『12月5日(日)』 第一三五話 『霧の都ー朱色の門ー』(12.5.日) 「...!!!!?」 『ズシャァァッァッッッン!!!』 『春化』は、地面に映っていた 蔭を見て異変に気付いていたため その上方から襲いかかるギロチンの刃を 受ける事なく無事に済む...が、 「大丈夫か?!ハルカっ!!」 流石に一歩後ろに下がらなかったら... しかも鼻先...いや、目前を通り過ぎる ギロチンの様を見て少し目眩を起こす 直ぐにその場に『卓真』と 『ラフェーラ』は、駆け寄り 思わず腰を抜かし尻餅を付く ハルカの無事を確認した....。 ギロチンの刃が地面に突き刺さって いる様を見て驚くタクマだったが ハルカが無事だったので安心して ため息を漏らす...そして、これで トラップがもう終わった、だろうと ラフェーラが先の様子を覗こうとすると... 『シュカァッッッン』 「ヴっ!?!」 [...だめだよチミ...勝手に門を 潜ろうとしちゃぁ〜。] 突然、顔の横にある門の朱色の柱に 小型の鎌が飛びかかり突き刺さる!! 更にそれに驚きながらも身構える ラフェーラが、それが飛んで来た 軌道の先...霧に包まれた先を 良く目を凝らして見た...そこには、 『幻魔』姿が!!! [チミ達の事は、だいたいワカルよ 僕のお友達『夢魔の道化師』 【クレシェイド】さんを殺ってくれちゃった 奴らっでしょ?むふふっ!! “幻魔人”『盲目の羊』 【シープ・ゴード】様の下には イカさないよ!!...それに 女の子さん?チミの友達も返しません!!] 朱色の門を守る番人の様な その幻魔は、片手に持った小型の鎌を いじりながら門の先でそう言い放った! 「...?!...あなた『幹』の事... 知っているんだ...ふ〜ん... 解ったわ...確かにこの大陸にいるのね... 私、ミキを力づくで返して貰うわよ?」 思わぬ所で親友の情報を掴んだハルカは、 ふつふつと湧いて来る怒りを露にしつつ さっさと、その場から起き上がり 門を颯爽と潜る抜ける!!! [...出来るもんならチミ... やってごらん?...たぶん失敗に 終わるからねぇ〜...むふふっ...。] 自分と対時するハルカを笑うと更に [...むふふっ...そうそう、チミに 門を潜らせたのには、ワケがあるんだ〜 クレシェイドさんを殺したのチミだしょ? そのかたきうちってかなぁ〜...むふふ 因みにあのギロチンは、結界の役目を するからさ、チミの仲間は助けに 入れないんだよぉ〜むふふっん!!!] そう言いながら彼女を睨みつけた!!! 『12月6日(月)』 第一三六話 『霧の都ーでたらめー』(12.6.月) 『ガシャシャシャァッァン!!!』 「うわっ!?『ラフェーラ』!!」 「くっ...これは...『タクマ』離れて!!」 『ハルカ』が門を潜り抜け 朱色の門を守る『幻魔』と対時して いたその時...突然!!轟音と共に 門の上方から幾重にもギロチンの刃が 下り、完全に出入口を遮断してしまう... しかも柱からは、毒の仕込まれた棘が 同時に出現する!!! 『ガキョォン!!』 「...くっ...ダメだ!!! 刃が重なっていて...『スレイヴ』じゃ 歯がたたないぜ...そうだ!!ラフェーラ あんたの“能力”で何とかならないのか?!」 そのギロチンの刃で出来た防壁を 何とか打ち砕こうとするタクマだったが 意外な刃の強度に力押しを諦め ラフェーラに声を掛ける...。 「...やってみましょう.... ただ、先ほどの闘いで消費している 筈なので効果は、薄いと思いますが...。」 タクマに返事を返したラフェーラは、 徐に瞳に全神経を集中させる...そして 静かに閉じた瞼を押し開けた、すると 『バヒュッッ!!!』 「!!!見える!見えるよ ラフェーラ!!!って....あっ!! ヤバイぜ!?ハルカ押されてる!!」 赤い放射線状の光が結界を創り出して いるギロチンの刃に当てられ、そこから 透けて中の様子が覗ける様になった!! 「...ふぅ、効果はありましたか... まぁこの程度なら本気で能力を 使う必要もないでしょう...っと ...本当に危ないですね、ハルカ... このままでは...ふふっ...でも、 彼女を信じるしかないでしょう?」 中の様子を見て動揺するタクマを 宥める様にラフェーラは、そう言うと 静かにハルカの勝利を確信していた。 『霊聖坤』【れいせいこん】を 構えながら敵に立ち向かうハルカ だったが思いもよらぬ所から飛んで 来る小型の鎌の軌道が読めず 防戦一方で、一向に敵に近付けずにいた 「...さっきのナイフの5倍は質が悪いわ... こんなの受け止めるのが精一杯って... んっ!?!...そうだわ...!!!」 [むふふっ...諦めて死になさぃ!! チミのあとがまだつかえているんだから!!] ハルカは、突然!!霊聖坤を 構えるのを解き、襲いかかる小型の鎌に 無防備の身をさらす!! 『ザキュッ!!!!』 「ぎゃっ!?!?」 何かが切り裂かれる音と悲鳴が辺りに響き にやける幻魔は、さらに...手元に 鎌が戻って来ないので確実に シトメタと思い霧と共に砂煙も 立ち込める、その場に赴いた... [むふふふっ!!!やった!! しとめた!!うちとっ....ぎゅへっ!?!] …その瞬間!!… 『メキャキャッッッ!!!』 「一かばちかの懸けだったのよ.... タイミング良く...この棒に 引っかけて止めるって奴?...まぁ 簡単だったけど...フフッ それが引っかかった音と偽の悲鳴に 騙されるなんて...あんたそうとう間抜けね。」 突如敵の真後ろからその姿を 現したハルカは、坤の一撃で 頭を打ち砕いた!! 『12月7日(火)』 第一三七話『霧の都ーブラフー』(12.7.火) 「ふふっ...あんがい霧も素敵かもね?」 『幻魔』の頭を打ち砕いた『ハルカ』は、 そう呟くと、素早く次の攻撃に 移ろうとする....が [...むふふふっ!!!...興奮 させてくれますね...でもチミは、 罠に掛かっているんですよ!!!] 突然!何かに捕らわれたように 身動きが取れなくなる!!! 「....ッッ!?!?!」 [...むふふっもがけばもがくほど 絡みますよ?...むふふっ!!! あの門を突き抜けた時点で... こちらの勝ちは決まっていたんだよ? わかるかね?チミぃ!?!] そして身動きを封じられたハルカに 向かい嘲笑しながらその幻魔は、 そう言うと『霊聖坤』から小型の鎌を 取り戻しその刃を彼女の喉元に突き付けた!! 「.....『ラフェーラ』!!! あれじゃ...やべえって!!!」 中の様子を覗く『タクマ』は、ハルカが 窮地を迎えているのを見て どうにか出来ないのかとラフェーラに 向かい叫ぶ.... 「大丈夫ですよ、ほら彼女の瞳を 見てみて下さい...また何かしますよ。」 が、そう返事を返すラフェーラの 言葉を聞きタクマは、すぐに目の前に 映し出される光景に食い入る!! 「!!!これは...なっ.... ハルカの奴...ヤル!!!」 彼の瞳には、ハルカがその幻魔を 歪みに沈めた所が刻み込められていた...。 [むふふっ!!死ねぇ!!!] 『ドグシャッッ!!!!』 「うはっ!?...ふゅ...ふぁ?!!?」 『びちゃっ!!びちゃちゃ...。』 幻魔は、ハルカの喉をカッ切る すると、その場に幾重にも鮮血が滴り落ち 呻き声を上げて彼女は崩れる... [ムフフフッ!!!残り2匹ぃ!! さっさと命を刈り取ってやるからね〜 チミ達ぃぃ!!!] 絶命したハルカをその場に放置し 次の標的を決めていた幻魔は 小型の鎌を見て驚愕する!! [なっ!?...可笑しい???? あの女の血が少しも付いてない!?] だが、それに気付き後ろを振り返った …その瞬間… 「お前は、既に一撃目で終わって たのさ...ふふっ良い夢みれたかしら?」 何処からかハルカの声が響くと同時に 幻魔の首がもげ落ち歪みに沈む!!! 『12月8日(水)』 第一三八話『霧の都ー桃色の門ー』(12.8.水) [なぎぇっ!?...ばぎゃなぁぁぁ!!] 身体は、既に歪みに沈められるも 残った首は、体液を巻き散らしながら 果ててゆく!! 「ふ〜っ糸の罠は知っていたわよ だって、霊気で触れた瞬間に 悟っていたし、そうそう あんたに一撃を加えた時に直接、脳に念を 送っておいたのよ、つまりあんたは 霧を相手に遊んでいただけなのよね。」 『グチャッ!!!』 そんな『幻魔』に『ハルカ』は、そう 呟くと、その頭を踏みつけ完全に歪みに沈めた 『パヒュォォォン!!!!』 「あーッ!?...『幹』のこと教えて 貰えなかった...マッいいや進めば どうにかなりそうだし!!」 その幻魔が消えると、ギロチンの結界などが 自然と消滅する...そして 「やるな!ハルカ!!」 「余裕でしたね。」 すぐに門を潜り抜けハルカの下へ 歩み寄る『タクマ』と『ラフェーラ』は、 彼女に声を掛けながら次の門を目指す!! 「け〜っこう狭い感覚で『五重の門』って あるのね〜...今度は、ピンク色してるわよ。」 暫く霧の中を歩くと3人の前には 『桃色の門』が姿を現す... 「どうせまた守護幻魔がいるんだろ? うぜぇよ!さっさと出て来いよぉ!!」 門を潜る抜ける前に罠がまたあると 危険なので警戒しながら2人より 先に進んだタクマは、大声で叫ぶ...すると [ようこそ、異界からおいでになられた 人間様方....彼のお方の城に通づる この桃色の門を潜り抜けたければ 私とある勝負をして頂きたいですが?] タクマの思惑通り門の先から この門を守護し、レイピアを手にする 幻魔『暁の策士』【レザー・ボルト】が その姿を現した!! 「へぇ〜また敵ねっ!!」 「...今度は、私がお相手しようか?」 二人もタクマに追い付き敵と対時する。 [お待ち下さい、何も私は 野蛮な暴力勝負を挑もうとして いるのでは、ないのですよ。] 意外なレザー・ボルトの言葉に キョトンとするハルカとタクマを置いて ラフェーラは、真意を問う 「ならば何が望みなんですか?」 すると、それを聞いたレザー・ボルトは [私の望みは只一つ... 今から私が、貴方がたに出す ゲームで勝負を受けて頂きたい... 只、それだけですよ。] 3人の目の前に歩み寄ると 勝負の説明をし始めた...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |