『12月1日(水)』 第一三一話 『霧の都ー道化ー』(12.1.水) 私『雪ノ城 春化』は、高校三年生 だけど、ただの一般ピーポーとは ひと味もふた味も違うのよっ! ナゼならぁ....それはーーー 「ふっ!この『P×H』 通称【プリンセス×ハンター】に 殺陣(←たて)つこうなんて.... へそが煮えクリ返って茶を沸かすわッッ!! 『幻魔』だが悪霊だが知らないケド... 私の行く手を遮るモノは、全て敵!! 即ち...浄化するってのッッ!!!」 私は、えぇ〜と...確か.... 『夢魔の道化師』【クレシェイド】さん? だっけ...って言うかなんで敵に さん付けしなきゃなんないのよ... とにかく!!そいつにビシっと そう言って決めてヤってから 勝手に船から持ち出したモップを構えた!! [あはっははっっっ!!! 面白い!!!キミっと〜〜〜ても 面白よ!!!何かの芸人かいぃ!? くすすすすすっっっ!!!そうそう、提案 だけどさ...このクレシェイドさんわ〜 “幻魔人”『盲目の羊』 【シープ・ゴード】様が巣くう城に 君だけだったら招待してもイイかなぁ〜 な〜んっててて思ったりするかもね?] ハルカの言動を笑うクレシェイドは、 馬鹿にしながらそう言うと 蹴られた頭のヘ込みをひと撫でした だけで直してしまった... 「...ハルカ...気をつけろよ... 奴は、今までのーーー」 「ンッ!!心配しなくてイイからさっ! ...この程度に負けるP×Hじゃ〜 ないって感じだよ...!!」 『卓真』の助言を遮った ハルカは、笑みをこぼしながら 一気に間合いを詰め モップを片手にクレシェイドに 攻撃を仕掛けた!!! 『ガギャァッッ!!!』 [スジは、イイねぇっ... けど...この『ピュールトのナイフ』 【追尾の刃】には、ソレじゃぁ〜 厳しいよぉ〜〜ねぇ〜〜ッ!!!] しかし、その攻撃は何処からか取り 出した両手に持つ複数のナイフに よって受け止められてしまう...しかも そのナイフにより、モップに亀裂が走った!! 「くっっっ!!!」 『バキャァァッッッン!!!』 反撃を受け流した唯一の武器であった モップは、木製の柄が耐え切れず 遂に大破してしまった!! 武器を失ったハルカは、クレシェイドの 幾重の軌道を持つナイフ攻撃を 持ち前の反射神経で次々と 避けるが...体力をすり減らされ しだいに追い詰められてゆく!! [どうしたんダィ?...顔色が悪い なぁ〜〜〜〜クスス....もう さっきまでの勢いもナイのかナッ!?] そして、クレシェイドの両手に持った ナイフがハルカを今捕らえた!!! 『12月2日(木)』 第一三二話 『霧の都ー追尾の刃ー』(12.2.木) 「『ハルカ』これをっ!!!」 『ガシュゥン!!!』 「『ラフェーラ』....これわ!?」 『夢魔の道化師』【クレシェイド】の攻撃に 併せて何かを投げ放ったラフェーラは、 それで、同時にクレシェイドのナイフを 遮りハルカを窮地から脱させる!!! [こしゃくなマネをするんだナッ... えぇ〜と...確か『コロンビア・ホールド』の “能力者”『赤瞳のラフェーラ』さん!!] 素早く石畳に刺さったそれを 引き抜きつつ、その場から身を転じて 手にした武器を構えるハルカは、 「ふ〜...ピンチだったってか?... ありがと、ラフェーラ助かったよ!!!」 そう、ラフェーラに礼をすると 再度クレシェイドに立ち向かう!!! 「ハルカ!!それは、『霊聖坤』 【れいせいこん】です!!キミの“力”を重複 させてくれるハズですよ!!!」 そして、それを聞いたのか聞き漏らした 解らないうちに笑みをこぼすハルカは、 「んじゃ、行くよクレシェイドさん?」 その様々な文字の刻まれた棒に 神経を集中させ...霊力を注ぎ込みーーー [くははっはっイクラやってもぉぉ〜 むだ無駄むだ無駄っぁぁッッ!!! 変幻自在のナイフ『ピュールトのナイフ』に 【追尾の刃】キリ刻まれちまいナァ!!] 『しゅぱっぱぱぱぱっぱっっっっん!!!』 幾重の軌道で襲いかかる数十本のナイフと それと共に走り寄って来るクレシェイドに 向かい、一閃を放った!!! 「...お前みたいな...低級に... 本来使う技じゃないんだけどね...。」 『ズパパパッッッン!!!』 霊力の込められた武器から放たれた その波動状の刃は、一瞬にして クレシェイドとピュールトのナイフを 包み込み浄化する!!!! [うぎぃぃっっっ!!!!アゲゲッゲエッ!!] 呻き喚きながら歪みに沈んでゆく クレシェイドは、何故か最後の瞬間 醜悪な笑みをこぼし [....うひゃひゃひゃひゃぁっぁぁ!!! これで終わったト思うなヨォ!!!!] そう叫ぶと、完全に沈んで行った... 辺りに静寂が訪れ、立ち上がった 『タクマ』は、ハルカに声を掛け 「凄いな!ハルカの力!!見たぜ! ...ふっ〜ぅ...んっでも、何で 街にも入ってないのにバレたんだろ?」 つつも、情報の伝わりが早すぎる 異常さを考えている... 「とにかくばれてしまっている以上 早く街中に身を隠してしまった方が 良いでしょう...さぁ、行きましょう。」 そんなタクマにそう言うと ラフェーラは、不意に思い詰めた表情を していたハルカの側に歩み寄ろうと 足を踏み出す....しかし、その時!! 『ズルッ...ズルッ...!!!』 「...まさか!!」 彼女の辺りに散らばった銀色に輝く数本の ピュールトのナイフに異変が!!! 『12月3日(金)』 第一三三話『霧の都ー遺恨ー』(12.3.金) 「『ハルカ』!!!避けて!!」 『ラフェーラ』の声が彼女に伝わったのが 先か『夢魔の道化師』【クレシェイド】が 残し怨念の込めた数本の『ピュールトのナイフ』 【追尾の刃】が襲いかかったのが先が… ほぼ、同時に事が動き出す!! 「...っえッ!?....クッ!!!」 『シャキュォォッッン!!!!』 ラフェーラの声を聞いてから後ろを 振り返るハルカの目の前には、既に 刃の手が回っていた...だが、ハルカは 「....っと〜...私ってばーーーー 身体が超柔らかいんだってば!!!」 持ち前の運動神経の良さでとっさに後ろに 上体を反らし(マトリクスみたいにね。) まず、だい一撃のナイフ達の攻撃を ギリギリの所で避けた!! 「っと!!ハルカまだ来る!!!」 『タクマ』の叫び声で次の行動に 移ろうとしたハルカの真横に 既にまたナイフの姿が!! 「ちっちっちぃ〜....甘いよ 俺があんたらのご主人様に そう簡単に攻撃を仕掛けるのを 止めてると思ってた?....喰らいなァ 『禁光線』...『光の陣』!!」 『じゅぱぱっぱぱっっっん!!!』 だが、そのナイフ達はタクマの“能力”に よって突如出現した光の網に捕まり その瞬間に消滅してゆく!! 「サンキュー!!タクマ!!」 『シュン!!シュン!!シュン!!』 しかし、それでホッとしたのも 束の間最後に残ったモノと一回目の 攻撃で襲撃して来たモノが 一斉にハルカを取り囲むように 八方から襲い掛かる!! 「っ!?あっ....避けられない!?!」 だが、絶体絶命の危機にハルカが陥った …その瞬間!!… 『バシュゥゥッッッン!!!』 ラフェーラの瞳が赤く輝き閃光を発し その真っ赤な光がハルカを囲む ピュールトのナイフ達を包み込み 空中にて一瞬にして全て消滅させてしまう!! 『12月4日(土)』 第一三四話『霧の都ー京ー』(12.4.土) 「...私は...生きている?....!? 『ラフェーラ』その眼!!!」 ナイフが自分を取り囲んだ瞬間に 死んだと思っていた『ハルカ』が恐る 恐る瞼を開けると...辺りに、ナイフ達の 姿は無く...そこには、赤い瞳の ラフェーラが手を自分に差し伸べて いる姿があった... 「...ほらっさっさと起きろよ! ったく...しっかりしてほしいぜ。」 「え”っ!?」 彼の手を取り起き上がったハルカは、 自分の耳を疑った!あの温厚で 紳士的なラフェーラの言葉使いが!? 「おぃ『タクマ』ぼさっとしてねぇで... さっさと中に入んぞ?」 「おっ!今いくってば。」 「.....(なにコレ?...夢!?)」 激変し....尚かつ性格が180° 違ってしまった、唖然とするハルカに 「...そっか、ハルカはアレ初めて だもんな、あれがラフェーラの 本質だぜ、覚醒するとあぁ〜なる らしぃんだけど...俺は、最初っから アレだったらもう慣れたな... まっすぐ戻るから安心しろよ! あっ!それから...いつもに戻った時 ラフェーラこん時の記憶ないんだぜ わけわかないよな〜。」 タクマは、そう声を掛け肩をポンっと 叩いて、励ましていた...。 「...やべぇな...ますます霧が 濃くなっていやがるぜ?.... 『沈黙の羊』【シープ・ゴート】の野郎 嘗めやがって...ぜってぇブッ殺ス!!!」 「おぃ!!ラフェーラ街中で叫ぶのは まずいって!!これ以上追っ手とか 増えるのは勘弁だぜ!!?」 『京』の街に入った3人は、まず はぐれないように気を遣い ラフェーラの場合は、吸い込むと危ない 魔の霧が特に酷く充満している 街中では特製のマスクを装着していた 「...そいつの城って何処なのよ?」 ハルカは、落ち着きをはらいながら 徐に興奮するラフェーラに質問する... 「あぁ”っ!?....シープ..... あっ!?...あれ...ここは...??? 街の中に入っている...えっと... そうそう、何処に城があるかでしたね?」 すると、突然!!瞳の色が元に戻り 普通(?)に戻ったラフェーラは、 何故こんな所に自分がいるのか不思議に 思いながら、ゆっくり説明を始めた 「...そうよ、話して。 (いきなり戻ってる!!...もしかして ラフェーラって多重人格者じゃ...。)」 「...シープ・ゴートは、この街の 先にある『五重の門』を通り抜けた 先の...貴方がたの世界の日本で言う...と 真ん中らへんです...。」 「それじゃあ...解らないなぁ。 (多分、京都とかだろ?)」 鋭いタクマの突っ込みが入るが 何となく理解出来たので一行は、 まず街から行ける五重の門を目指す!! 「霧で見えにくいわ...。」 ハルカは、歩きながら門に近付くに つれてまた一段と霧が濃くなって ゆくので次第に完全に視界が塞がれて しまうのでは?と、思い心配しつつ 二人の位置を確認しながら もう目の前に見える朱色の大きな門を 先に通り抜けようと 足を踏み出した...が、その瞬間!! 『がしゅぁっぁあぁっっっっ!!!』 「えっ!?」 「....上の方で音がしたぜ?」 「何でしょう?」 門の上方からギロチンの刃が その踏み出した彼女の足を目掛けて 物凄い勢いで下りて来る!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |