ・ディアスター】の効果で 『裏月乃』【リバース・ツキノ】生み出した悪意の装甲は 何人も破壊する事は出来ない、只...唯一 「くっ....がふぁっ....かっはは... 手足の自由がきかない...僕は... 死んだのか...?!」 半身たる月乃 宗久を除いては、しかし 「いやぁ...貴様には死ぬよりも 辛い現実がこれから始まる...。 オレの最大の一撃で、お前は既に抜け殻だ... 身体で感じる...『スキルマスター』【特殊能力者】として 貴様はもう、再起不能だッッ!」 その彼も既に意識を保っているだけで精一杯であった 『イミテーション・ナックル』【見せかけの拳】から 繰り放たれたし砲撃を無効化した時、同時に 「あっ....ぐっあぁっっ... これは...何故...僕の『M・S』【メルティ・スクラッチ】が!? (...それに...あの攻撃で...僕の体内が...心が ...死滅して行く様に感じる...。)」 スキルの力をほぼ失っていた、傷一つ負わない 悪意の装甲はまったくの無敵だった これで際限無く外部の悪意を吸収すれば もうこの場で彼奴を打ち倒せる者等 存在しなくなるだろう、この時こそ 『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】達が 追い求めていた創造の時なのだろう...だが 「うっ..くっ...あっ..あんたはーーーー ...ふふっ...そう、でも...あんたのソレ... もう壊れちまってるよ..。 ぼくの力で組み上げたものだからね...それで良いのかい?」 「『洋子』...この拳は 先の闘いで壊れてしまった..だけど、もう大丈夫だ ...もう、解ったから...あの最初の拳は “マサ兄”ィの...オレを想う心だ...漸く ...漸く理解出来た...だから、もう負けねぇっっ!!」 『バシュォオオオオオォォォォッッッッン!!!!』 黄金の鎧...どんな生き物であっても 身に止(とど)める生きる為の気力、通称 “気”から産み出したコレを纏いし 歩き出した『井原 知也』と 「...うっ....あはは、ざまぁないわ... 私が...このミキちゃんがこの様なんて...でも アンタは...違うわよね? 本家...『P×H』【プリンセス・ハンター】なんだから 貴方は...クラスの希望よ...? 負けるなんて許さないんだから!! ...さぁ、この帝劍坤を本当の姿にして...。」 『ガシュアァァァァァァッッッッ!!!!』 「えぇ...解ったわ...私は プリンセス×ハンターだもの...。 同じテツは踏まない、いぇ...踏めない!! そして、世界を...全てを浄化する! ....『聖帝劍霊坤』【せいていけんれいこん】..。」 親友の手から握り締められていた 白緑色の霊気がトドメられた武具を 渡され、この内の帝劍坤は突然!!中心部の 核となっていた宝石が取れると並行し 二つへ上下分かれ霊聖坤の上部、下部へと 自動的に押しはまる そして、これを構え『雪ノ城 春化』は 自らへ流れ込んで来るほとばしる霊気を感じながら 幹に満面の笑みをこぼし、足を前へ踏み出した....。 「『八つ手百足』...くくっ!! これで...目の前で...奴らを引き裂いて そして...見せてやる...。 これで真の終わりだぁっっ!!!」 だがしかし、彼奴が腕を振り上げんとしたーーーーー ………その時!!!……… 「ラストだ...覚悟は良いな? オレは出来ている...!!」 「えぇ、勿論よ...私達がヤレなくて 他に誰が...自分達の世界を救うのよ...!!!」 砲撃のせいで巻きあがった白煙の中で 何者かが走り寄る音が場へ響き足り、そして ……次の瞬間!!!!!…… 「私の銀よ...更なる力を...貸して...お願い!! 『神銀霊術』...最聖ノ型『七式閃破後光刃』【ななしきせんはごこうじん】ッッッッ!!!!! はぁぁっっっっっっっっっっ!!! (みんな...お願い、力を...私に!)」 「この輝き...のワケ...。 オレは...生命から少しずつ与えられた 命の気力を...貰ってコレを纏う...この場の皆の、な! だから...負けなんてありぇねぇんだよ...。 『気命具装』【ソール・ウェアー・ディスポティション】 ...装纏術連武“命(ミコト)”『双撃羅刃打神(そうげきらっぱだしん)』 【ガトリング・ツィン・インフィニティ】!!! おっらららららららららららららぁぁぁっっっっっ!!」 この二つの影へ気付いた時、攻撃は繰り出され その最大級の必殺技を避ける間も無く 『ドガガガガガガガガギャギャギャギャギャドキャキャキャキャキャッッッッッンンンッッ!!!!!!!』 「うっぷぉおっっっ!?!!!! 有り得ん...アリありあり....うううぉおおっっ!?! だがこの力は....いごぉっっ?!! (馬鹿な....蓄積しすぎたと言うのか?!!オレが!!)」 「「“ダブル・コンボ”ッッッーーっっ!!!」」 直撃させられブチ喰らい彼奴はたまらず吹っ飛ぶ!!!! …そして、此処に初めてのダメージが確認された 無敵であった筈の悪意の装甲の中心部へ亀裂が走り そこがやがてひび割れ崩れ落ち、内部から ドス黒い色をした煙らしきモノが洩れ出したのだ…!!! 「What this?! ...こっ....これは...ワタクシの『闇の核色』も 共鳴していると...でも言うのですのぉ〜ッん?!」 『キュアァァァァァッッッッッン!!!』 「...痛みが...消えて行く...これは?!...。 (これは...あたしの心...即ち... 『光の核色』が...いぇ...この輝きは!!...。)」 矛が完全に崩壊し、バラバラとなったカケラから 炎の核色とルクレツァの心の中から 闇の核色が共鳴するかのごとく姿を現す 同じく京香の心へ共震し光の核色が出現し 「そう...“核色”のシリーズは Youを選んだようね...これを...ダーク...いぇ 『邪の核色』もacceptしなさい!!」 「...受け取る...そうかこれで... {…核色は全部で…。} あっ....『聖の核色』っとでも 言うの?...これは...!...。」 …その瞬間!!… 『バチュォオオォォォォォッッッッッン!!!!』 全ての核色がキョウとルクを取り囲み やがてそれらは円を描きながら一つへと まとまって行く、そして破壊された彼女の 矛のパーツもやがてキョウの剣へ装飾され 中心部へ閃光と共に、とある核色がはめこまれた ー…その名は…ー 「Unbelivable!!!! ...All unite,colors!!」 「……そう、あたしとルクのみなの想いの結晶…。 そして最後の7つめの核色 …『虹の核色』発動!!…。」 『さしゅあぁあぁぁっっっっっっっっ...!!!』 虹色の軌跡を残し聖の核色へと変化させた際 治って行った右手でしっかり柄を握り締め キョウは正に飛ぶように、起き上がり装甲の傷を見て 発狂に近い喚き声をあげる彼奴の下へ駆け寄る、っと 「なんだ....貴様ラあぁぁぁっっっ!!! こんな...傷程度でオレが負けるとでも 思っているのか?! .....八つ手百足...イミテーション・ナックル! 同時に...はなっーーーーーーー」 ………次の瞬間!!!……… 『ざだきゅぅあぁあっっっっっっ!!!!』 「いっ...イッッけぇっっ!!押し込め!」 「私達が道を開けたわ...最後任せる!」 「らりほぉ〜!ブッッたぎれぇぇッッ!!」 「キョウ...ふふっ...一緒にいて解っていたきみしかいない!」 「思い知らせてやってよ...『竹丸』らの分も!」 「頼りませんわ...でも、託しますわぁ〜ん!!」 「わかっとるな!?オォオ?!? 俺様ん分までーーーっっ背負えやあっ!!」 「僕は偉そうな事...言ぇへん!!けど... 信じとるんや、せやからきばったってや!」 『パシュカカカカカカカカァァァァァァッッッッッッッン!!!!!!!』 沸き上がる七色の力のまま フルフェイスのマスクを被る顔面から 亀裂の走った中心部、正中線上を沿って 最後の一閃たるソレを振り下ろし破撃した 「……『虹の一撃』っっっ…… ---ーーー〜〜〜っっっっっハァアッッッッ!!!……。」 『ぷるぱきゅあぁあっぁぁっぁぁっっ...。』 暫しの静寂が場を襲い、やがて 最後の刃が彼奴の腹部、つまり 中心部へ突き立てられると、青銅色の悪意の装甲は 奇妙な音をあげて散りぢりとなって一瞬で粉砕し 崩れ落ちたソノ内部より月乃の半身が 気絶し産まれたままの姿で 床下へと倒れ落た、しかし傷はついていない 虹の核色の刃は彼の身体へと巣喰うもっとも 純粋な悪意を穿ったのだろう...此処に 「ほっ...本当に運命を変えて....これが.... けふらの本当にしたかった事だったのかもしれない...。 呪われた運命を変えうる、この力強さこそが...!」 時は漸く刻まれた...。 だがしかし、これで全てが終わったワケではなかった {ムォオオオオオオッッッ!!!! このカス共ガァァァッッ!! 我が身体をっぉおおおっっ!!!} 亀裂から洩れていたドス黒い煙が実態となって 一同の前へと低い叫び声と共に巨大な姿を現し 睨み付ける、そして失われた肉体を求め暴れさ迷う!!!!! …その頃、人知れず平行して行われていた 『裏決戦』へと物語は移行する 本当の終わりを知る為に…。 先を見るんッスねぇ〜!! |