『12月17日(金)』 第一四七話 『霧の都ー幹 VS 貴弘ー』(12.17.金) 『春化』の心からの言葉と 感情の篭った涙が『幹』を正気に 戻す...押し倒し、馬乗りのまま ミキを抱き締める彼女は、また 涙を流し喜ぶ....そして、二人で その場から起き上がると、再度抱き締め合った 「...もう大丈夫...?」 「うん...私、春化にそんな大切に 想われていたなんて...嬉しいよ。」 だが、涙を拭き床に落ちた『霊聖坤』を ハルカが拾い上げようとした、その時... 「ぶらぼ〜おぉ〜ぶらぼ〜!!!イイ芝居を 見せて貰ったよ....えぇ〜と... 確か....春化君?」 どこからともなく、聞こえる何者かの声が その場に響き渡る!! 「誰....ッッ!!!」 即座に霊聖坤を拾い構え、ハルカが声の した方向に振り向くと... 青い絨毯が敷き詰められた部屋の 中心にそびえる大きな柱から その声の主が姿を現した、それは....。 「突然すまないね、脅かしてしまった様だ...。 初めまして、僕は『海驢 貴弘』 宜しく、雪ノ城 春化君。」 柱の陰から突如その姿を現した 貴弘は、ゆっくりと二人の目の前に 近付き、丁寧な挨拶をした.... 「貴方、人間!?...どうして こんな所にいるの?それに...何故 私の名前を知っているの?!!」 貴弘から妙な悪意を感じる敏感な ハルカは、身構えを解かずに質問する... 「ははっ、人間だよ...僕も選ばれて この世界に来たモノだからねぇ...。 名前の事は、横の同じく選ばれた彼女 から聞いたのさ...君って随分ひどい子 らしいじゃないか...あんまり親友を イジメルなよ。」 すると、貴弘の言葉を聞き、興奮する ハルカを押し退け 「...ひろ...貴弘!!!あんたの言葉に 私が惑わされただけだ!!! 春化を悪く言うなんて許せない!!! ...それに春化を殺すようにも私を 仕向けて....いたなんて...ヒトの心を 踏みにじってーーーーーーーー 絶対に殺してやるッッッ!!!!」 突然、ミキが貴弘に向かいそう叫んだ!! 「.....ちぃ...どうやら解けてもうた みたいやな...しゃあ〜ない.... どっちみちもう一度ヤル予定やったんや... この際!楽しませてもらぉやないか!!」 床から『帝劍坤』を素早く 拾い上げた幹は、物凄い勢いで 平然とその場にたたずむ貴弘に 襲いかかる!!...すると、貴弘は ニヤッと笑みをこぼしそう呟き 「脳ミソをぶちまけなぁっぁっっっ!!!」 『ガギャギャッッッン!!!』 「どや?これ?....僕の新しい武器 なんやけど『神の聖槍』 【ヴァイガルス】試すんにはもって こいって奴やろ!?」 突如!!手元に緑に輝く槍を出現させ その攻撃を軽く受け流す!! 『12月18日(土)』 第一四八話 『霧の都ー激突!!ー』(12.18.土) 「『幹』!!私も!!!」 自分も加勢に入ろうとする彼女に 「ダメっ!!『春化』は、手を出さないで! 『ヒロ』は...こいつは、私がこの手で 叩きのめす!!!」 ミキは、そう叫び、それを断ると... 連続で『帝劍坤』を使い 貴弘に攻撃を仕掛ける...が 『ガギャギャッッッ!!!』 「無駄やな...そんな程度の攻撃やったら めぇつぶってでも喰らわへんよ... ミキちゃん...もちっと良くその身体で 体感するんやな!!行くぞーーーッッ!! 僕の『神の聖槍』【ヴァイガルス】からの 連撃...思い知りや!!!」 「うぁっっ!?」 『ガスッッッ!!!』 それを軽く弾かれ、逆に反撃を まともに喰らって床に身体をたたき つけられてしまう!!! 「幹ーーーッ!!!」 「...もう、しまいなんか?」 床からゆっくりと起き上がった ミキは、心配して声を掛けてくる ハルカに返事を返し 「...大丈夫よ...ハルカ.... まだまだ、全然〜〜〜〜〜!!! あんなへぼい攻撃が効くかっての!!」 再び武具を構えると、貴弘を睨み付ける!! 「...ふふっ...急所を外して 攻撃したとはいえ...良く 今の連撃をまともに受けて立ち上がれた もんやなぁ〜...そこは、ほめたるわ... せやけど...それも無駄なあがきや!!」 『ガキョッッッン!!!』 「早い....けど...なってないな!!」 瞬時にミキの間合いに討ち入った 貴弘は、ミキがそれに気付き防御を しようとする間も与えず攻撃を仕掛けた...が それは、その行動を既に抜いていた ハルカによって防がれる!! 「...ハルカ!?」 「...やるやないか...春化君...。」 ミキに手をだすなと言われていたが 親友の危機をやはり黙って 見過ごすわけにはいかない そう思ったハルカの身体は、自然と行動を 起こし、ミキをヴァイガルスの刃から 霊聖坤で退けた!!! 「ごめん、ミキ...やっぱ正直言って ミキじゃこの男には勝てないと思うの... きっと私だけでも.... でも、二人なら!ミキと二人なら きっと勝てるから...ネッ!!」 「しょうがないな〜...ふふっ そうやってハッキリ言うからハルカ 好きよ、解ったわ...あの時のP×Hコンビ 復活って感じネッ!!!」 二人は、一旦...彼から間合いを 取ると一緒に闘う事を決意し それを見て、意味しんな笑みを 浮かべながら槍を再度構え直す 貴弘に完全と立ち向かう!!! 『12月19日(日)』 第一四九話『霧の都ー実力を越えてー』(12.19.日) 「んじゃ、いっちょ決めでもするかなっ!!」 『帝劍坤』を片手でクルクルっと回し ながら『幹』は、そう『春化』に向かい 言うと、それを聞いたハルカは 「そうね、折角だしね!!」 横目で合図を送り『霊聖坤』を上に投げ放つ 『ぱしゅっっっん!!!』 そして、その上空を回転しながら 舞い降りて来た霊聖坤を右手で軽く 受け止め構え、それと同時にミキも 左手で回す帝劍坤の動きを止め、構える!! 「...ふっ!私達を只の女子高校生と 思ったらお門違い!!」 「...じゃあ何だ!!って?...その身を もって教えてあげるわ!!」 『このプリンセス × ハンターが!!!』 更に二人は、交互にそう『貴弘』に 向かい言い放つと...『P×H』お馴染みの キメのポーズを決めた!!! 「...なっ...なんや....それ? 新手の漫才???....それとも その手のコスプレでもしてんのやろか?」 それを見て呆然自失を起こす 貴弘を置いて二人は、同時攻撃を 仕掛ける!!! 「一気に決めるよ!!ミキ!!!」 「OK!!了解よ!!ハルカ!!!」 『ガシュァッァァッッッ!!!』 「なっ!?なんや....この僕が... 押されているやと!?!?」 息の合った同時攻撃を、まだ使い慣れて いない『神の聖槍』【ヴァイガルス】で 受け止めた貴弘は、物凄い衝撃に その身を押され中央の柱に身体を 激突させる!!! 「....いける!!!」 「ミキ!!追い打ちよ!!」 そして、そんな貴弘に更なる彼女達の 追撃が襲いかかった!! 「イ...ちちっ...やるやないか.... これで、僕も少しは本気を出せるって ものやな...見せたるわ....光臨せよ!! 魔王『アシュタロス』....!!!」 『バヒュォォォォンンッッッ!!!』 少し痛めた背中を摩りつつ柱から その身体を起こした貴弘は、 勢い良く自分に向かって来る二人を 前にして笑うと、そう叫び徐に 両腕を前にかかげた...すると 「なっ!?....蛇!?!?!キャッッ!!!」 「ちょっとハルカ...なんなのあの腕!?.... ってウキャァッッッッ!!?」 突如、天井に現れた暗雲を割り 現れた大蛇に駆り仮面をかぶる裸の魔王 アシュタロスが上空に光臨し、その かかげられた両腕に“力”の一部が 授けられる...そして 「...どうや?アシュ様の蛇腕の味は? うははっっ!!!....これが 僕の...本当の“能力”... 『4大魔王光臨』って奴や!!!」 『ビキッビキキッッ!!!』 大蛇の様になった貴弘の両腕は、左右 同時に二人に巻き付くと...そのまま その華奢(きゃしゃ)な身体を締め上げる!!! 『12月20日(月)』 第一五十話『霧の都ー染まる理由ー』(12.20.月) 「うぁぁっっっ!?!?」 「くっ!?...苦しい...ぃ?!!?」 大蛇と化した両腕で『ハルカ』『ミキ』を 締め上げる『貴弘』は、もがき苦しむ 二人の様を見て笑いをこぼす... 「あはははっっ!!!....さっきまでの 勢いは、どうしたんや?.... 僕がちょこっと本気だしただけで こないになってしまうんや...どや? もう降参せぇへんか?」 新たな“能力”『4大魔王光臨』 【サモン・カオス】通称『S・C』を 発動させた貴弘は、そう提案する...しかし 「....冗談キツイっての!!!.... ぐっ....あんたみたいなゲスの仲間に なって...たまるか!!!」 『キィィッッッン!!!!』 それを跳ね除けるようにハルカは、 叫ぶと、同時に全身に霊力を集結させ 一気に解き放ち、貴弘の腕が変化した 両腕の大蛇を一瞬で光の刃が引き裂く!!!! 「なっ!?!?!?」 『ドグシャドギャァアッッッン!!!』 「...やる...春...化...。」 「ーーーーっ!?幹!!!」 そして、腕から解放された彼女は、 それと共に気を失ってしまった ミキの身体を旨く落下する際に受け止めた!! 「大丈夫!?....良かった... 気絶しているだけか...。」 受け止めた彼女を心配するハルカは、 幹が息をしているのでホッと一安心しつつ 「....くくっ....面白なぁ...春化君 キミの能力...めっちゃ愉しめるやん...。 でも...幹ちゃんは、返して貰わな ...こっちも都合が悪いんや...解るやろ?」 両腕を引き裂いても尚、平気な 顔をして不気味な笑みを浮かべる 貴弘を睨みつける!! 「...死んで。 まじふざけないでよ...ミキは、...私の 親友を渡すもんですか!! だいたいあんた...なんで人間の くせに『幻魔』なんかの仲間 やってんのよ!!」 ハルカの言葉を聞き突然、真顔に なった貴弘は、興奮する彼女に向かい 静かに何かを語り出す...。 「...なにも仲間や味方をしとるんや ない...僕達は、僕達の意志で 行動しとるんや...選ばれた僕達が 持ち得る特権...彼女にもそれが あったて話し....だから誰もそれを 止める事は出来へん!!」 「いい加減にして!!!あんたは それでイイかもしんない...でもね... ミキは、彼女は望んでこうなった わけじゃなかった!! この子は、あんたとは違う.... 幹は私が守る....!!!!」 対時する二人は、お互いの力が きっこうしているのを知っている... 「...ふっ...何を言うかと思えば.... 幹ちゃんは...その子は、自分の意志で キミを殺そうとしたんや...。 これが解るやろ?...確かに...操られて いたのかもしれんけど...でも、それを 止める事が彼女には出来たはずや!!」 動揺するハルカだったがミキを信じ それを受け止めない!! 「そんなの嘘だ....!!!」 そして、そんなハルカを余所に 目を覚まし抱き抱えられているミキは、 「...それ、本当だよ...。」 徐に彼女にそう呟いた....。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |