『1月17日(月)』 第一七七話 『土の核色』(1.17.月) [この吾輩の拳であんたには少しの間眠って いてもらうっしょっっ!!!] 『ドギャギャッッッ!!!』 「ーーーーっ!!あたしをなめるなぁ!!!」 『雷鳴の鮫』【ジェリーウィップ】の 野太い腕から繰り出される拳の迎撃に 海水の刃で両腕を貫かれても、離さずに 構える剣で素早く受け止める!!! [...まだ...そんな余力があったか.... 面白いがーーー諦めるっしょ!!!] だが、受け止められた剣の上から拳を離さず 物凄い勢いで『京香』を押し潰さんと ばかりにジェリーウィップは力で 押し付ける!!!...が、 「...風よ!!“力”をッッ!!!」 『バヒュォォォオン!!!』 [なにぃ!!!?!] それを『風の核色』を使い 風の力で対抗するキョウは、一気に 体制を立直し、押し合う!!! 「....っと終わったな...んっあれは!?」 「...あっ!?...あのヒト危ないんじゃ!?」 自分達に襲いかかって来た『幻魔』達を 一掃し、歪みに沈めた『知也』と 『春化』は、海辺で闘うキョウの その危機に陥っている姿を見て 直ぐに足を踏み出す...が、 「ここからじゃ....!!」 「....とうてい間に合わないわ!!」 場所が離れすぎている為に 押し合いに負け始めていた彼女を 瞬時に救いにゆく事が 出来ないで焦っていた...しかし、その時!! [そんな下付かを今のあんたの腕に これ以上かけたら...どうなるか? わかってるんっっっしょ!!!] 「くっ!!!?」 「ーーーーッ『血化陣』!!! おぃおぃ...しっかりしてくれんと〜 俺様の方はもうかたずいとるんやからなぁ!!」 『ズシュッッッ!!!』 [わぎゃっ!!?!!] 既に海辺に立っていた『智明』が 放った真紅の刃が、剣を押し付けていた 片手に突き刺さる、そしてそれに準じて 「ふっ...少し手を抜いていたんだよ... これからが本番なんだから!!!」 『バシュォォォッッ!!!』 [うぎゃぁっぁぁ!!!!] 一気に風の助速を付けた剣でキョウは、 ジェリーウィップのその片腕を斬り裂いた!! 「...はぁはぁはぁ....。」 「おぃ!キョウ!!これ受け取れや!!!」 『ぱしぃっ!!!』 「!?...これは...宝石!!!」 智明は、キョウに声を掛けて 共鳴する『黄色の宝石』を投げ渡した 「お前なら扱えるんやろ!?」 「...なるほど...そう言う事か.... 『土の核色』ってところかな...。」 キョウは、剣にはめ込まれていた 緑の宝石を取り去り胸にしまうと 黄色の宝石をその代わりにはめ込む!! [〜〜〜〜吾輩の腕をぉぉ!!! 殺す...殺す!!!殺してやるぅ!!] 「...2つ目...その力をあたしに 示してみろ!!!!」 そして、風の刃で割れていた海が 元に戻ろうとするのと同時に 激昂して襲いかかって来るジェリーウィップに 向かい、静かにその剣を構えた!!! 『1月18日(火)』 第一七八話 『土 VS 水』(1.18.火) 「『貴弘』の残した宝石の...“力” 俺様に見せたってくれやぁ!!『キョウ』!!」 京香は、手にした剣に神経を集中し そこから...“能力”で封じられていた 力を解放する!!! [ハラワタヲ喰らってやりぃぃ!!! 水よぉぉぉぉぉ!!!貫け!!!] 『ザヒュッ!!!ザヒュゥッッッ!!』 だが、その間にも 狂気じみた声を出しながら『雷鳴の鮫』 【ジェリーウィップ】は、戻りつつある 海水を無数の刃に変えて、自身も 海水で作り上げた3つ又の矛を構え キョウに物凄い早さで襲いかかる....が、 「...五行説って知ってる?... 水は火を掻き消すように...土は... 水を...お前を吸収する!!!」 『ビュルルルッッッ!!!!』 [なっ!?...吾輩の海水達が!? ...吸収されるっしょ!?!] 全ての...その攻撃...いや、海水も含め キョウが突き刺した割れた海の土に 出来た亀裂に吸い込まれてゆく!!! 「...ふっ...。」 [くっ!?!くっ!!!! こうなったらぶっ潰すっしょ!!!] 3つ又の矛も吸収され、片方の拳だけで 無駄な攻撃を繰り返すジェリーウィップに キョウは、笑みをこぼしながら 「...もう、なす術がないんだから... 諦めなよ...あたしが土の効果を 活発かさせたから...暫くこの穴は 水を吸収し続けるし...それに、 お前...弱いし。」 [...ーーーーしょッッ!!!!!!!(激怒)] そうあっさり言い放つと 「...これでまた...あたし達の世界に... こいつを...はぁぁぁッッッ!!!」 『ジュパァァァッッッ!!!』 [うぎゃっ!?!?!!] ジェリーウィップの身体を真二つに 斬り裂き、歪みに沈めた!!! 「お見事やったな...キョウ...。」 海辺から浜辺へ上がったキョウを 『智明』は、出迎え肩を貸した... 「...はぃ、宝石...。」 『ぱしぃっ!!』 「なっ...!?」 キョウは、剣を背中に背負うと 両腕の出血部に能力を使い 傷を直しながら唐突に『土の核色』を 手渡した... 「それ...大事な物なんだろ?... また、あたしがピンチの時に... 貸して貰うさ...。」 「...へっ...そうやな、次からは 高こうツクけど...な。」 キョウと智明が、そんな会話を 交わしていると、彼女を心配して 走って来た二人が、それを見て声を掛けていた。 『1月19日(水)』 第一七九話『統治者キエル』(1.19.水) 「あたしは『雹ノ 京香』、キョウって 言われ慣れてるから、宜しくね『春化』さん。」 「あぁ、私もハルカでイイからキョウ。」 「俺様は『海驢 智明』...智明でえぇから。」 「っと、本当は他にも色々〜〜... まぁ、今はワケあって3人でここまで 来たんだ...けど、そう言えばハルカは どうしてここで襲われていたんだい?」 4人は、そうやって会話を交わし 双方の情報を交換しながら、この地帯の 統治者がいると言われている街を目指し 海岸を後にした.... 「せやったんか、ハルカも...その友達を 取り戻す為に...か...大変だったやろ?」 「...ぅんうん、一人じゃなかったから... いま...二人はどうしているんだろ...。」 意外にも目的が同一の智明とハルカは、 話しが弾み、街に辿り着く頃には、 いつの間にか数年来の友達のようになって しまっていた... 「キョウ...地図は、ここで間違え... ないみたいだよ...。」 「...本当に!?...!!!」 ハルカ達の前を歩いていた二人は、 目の前に広がる光景に我が目を疑いつつも 壊れかけた門を押し開き荒みきった 街の中へとゆっくりと足を踏み入れて行く...。 「...おぃ!...本当に間違えないんか!? ここが...ぅぇえぇ...気分...最悪や... これ絶対腐乱臭って奴やろ!?!!!」 同じように後ろから智明とハルカも 足を街へ踏み入れた...すると、その瞬間に 意外にも(元の体型ならカッコイイから。) 綺麗好きな智明は辺りに漂う 異質な刺激臭に思わず悲鳴を上げてしまう!! 「きゃ!?...これヘドロ...みたいだわ...。 あの!『トモ』!!キョウ!! ...原因はこれよ!!!」 靴底に付着した物体をまじまじと興味深く 見つめるハルカは、その場で吐きそうに なっている智明の大きな背中をさすりながら 先へ進もうとする二人に声を掛けた 「...これは...川...なのか...。」 「...上流から...何を流しているんだ!?」 ハルカの指さした川が匂いの元だった... しかも、それが街の上方から故意に流されて いるようだった!!! 「...こっ...ヴぉぇ....ここは... 『ディアナ』達みたいな統治者が いる街...ヴぁぉ..なんやろ!!!」 涙目で叫ぶ智明は、なるべく 川の近くから身を遠ざけて、匂いから 逃げている... 「...智明、しっかりしろよ...。 まっとにかく、川にそって歩いて みるしかないんだから、さっ!!」 トモは、この匂いは免疫があるようで 倒れる寸前の智明を元気付けながら 荒廃した街を眺めつつ足を進める...。 「...!?...なんだ...ここ!?」 先へ進んだトモが川の始まりで目に したのは、絶えず川へ、ヘドロを流している 大きな廃棄工場様な建物だった 「...どうしたの?トモ...これは... 酷いわ...ここから流されていたのね!!」 「うぇぷ...。」 「...なるほどね...。」 そして、正面と思われる場所へ回った 4人は、そこから中へ侵入を試みる...が、 「あんた達、そこでなにしてんのさ?」 突然!!真後ろからか声を誰かに 掛けられ思わず、身構えた!!! 『1月20日(木)』 第一八十話『眠れる統治者』(1.20.木) 「お前...ナニもんや!!?」 「あっ!関西弁やん。」 声に反応して誰よりも早く振り返った 『智明』が、斬首刀を振りかざし 攻撃を仕掛けようとする!!...が、 そこにいた智明と同じくくらいの歳の ボーイッシュな少女は、それにビクとも せず笑みを浮かべた... 『ザスッ!!!』 「おぃ、智明!!」 「心配するなや...攻撃は一応、外しといてる... せやけど、コイツ一体...!?」 そして、『知也』に止められた智明が 返事を返し、徐に振り上げた斬首刀を 地面に向けて振り下ろすと... 「何者とかコイツって...心外だなぁ.... 関西弁のお兄ちゃん!!あたいの名前は 『三橋 麗魅』【みはし れみ】 大学2年生だよ! 見たとこ、あんた達も移行されて ここに来ているタチでしょ?」 レミは、明るく自己紹介をして 建物の中へ案内し、説明してくれた。 「ここの『海岸地帯西』の統治者... 『キエル』は、この中で ずっと、眠り続けているんだ...。」 レミは、4人を工場内部に招き入れ そこで、順を追って説明してゆく... 「あっ...街の人がいる...。」 『京香』は、工場内部で生活を している人々を見て何故か納得していた... 「...そう、あの川からの汚染で... 街は....、でもちゃんとそれには 理由があるのよ...。」 レミの後に付いて歩く4人は、 暫くすると、ある部屋に通された ...そこには...。 「女の人...が、入っている!?」 『春化』は、最後に案内された部屋で 水の様な溶液の入ったケースの中で 静かに眠る女性を見付け、声を上げた すると、それを聞いたレミは、 「...彼女がキエル...この街の統治者... そして、この地帯の支配者に捕らわれた 眠れる屍....!!!!」 ケースに手を触れながら、何故か物凄い怒りを 露にして、叫ぶ... 「...話してみないか?...オレ達が “力”になれるかも、よ?」 トモの言葉で我を取り戻したレミは、 ハッ!?として、恥ずかしそうにしながら 4人を前にして、この街に 何が起きたのかを静かに語り出した。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |