『12月9日(木)』 第一三九話 『霧の都ー本物を探せ!!ー』(12.9.木) 『五重の門』にて『桃色の門』を守護する 『幻魔』『暁の策士』【レザー・ボルト】の 提案する勝負に黙って耳を 傾ける『春化』『卓真』 『ラフェーラ』の3人は、その 方法を聞いて唖然とする 「それだけかよ?そんなの なんて事ないじゃないか、なぁ ラフェーラ〜!! だまそうってハラじゃないのか!?」 「...罠じゃないの?!」 「...本当に今貴方が言った ことが勝負方法なんですか?」 [彼のお方『盲目の羊』【シープ・ゴート】 様にかけても、私シザー・ボルトは、 偽りを申しておりませんよ、ラフェーラ様 ...当然、不正などいたしませんよ...。] 丁寧な口調のシザー・ボルトは、 そう言うと指をパチンと軽く鳴らし その場に複数の門を出現させる!! [さきほど、私が申し上げた通り... この3つの門のどれか正解を探し 潜り抜ければ貴方様の勝利です... この門をお通ししましょう... ですが、違えばその場で...死ぬ事に なります...私の創り出した偽の門は、 中の空間がネジ曲げられております故 二度と生きて帰る事は、ないでしょうから...。] レザー・ボルトの創り上げた 門を眺めるハルカは、その寸分違わぬ 精巧な出来に見とれる... 「おぃ!本当に全部が偽モンじゃ ないんだろうなッ!!」 やはり疑いを拭い切れない タクマは、シザー・ボルトに向かい 叫ぶ...すると横からラフェーラが それを止めた... 「タクマ...彼は、信用しても大丈夫 だと思う...恐らくだがーーー」 しかし、それを振り切りまた叫ぶ タクマにシザー・ボルトは、その場で 石を3つ拾い上げてそれを同時に 全ての門の中へ投げ入れた!! [これで信用して頂けましたか?] 『コロッこんこんっ!!』 投げ入れられた石の一つが すぐに門の後ろを通過して転がる... 「まだだな...だってあんたの“力”で作用して してんだろ?!なら今の芸当ぐらい 直ぐに出来るんじゃないのか!?」 「もぉ!!相手がここまでしているのよ!? 少しは、信じてあげなさい!!」 だが、それでも疑いを掛けるタクマに それでは、ラチがあかないと ハルカの説得が入り渋々ゲームを 受け入れる事になった...。 『12月10日(金)』 第一四十話 『霧の都ー選択ー』(12.10.金) 「...三択く問題か....俺は、この手の 感は、鈍いんだが...一番左がそれらしい 気がするんだが?」 『タクマ』は、呟きながら 微妙な違いがないかとその箇所を 探してジロジロと眺める 「...私は、右端が正解なような 気がするんですが...『ハルカ』 貴方はどう思いますか?」 『ラフェーラ』が、考えた末にそうハルカに 声を掛けると彼女は 「そうね、私はーーーーっと 中心の奴が正解だと思うんだけど... ふぅ、これじゃバラバラね。」 真ん中の門の前に立ちはだかり 返事を返した...三者三様に意見の 分かれてしまったために難航する 正解選び...3人が悩んでいる中で それを見ている『暁の策士』 【シザー・ボルト】は、更に混乱を 招くようにある情報をハルカに こっそりと伝えた....。 「....3人でバラバラに飛び込んで 残った一人が...ってそれって ヤバイもんなぁ〜。」 「なっ?!なんて事を言うんですか タクマは!!...まったく 無茶くちゃですよ...。」 恐ろしい事を言うタクマに ラフェーラは、思わず突っ込みを 入れる...が、それを聞いて 当人のタクマは、 「(あんたが変わった時って これよりハードだっての...。)」 そう心の中でボゾッと呟いた... 二人が話し合っていた、その頃... [貴方のお友達...えぇ...そうでした 『幹』さん...彼の御方がお預かりに なっている方...貴方は、彼女を お救いにいらっしゃったのですよね。] 「それがどうしたの?.... ふっ...しーぷだがじーぷだかって 奴を叩きのめして浄化して 取り戻してやるわ...。」 シザー・ボルトが門の先でハルカに 声を掛けていた...。 [彼女...もう少しで彼の御方に よって亡きものにされてしまうでしょう... それを伝えたかっただけで 御座いますよ...。] 「要するに...ここで私達がちんたら していたらミキは、死ぬって事でしょ?」 [左様です。] シザー・ボルトの情報を聞いた ハルカは、彼が考えた通り焦るが... 「...ねぇ、私の質問に一つだけ 答えてくれないかな?...ゲームに ヒントは、アリでしょ?」 [...そうですね....では、一つだけ あなた様だけの質問にお答えしましょう...。] 冷静に返事を返し、二人を置いて 一つだけ質問をシザー・ボルトに訪ねた。 『12月11日(土)』 第一四一話『霧の都ー答ー』(12.11.土) 「おぃおぃ!!なに勝手に 話しを進めてんだよ!『ハルカ』!!」 ハルカの動向を目にし、耳にして 『タクマ』は、慌てて声を掛けた 「ヒントを貰うだけよ?」 「聞いた限りじゃ、一つしか 答えないんだろ?じゃあ、皆で 相談してーーーー」 だが、そんなタクマの肩を軽く 叩くと、横から『ラフェーラ』が現れ 言葉を遮り... 「ハルカが持ちかけた事なのでしょう? では、我々は黙って 見守るべきですよタクマ...。 ハルカ、私達は貴方を 信じています...任せましたよ。」 ハルカに向かいそう呟いた...。 「ちぃっ解ったよ、任せたぜハルカ!!」 二人の返事を聞いて笑みをもらす ハルカは、再び『暁の策士』 【シザー・ボルト】に声を掛け 質問をする... [考えからでも良いのですよ?] 「ふふっ、心配しないで... これでも私この手ゲーム得意なのよ。」 [それは、失礼しました....では、 何なりと御質問下さい...。] 「じゃあ、聞くわ.... もう一つの門は、何処にあるの?」 [!?!] 「さぁ、答えなさい!!」 ハルカの不明な質問に何故か 慌て明らかに動揺するシザー・ボルトは、 [なっ...何をおっしゃられて....いるんですか 門は、あくまでも3つですよ...。] 声を裏返して、冷や汗を流しながら そう返事を返す...。 「何を言っているんだ...ハルカは?」 ハルカの質問を聞いたタクマは、 その意味が解らず頭を混乱させる 「なるほど...彼女の質問は、かなり 面白いですよ...それに....。」 だが、ラフェーラはそれから 何か掴んだらしく 意味ありげな笑みを浮かべると 注意深く様子を伺う... [.....。] 再度同じ質問を浴びせ答を待って いたハルカは、徐にシザー・ボルトの 目の動きを彼に気付かれぬように追うと 「ふふっ...確かに不正もなにも してないわよね...貴方は確かに 3つの内のどれかと言っただけですもんね... それが目の前にある3つだとは、 言っていない...つまり....。 黙っていて答えなくても別に かまわないわ...だって既に正解は、 もう解っているもの!!!」 そう言い放ち、2人の耳元で何か 呟くと...3人で、一斉に後ろを向き 目の前とは、逆の方向を走り そのまま門を潜り抜けた!!! 『12月12日(日)』 第一四二話『霧の都ー城へ…ー』(12.12.日) 「ご対面ってね。」 「...すげぇ!まじで正解だったんだ! やっぱ『ハルカ』凄いよ!!」 「....ふぅ。」 3人は、真後ろ...入って来たのと 逆方向に位置した門を潜ると 何故か『暁の策士』【シザー・ボルト】の 居る次の3つ目の門に繋がる道に 出ていた...つまり、シザー・ボルトが 正解としていた門は、目の前の 存在する3つのモノでは、なく 全てを含めたうえでの4つ目の門だったのだ [....お見事でした、私の負けです。 最後に聞かせて頂きたいのですが ...何故お解りになられたのですか?] 目の前に現れた3人を前にして シザー・ボルトは、自分の敗北を 素直に認めるとハルカにそう質問する... すると、彼女は笑いながら 「ふふっRPGが好きだからかな? 同じような感じの奴があったし... それとさっき説明した通りよ... 貴方は、この中って言う意味を 空間っと言う意味で言っていたってね。」 そう答えた...。 [では、御武運を...。] 『ヴァシュォォオオン!!!』 3人にそう言うとシザー・ボルトは、 徐に自ら偽の門を潜り抜けその身を 歪みに沈めてしまった.... 「...何で!?」 「...あいつ...。」 「『盲目の羊』【シープ・ゴート】の命 でしょう...彼は、失敗すれば 死ぬように言われていたんですよ...。」 ハルカは、それを見て何故か 空しさを感じながら... 「...必ず...倒してやる!!」 『タクマ』『ラフェーラ』と共に 3つ目の門を目指し歩いた....。 [...くくっ良くココまで来たな〜 子娘!!!...おれを覚えているか!?] 3つ目の門『瑠璃色門』に辿り 着いた彼らの前には...ハルカの親友 『幹』を連れ去った翼を持つ『幻魔』が 待ちかまえていた... 「おまェッッ!!...自分から出て 来るなんて度胸があるじゃない!? ...ミキは、どこよ.... 本当にシープって奴のとこにいるの!!」 その幻魔の姿を見たとたん激昂する ハルカは『霊聖坤』を構え 目にも止まらぬ速さで攻撃を仕掛けた!! だが…その瞬間!!… [...あぁ本当さっ!!それからおれが ここにいるのは、ワケがあるんだよ!! 子娘!お前を先に城に招待しろ、と言う 彼のお方のな!!] 『バヒュッッッン!!!!』 そう叫ぶ幻魔の目の前の空間が 突如ネジまがりポッかりと風穴が開いた!! 「うっ!?わぁぁっっ!!!?」 「おぃ!!ハルカ!!!!」 「ーーーーーーッッ!!!!」 加速のついた身体は、そこへ吸い込まれ 更に彼女が中に落ちて行くと同時に 空間は閉まってしまった!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |