『2月25日(火)』 第一三一二話 『ALL・THE・MOST』(2.25.火) 『浜村 礼奈』が横たわる『甲斐』【ガイ】の頭を 膝を枕に乗せ、呟き微笑んだーーーーー ……その時!!…… {ククククッッッ... はっっはぁぁっっっはははははははっっっ!!!! だがーーーっ我は不滅だ...既に...!!} 夜のごとき広がる宵闇が『永遠の氷河期』 【エターナル・アイス・エイジ】を包み込み あたかもそれは場の全てを蝕んで行く様にも思えた 「貴様が...もう一人の僕と ...僕の中に潜んでいた...悪意なら! 僕が再び...封じ込めてやる!!」 『スキル』【特殊能力】の殆どを その闇へ浮かぶ無機質な仮面へと 奪われた『裏月乃』【リバース・ツキノ】の 最後の一言が本体たる『月乃 宗久』の 心へ火を灯す、だが... {ククッ...ゴミめが....。 まったく邪魔をしてくれた..... どれだけの時間を貴奴(きやつ)の中で過ごし ...待った事か...!!} 同じく“力”を失いかけている 彼...いや自分1人では到底かなう筈も無い事は 自覚していた... 「...貴様が...何か?...等... どうでもイイ話だな...。 ...ようは、君を倒せば...この未曾有の危機は もう止まるわけだ...。」 しかし今は月乃は孤独に戦っているワケではない! 信頼が彼を強く押し上げる...。 だがしかし、夕闇の世界を漆黒へと 塗り変えてしまった竜のごとき仮面からは 殺気は感じず、奇しくも一同は その圧倒的な威圧感だけを受けていた {人間の子娘ごときが...ナメタ口を きくんじゃない...。 クククッ...受肉した折角の肉体を 纏っていた悪意...『未曾有の果てなき練獄』【アンハード・オブ・ディアスター】を 破壊した事だけは誉めてやるがなぁ...そして... 我れは...........。} 悪意の装甲より洩れていたドス黒い煙の 正体が彼奴なのだとしたら、これは始まりに 過ぎないと感覚で理解していたのかも知れない 『めきょっっっっめここここここっっっ!!!!』 ……次の瞬間!!…… {我が名は『アノード・ザ・・・・・』いや ......心を超越せし者... 『オール・ザ・モスト』!!! 月乃 宗久の奥底で眠れし“幻”なり!!} 気味の悪い仮面の口元が大きく開き そのポッカリと開いた口内の闇には 大きな血走った目玉が姿を覗かせる!! 『選ばれし異界の闇を打ち砕く覇者達』が 唖然としこの光景を見つめる中で 彼奴はやがて巨大な姿を奇妙な音を立てて 出現させて行く、その様は圧巻で誰ヒトリ 動き口を開く者はいなかった.... {ドゥ〜〜〜〜ウウッッッッムゴゥウウウ....。 アッフゥォオオおっっっ!!!!! ...クククッハハハハハハハハッッッ!!!!} 『どぐちゃっっっっぐきょきょきょきょっっ!!!!!』 そして最終的には左右へ人間の皮をはいで 張り付けたかのごときマントを中心部の 巨大な眼球が固定し、竜仮面の顔の横へと 鋭い爪を持つ2本の両腕が存在し中心部へ 第二の大きく開いた赤い口、更に内部の影が 下半身まで続き、妖しく蠢く人間達を照らし 描きそこへ巨大な第三の口が牙を見せながら 体液を放ち存在していた!!! 『2月26日(水)』 第一三一三話 『最後には私を強く抱き締めて』(2.26.水) (終わるのイヤイヤ記念(涙)) 「奴が....そうか.... そう言う事だったのか?! (でも...アレ自体は...宿主みたいなモノを ...人間の心が存在しない限り... そうか...こいつは...その為だけに!!!!)」 漆黒が辺りを覆い尽くした時、徐に 『安大 光助』の口が開き彼だけが 彼奴の存在意味を理解していた... 「っゎあぁっっ?! こっ...こっち...向いたよぉ〜(脂汗)」 一同の動揺の中で同じく 『甲斐』もこれから起こり得る事を どことなく理解していた様だ 「『レイ』...これまで... 迷惑かけたな...。 オレが..やろうとしていたのは、また 同じ悲しみを産むだけだった...。 あの小僧の言う通りだった...さぁ、退くんだ!!」 傷だらけの身体を無理矢理 引き起こし突然の事で驚く少女へ 優しく微笑むと彼女を後ろ手にし 自分の背後へと引き回す!! {既にーーーーーーっっ 次の我が肉体は、決まっているのだ!!!! ...サァッッッ...我と共に...永遠の刻を 生き抜き世界を悪意で染めようではないか...!!} っと、礼奈が声を上げんとしたーーーー ………その瞬間!!!!……… 『ドキュアァァァァッァァッァッッッッッ!!!!』 「しまった?!...野郎ッッッ!! このつもりで、コイツの盲信を!? (やべぇ....マジで...今はやばぃっ!)」 落雷のごとき光の筋道が男へ 降り注ぎ直撃する!!! 「ガッ.....がっ...ガイ...甲斐ぃいいっっ!!」 やっと出た一言だったのだろう 「やっ...やばい!! こいつ..自分を操る肉体が欲しかったから.. 今度は『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】の 最強の躯を狙ってたんだ...(汗々)」 捕まれていた腕を振り払い彼女は 後ずさり柱へ背を当て、我に返る 「{....うっ............うぐぅ.... んっん...ううっ.....うぅっ...ふふっ...ははは!! 完了だ...再び我が肉体は受肉せり! (そうだ...我は、もう人間等..必要としない!!! 完璧な存在なのだ...。)}」 そして、あの巨大な仮面を含めた 邪悪な姿が塊を全身へ打ち込まれ 融合を許してしまった男は頭を抱えながら 再び立ち上がり、覗かせる 「嘘だ...そんな...馬鹿な.... これからじゃないか...これから...私と貴方は!!」 その片目はドス黒い闇色に満ちていた...。 だがしかし、場の誰もがこれまでと思い至った ……その時…… 「{うっっっ....うっっヌゥぁぁっっ!?! 馬鹿な....貴様アッァッ?!! この『オール・ザ・モスト』に逆らうと...あぐうあっぁぁっっ!!}」 だった、ハチ切れそうな喚き声で 彼奴が叫んだ後、彼の前髪で見えなかった 片目から...あの澄んだ、純粋であった頃の 「ガイ...貴方..なのね? ....貴方は...まだ....そうなのね!!」 青年の瞳が露となって、そしてーーーー 「あぁ...オレは...まだ...ガイ...だ...。 ....お前を...最後に....。」 不意に彼女は走り出し男の胸へ飛び込み ガイもそれ見て、承知し受け止め 力強く、抱き締めた...。 『2月27日(木)』 第一三一四話 『夢を見た後で…』(2.27.木) 肉体を奪われたと思われた 『甲斐』の精神は逆にこれを抑え込み 残された限られた時間の中で 自分の腕の中の彼女を、最後の“力”で抱き締め {馬鹿な....私に... 我が意志に逆らうのかッッ?!! 脆弱な...操られるだけの人間の分際で...!! 犠牲を与え続ける事でしか...キサマの欲した聖地は 存在し得ないと言うのに!} 彼の背後より悪意の気体となって 再び出現した『オール・ザ・モスト』の吐く 言葉を無視し.... 「俺は...オレは...もう 与えられていたんだ...な...? フッ....お前は何も解っていない...。」 そう呟くと、ひと粒の涙を流す...。 『どっっっっっっっんっっっ!!!』 「きゃぁっ!?! ...何を...何で...?!!」 不意に口付けを交わしたガイは 少女を一同の方へと突き飛ばし 周囲を見渡し、それぞれの顔へ眼をやった 「....ガイ....キミの選択ですから.....。」 最後に倒れ込んでいた『天濁 真夜』に 視線を向けると、微笑み自分を 乗っ取らんとする影と対時する!!! {キサマ...何を...するつもりだ..!! 我が肉体と...糧となって生きるのだ! キサマの存在理由等...もはやソレしかないのだぞ?!} 「いぃや...違うね.....。 オレにはオレの...最後の役目がある....。 誰かに尻拭いなんぞ、させたくないからな? ....ククッ...はははっっっ!!! 『選ばれし者』...そして『異界の闇覇者』共よ!! これが....オレの夢を見た終わりだ...。」 『ドシュォオオオォォォッッッッッッン!!!!!!』 『2月28日(金)』 第一三一五話 『夏の幻』(2.28.金) (今の今まで本ン当ーーッッにっ有り難う御座いました!!) 『甲斐』は、残された“力”(『スキル』)を 抵抗する彼奴たる、悪意を自らの中へ 封じ込めたままーーーー 「いやぁ....いやあぁぁっっっ!!! そんなの...そんなの...駄目だよ...逝かないで!!」 自身へ向けて両掌(てのひら)をかざし、そう {ふっ...フォオオおっっぅォオオ!!! キサマあぁぁぁっっっっっ!! 私ごとーーーッッ消滅する気か?!!} ………次の瞬間!!!!……… 『シュォオオォォォォッッッッン!!!!!』 全ては、一体化した 肉体と共に『オール・ザ・モスト』を消滅させる為 彼は、即ち自分自身へ向けてソレを解き放ち 「オレはお前に出会えて幸せだった,,, だから、もう泣くな...なぁ...『礼奈』?」 やがて、粒子となり微細な原子も残さず {ヒィイいっっっウギゃっっっっあああぁぁ!?! 馬鹿なッッバカなぁっ!!我がわぁっーーぐっっ?!?} 「無駄だ...オレの“能力”... 『無限の輪で繋がれし生物達』【ウロボロス・アンリミット・シィング’ス】は 生物のDNAを分解そして再構築が可能だ...。 .....じゃあな、オレはオレの最後の願いを叶えた... お前らと共に歩んだ世界は...時間は... けして無駄...で...は...なか..った....。」 その魂までも、この世界より完全に消失する...。 『ピキャッピキャキャッッッッッッ!!!!』 大絶叫が場へ木霊し、その轟音がやがて 巨城へ影響を与えたかのごとく、崩れんとしていた 「あっ....これは.... 彼の身体が...うっ...?!!」 だが、場が崩壊せんとしていた時!! 「In any case!脱出しなければぁ〜ん... わぁッぉ?!...『月乃』の身体が...!!」 青年の分裂していた身体は一つへと 戻らんと、傷ついた1人と融合し変化を開始した 「What!?...おぃ...それどころじゃねぇーぞ!! 上...見てみろよ!?! ...なんだぁ...あの渦はッッ!」 全ては終わりを告げた、しかし現世で歪み 止められていた時が平行し、一気に解放された事で 時空の渦が南極上空を中心として出現し あらゆるモノを飲み込んで行かんとする... 「...あっ...アレを止める事なんて 不可能よ...くっ...はは..でも ぼくら...良く、やった...よ..ね?」 一瞬の静寂、そしてーーーー ……この直後!!!!…… 『ドギャガガガガガガガガガッッッ!!!!』 暴走した時は一同をも飲み込んで行く!!!! 「そう...ですか....フフッ 皮肉なモノだ.....生き残った、けふだけが...。 そうですね...あの時、ガイ...キミは けふに...いいぇ、アタシに彼女のこれからを 頼んでくれましたね? ...アタシも好きでしたよ...キミの事...。」 時空の嵐は全てを飲み込み やがて世界へ拡散して行かんとしていた...の、だが …その時!!… 『ぼぉ〜んっっ!ぼぉ〜んっ!!ぼぉ〜〜っっん!!!』 不意に鐘の音が響き渡り、そしてーーー 「この時....この為に、けふは 居たのかも...しれない...。 『運命を左右する針先』【タイム・アカウント・リヴァティー】...全ては.......。」 …刻の歯車は再び正常な時を運び出す…。 ……此処に長きに渡る戦いは、終止符を ピリオドを打たれた、やがて空が白み夜が開ける!!!…… もッちぃっとだけ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 新たな世界を見るんッスねぇ〜!! |