『2月17日(木)』 第二〇八話 『忘れえぬモノ』(2.17.木) 『蔦の塔』【ラズベリー・フォー】にて 狐色の衣を纏う『海岸地帯西』の支配者 『アルフレッド・ライゼンツ』と 『京香』『智明』『知也』『春化』は、 決死の死闘を繰り広げる...そして、 遂にトモがアルフレッドの“能力”を 見破り、肉弾戦へともつれ込んだ!!! 「さっさとお前を倒しそしてーーー 『レミ』を助けに行く!!! いくぜっ必殺!!『龍墜撃』ッッ!!」 「私が認めている?ふふっ、ならば それすらも乗り越えてみせよう!!!」 『ガギャッッッン!!!!』 同時に二人の渾身の一撃が放たれた その結果...トモの拳がアルフレッドを 先に捕らえーーーーー 「吹っ飛べッッッッ!!!!」 『ずぎゃぁぁっっぉっっっん!!!』 「ぐふっゎっ!?!」 彼の顔面を殴り飛ばした!!! 「なんや、俺様達の出番がなかったな...。」 智明は、それを見て悔しそうに呟き そんな彼の肩にキョウは手をポッンっと置いて 「...さっ走ろうか?」 そう呟くと、少し笑った 「トモっっ!!!」 自らもかなり傷つき限界ギリギリで 立ち尽くしいたトモの下へ ハルカは、走り寄って声を掛けた... 「へへっ...ありがとな。」 彼女の肩を借りてソファーに腰を 掛けたトモは、礼をすると更に 「あとは、任せたぜ?二人とも!!」 扉に手を掛けていたキョウと智明へ 見送りの言葉を叫んだ...だが、それで 全てが終わったと思っていた一行に この後、直ぐに戦慄が走る事となる....。 「ふっ、この私が負けを認めるのか。 まぁ、いいだろう、私のまーーーー」 『ぎゅわっにゅちゃちゃっっ!!!』 敗北を認めようとしたアルフレッドが トモへ声を掛け躯を引きずりながら 立ち上がった....その瞬間!!! 「なっなんなんや...こりゃっっ!?」 「...そうか!!超越者とはっっ!?!」 彼の意志とは別の、もう一つの意志が その姿を現し、肉体を変化させて行く!!! 『2月18日(金)』 第二〇九話 『超越者』(2.18.金) 突如『アルフレッド・ライゼンツ』の躯が 異形な姿へと変化を遂げてゆく... 『めこっ...メキョキョッッ!!!』 「うがっ!?!ーーーーーまて!! お前はーーーー私に取り込まれた筈!?!」 断末魔の叫びに似た掠れた声を出し ながら数秒にしてアルフレッドは、 完全に自分の意志を失った... 「...どう言う事や!『キョウ』...。 奴を倒して終わった筈やなかったんか!?」 『智明』は、一人納得していた京香へ 声を荒だてて叫ぶ...すると、彼女は 「思い出してみなよ...『レミ』に 呪いをかけたのがあいつなら、何故 それ意外のさっきの“力”を持つんだ? ....つまり超越者とは....ーーー」 その変化を遂げて別のモノへと成り代わって 行く彼の姿を睨み付ける.... 「『トモ』...これは?!」 「...『幻魔』と自分の肉体を 融合して...自分の力とした “幻魔人”のそれとはまったく違う.... 更にそこに何者かの力を加えられた者...。」 そして、たった今...完全に変化を遂げた 支配者『海雹の烏賊』【ムリ・ドゥーム】が その姿4人の前にを現した!! [オレサマが負けを認めるかよ...。 けっアルフレッド・ライゼンツあの方の 力も使いこなせないでやがる!!!] 透明な身体に背中から生えた6本の 触手...更に透けて見える臓器を不気味に 蠢めかす幻魔ムリ・ドゥームは、 そう叫び、高らかに笑うとーーー 「....!?あかん!!!『血化陣』!!」 「何か飛んで来る!?!....ハッァーーーッッ 霊術式弐ノ型『緋空』ッッ!!!」 『バジュッッバジュジュッゥ!!!』 唐突に何かドス黒い粘液を両手から 部屋全体に放出した!!! [ほう、素早いな。] ムリ・ドゥームの動きに直感で このまま無防備では、危険だと感じた智明と 『春化』は、それぞれ“能力”を使い 側にいた者をその物凄い速さで打ち出された 液体からどうにか守り切った... 「助かった、礼を言うよ智明...?! おい智明、しっかりしな!!!」 「...ハルカ...どうしたんだ!?」 だが、お互い盾となった者達は、 無言のまま床に崩れ落ちた...そして、 それを見てまた高らかな笑い声上げる ムリ・ドゥームは、キョウとトモへ向かい [うひゃひゃひゃっっ!!! お仲間ごっこもその辺にしといた方が イイぜ?...今のは、あの女に浴びせた もんと同じ“毒の墨”だ...少しでも 皮膚に触れただけで染み込み永遠の 呪いとなって残る最高のなぁ!!!] 自分が放った毒を自慢していた...。 「これが...毒...。」 床にへばり付いたドス黒い墨を 触らぬようにしてトモは、彼女の身体を 抱き抱えソファーへと移した... 「ようはお前を倒せば全ては解決 する...そうだな?」 [出来るか?人間ごときが?!] 「そんな人間の身体を借りている お前にそんな事を言われたくねぇなぁ!!」 [ふふっ違うなぁ共有しているんだよ...。 そしてオレサマは、完全な肉体を手にした!! あとは、お前らの始末だけだぁ!!!] 「やれるもんならーーーー」 「ーーーーやってみなッッ!!!」 キョウ&トモは、同時に叫ぶと 一気にムリ・ドゥームへ攻撃を仕掛けた!! 『2月19日(土)』 第二一〇話『参戦!!麗魅』(2.19.土) 「『風の核色』よ...その“力”を あたしに示せッッッ!!!」 『パヒュオオォォッッォォッッ!!!』 剣の柄、中心部にはめ込まれた 緑の宝石から『京香』は風の力を 引き出し、助力を付け『海岸地帯西』の 支配者『幻魔』『海雹の烏賊』 【ムリ・ドゥーム】へ斬り付けに掛かる!! 更にそれと同時にーーーーー 「さっさと、沈め。 必殺必中ぅ!!『ヴレイジング・ナックル』 【烈風光弾拳】ーーーッッッ!!!」 『バギュルルルルッッッ!!!』 『知也』の拳撃が襲いかかった!!! [お前ら、『アルフレッド』とオレサマを 一緒に考えてんだろ?甘めぇよ!!!] だが、それらを前にしてもムリ・ドゥームは 少しもその場から動く事なくーーー 『しゅばっっ!!!』 「まさかっ!?」 「おぃ、まじかよ?!!」 [温(ぬる)いなぁーーッッ!!!] 同時攻撃を左右の触手で受け止めた...。 「高速でのあたしの剣撃が... 軽く受け止められた...だと? (今までの比にならないと言うのか!?)」 「オレの...“マサ兄”ぃの....直伝の 技を....そんな!? (あん時みたいに光が収束しない!?)」 二人が持ち得る最強の技をいともたやすく 破られ、一瞬...気を緩めたその瞬間!! 受け止められていた触手がいつのまにか 彼らの腕を捕らえ、忽(たちま)ち融合 してしまった!!! 『にゅごにゅろろろっっ!!!』 [殺し合いの始まりだぁ!!!] ムリ・ドゥームの言葉を皮切りに 侵食され腕の神経系統を全て支配され 武器を手したお互いが彼らの意志を 無視して暴れ、殺し合いを始めようとする!! 「やっ...めろぉぉぉ!!!」 「...くっあたしの言う事をーーー きくんだ!!!!」 必死の抵抗を繰り返すが、触手の 神経操作が強く思うようにいかない... [なかなか、粘る、が....。 こをすればどうかな?] そんな二人を見て高笑いをしながら ムリ・ドゥームは融合した触手へ 体内に帯電してる電撃を直接送り 二人を感電させ抵抗を弱める...すると、 思惑通りに彼らの意志は絶たれ 自由になった腕がお互いを捕らえた、が …その時!!!… 『パリィィイイィッッッッッン!!!』 「ハァッッッ!!『無機物操作(C・T)』 【チェシャ・キャット】発動!!! 硝子シャワーッッッ!!!!」 突如、窓ガラスを叩き割り乱入して 来た『三橋 麗魅』が放った硝子の刃が 二人を操る触手を切り裂いたッッ!!! [なっ!?貴様ぁっ!!!! 『アーバン・ライゼンツ』が既に殺した ハズでわっっ!?!?!] 自分が入った時に勢い良く散らばった ガラスへ“能力”を使いシャワーと化した それで触手を断ち切ると共に ムリ・ドゥームへも攻撃を放った レミは、その直撃を受け叫ぶ敵に向かい 「アーバンは、死んだ、だから 次は、支配者...あんたの番だよ!!」 冷徹にそう、言い放った!!! 『2月20日(日)』 第二一一話『Laiz a live』(2.20.日) 「はぁはぁはぁ...れっ...『レミ』!!」 「助かったぜ...うゎ...気持ち悪ぃなぁ っっーーーこのっぉ!!!」 『ぶちゅ...ぎゅにょにょにょ!!!』 本体から断ち切られたのにもかかわず まだ手に張り付いていた『海雹の烏賊』 【ムリ・ドゥーム】を引き剥した 『知也』と『京香』は、立ち上がり麗魅に 礼をすると、何故此処いるのかを聞く 「レミのお蔭で助かった...でも、 その傷は...やはり...。」 キョウは、ほぼ全身から血を流す 彼女を見て大体を察していた... 「あんたに向けられて刺客って.... 一体....それに傷、大丈夫なのかよ!?」 同じように傷を心配するトモだったが それよりもレミの何か思い詰めた顔を 見て、思わず声を掛けた... 「.......。」 二人の問に少し間を置いて彼女は、 重い口を開き答えた...。 「あたいに送られた敵は....昔の 仲間...行方不明だった.... 『アーバン・ライゼンツ』だった...。」 レミから出た名前を聞いた二人は、 顔を見合わせた...“ライゼンツ”...共通する 名を持つ目の前に倒れる支配者を見て... [くっ...はははっははっっっ!!!! おぃてめぇ...オレサマがーーーかっははは!! こいつは面白い....奴はアーバンの野郎は、 死ぬ前にお前に教えてくれなかったのか?] 「なに?!」 [元々やつらの目的だったんだよ...。 弟に貴様らの仲間のふりをさせ 時期が来たら戻す、ってなぁ!!] 「弟....!?...彼の兄はこの世界に 召喚されていない...じゃ?!!」 不意に高笑いをしながら立ち上がった ムリ・ドゥームは、硝子シャワーで 負った無数の傷からヘドロの様な体液を 垂れ流し床を腐敗させてゆく.... [奴の兄貴...つまりは...このオレサマが 今、使っているこのカラダこそーーーーー その支配者の『アルフレッド・ライゼンツ』 なんだよぉぉおおおぉっっっ!!!!] 「そんな...うそよぉおぉっっ!!」 「嘘じゃねぇよ、レミ...お前の事は、 奴から全て聞いてるぜ? もうイイだろ?死にな!!!!」 『パキョンッッ!!!』 そして、動揺して迷いを生じたレミの 頬を瞬時に移動し接近したムリ・ドゥームが 叩き、そのまま床へ崩し落とした。 「あぁぁっ!?!」 『べきょべきょきょ!!!』 倒れたレミの背中を足で踏みつけ 少しづつ苦しめるムリ・ドゥームは、同時に [お前らはもう終わってんだよ?] 再び部屋中に勢い良く“毒の墨”を 拡散させ舞い飛ばした!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |