『2月21日(月)』 第二一二話 『光を叩き込め!!』(2.21.月) 『蔦の塔』【ラズベリー・フォー】にて 狐色の衣を纏う『海岸地帯西』の支配者 『アルフレッド・ライゼンツ』と 『京香』『智明』『知也』『春化』は、 決死の死闘を繰り広げるが、その中で 彼は『幻魔』に姿を変え真の支配者 『海雹の烏賊』【ムリ・ドゥーム】へと 成り果てた!! そして、敵の“毒の墨”に統治者『キエル』と 同じく犯された智明とハルカを 置いて闘いは、参戦して来た『麗魅』を 加えさらに激化の一途を辿る!!! 『ばひゅひゅひゅひゅっっっ!!!』 再びムリ・ドゥームの両手から散布された 毒の墨は、更に部屋をドス黒く染めて行く... [くわははははっっっーーーっっ!!! 終わった...これで『選ばれし者』達も 同時に始末してやったぜぃ!!! 彼の御方もさぞ喜ばれるだろぉ!!!] 大きな声で笑うムリ・ドゥームは、 足元のレミから流れる血の溜まりを見て 踏み殺したと確信し、また高笑いを 上げようと息を吸い込んだ...だが、 …その瞬間!!!… 「魔を滅せよ....『活殺破邪法』!!!」 『ドゴッッッン!!!!!』 [げふぁあぁっっ!?!!] 突如、毒を浴びて動けずにいる筈の トモから“魔”等に関わる全てのモノを滅する 技を腹に喰らいその衝撃で後ずさる。 「その汚い足を退けろ.....。」 『どすっ!!!』 今の技の後遺症で苦しむムリ・ドゥームへ 先ほどまでとうって変わったトモの 追撃が入りたまらず身を引く... [ぬぉあぁぁっっっ!!!!! 胸が...焼け付く!?!....貴様何故ぇぇ!!] 何故、毒を浴びなかったのか!?と 叫ぶムリ・ドゥームに血塗れの彼女の身体を 抱き起こしたトモは、 「.....暫く待ってなよ...。」 それを無視してレミを壁に持たれかけさせる [....はははっ!!そうかそう言う事か!! そこにいる女が貴様の盾となったってワケだ! ...美しいもんだなぁ〜おぃ!!!] ムリ・ドゥームは、倒れていたキョウを 見て悟った...あの状況下で一人が 助かるにはコウするしかない...と!! 「キョウは、オレがお前を倒せると 信じたんだ...自分を盾にしてまでも...。 オレは、それに応えなくちゃいけない... あの時、『アリア』達と同じように ....“マサ兄”...やっと解ったよ... 何故オレにちゃんと古術が扱えなかったのか。」 トモは、精神を心に集中させ 『レイヴ・ソルト』へ“力”を収束させてゆく! [...っっは!!!同じ事なんだよぉ!! 毒に犯され死ねぇぇぇっっ!!!] 今度は自分の目の前にいるトモだけに的を 絞り、狙い一点照射の毒の墨を放射する!! 「お前は何も解っていない 体内の毒素は全てさっきの技で殺した...。」 だが、トモはそれに構わず走り 何故か透明になってドス黒さを 持たない墨が出る事で困惑する ムリ・ドゥームの胸下へーーーーー [ばかな!?これじゃぁぁっ!!!!] 「終わりだ、お前、結構面白かったぞ...。 古術連武式壱ノ型『滅魔』ーーーー 【バースト・アライズ】ッッッ!!!」 『バギュルルルルッッッン!!!』 古術連武を繰り出した!!!! 『2月22日(火)』 第二一三話 『誰かを守る事の強さ』(2.22.火) 支配者『海雹の烏賊』【ムリ・ドゥーム】は、 “毒の墨”を封じられ、更に『知也』から 受けた一撃が致命傷となり、あっけなく その場で事切れ歪みへ沈んで行く!!! 「...はぁはぁはぁ...オレに欠けていた もの...か...。 これで皆の毒も解除された筈だ....。」 それを見て、流石に連闘続きで 疲れていたトモは、ため息を漏らし 辺りを見回した...すると、 「うっ...うん?...あれ!?私は!?」 ソファーで死んだように眠っていた 『春化』や床で大ノ字になっていた 『智明』らは呪いが解けて目を覚ました!! 「...そうだ!『レミ』!!!が... くっ『キョウ』!!おぃキョウ!!」 そして、壁に持たれている瀕死の彼女を 救うべく京香を目覚めさせ、彼女の “能力”で傷を直して貰わんとする...。 「う..っ...あたしは....そうか、 トモ...やったのか...。」 身体を揺さぶられ起こされたキョウは、 早速トモと共に彼女の下へと急いだ... 「さぁ、早く!!!」 急かすトモを背に彼女はレミに向かい 能力を発動させ、血液を体内で補い 蘇生させようとする...が、 「...傷が塞がらない...!?!?」 どうしても、致命傷となっていた 傷だけが塞がらず、そこから血液が 垂れ流されて行ってしまう...その為に レミは、意識を取り戻すが...依然 瀕死の状態のままだった.... 「どう言う事なんだ?!...キョウ ...キョウの能力なら軽くーーー」 「いっ...イイの..よ...彼女の能力の 問題じゃないの....。 これは、きっとさっきの...海驢ーーー 二人とも危ない!!!」 『どしゅっ!!どしゅしゅっっ!!!』 辛うじて半身だけ起こす事が出来た レミは、トモの言葉を遮りそう 言って、笑う...だが、その瞬間!! 二人の真後ろから、先の闘いで 切り裂かれ、分断されたムリ・ドゥームの 触手が襲いかかるのを見て二人を 跳ね飛ばし、その刃を自らが受けた!!! 「レミーーーっっ!!!!」 「....!!!!!」 腹と胸に突き刺さり自分の身体と 融合しようとする触手を無視して 彼女は、口から血を吐きつつもーーー 「...ふっ..げふぁ....これが 限界...か、でも....お前達を倒せる なら...あたいはーーーーーー!!! はぁぁぁっっっ!!!!...『C・T』 【チェシャ・キャット】発動!!! 散る硝子よ...我が身と共に貫け!!!!」 『ザッパパパパッッ!!!』 最後に命と引き替えて能力を発動し 「....しっかりしろ!!!」 「待ってなレミ、今あたしの能力でーーー」 「...ふふっ...これでイイんだよ... あたいら人間も、この世界で死んでも 元の世界に...がふっ!?...還る だけ...だから...きっと...。 そんな悲しい顔をしないで...よ... また絶対会いましょう...元の世界で!!」 「絶対...だぜ...レミ...。」 「あたし...達に...任せておけ...。」 「...ふふっ...任せた...そうだ.... 奴に...そう確か...『海驢 貴弘』って... 男に気をつけ....な....ははっ、もう-----。」 自らを犠牲に、触手を歪みに沈めた...。 『2月23日(水)』 第二一四話『出来すぎた必然〜海驢 貴弘登場!!〜』(2.23.水) 『海岸地帯西』の支配者『幻魔』『海雹の烏賊』 【ムリ・ドゥーム】は、よりしろとしていた 『アルフレッド・ライゼンツ』と共に 歪みに沈んだ...しかし、二人を 庇い“能力”『無機物操作(C・T)』 【チェシャ・キャット】を持つ『三橋 麗魅』も その後を追うようにゆっくりと歪みに 落ちて元の世界へ戻って行った 自分達の世界での生死は不明のまま... 「...『海驢 貴弘』...???」 最後にレミの残した言葉を不意に 呟き、誰だったか思い出していた『知也』の 言葉に反応するようにーーーー 「貴弘...そうだ、レミは確かにそう 言った....あの時の....そうなのか? トモ...覚えているか?『ディアナ』の 屋敷で連れ去られた....彼だ...。」 『京香』は言葉を発した...。 『ごぽっごぽぽっっ...。』 「.................。」 「....いつになったら、目覚めるん だろ〜ねーっ。」 液体の入った柱の中で死んだように 眠る青年の姿をマジマジと見つめる 眼鏡を掛けて太った少年は、側に いる全身を黒いマントで包み込んだ人物に 明るく話し掛ける...すると、 「さぁね....聞いてどうなるものでも ないんだよ、“ふくだぬき”。」 「なっ!?...それってボルカンのじゃん! ふくだぬきは止めてよ!! 大体キミの趣味だってーーー」 自分をバカにするように返事を返した 人物に興奮して言い返す少年の言葉を 遮るように、しゃれた服を着込む 少女が話しを切り出した、それはーーーー 「くすす...ねぇ、知ってる.... あんたの趣味の男の下に彼の本彼が 向かったのよ?....どうなるのかしらね?」 「さぁ、な?」 「...どうせ、誰も相手をしてくれないんだ!! わっぁぁっっっっん(大泣き) みんななんかだいっ嫌いだぁぁあ〜〜!!」 「Hey!!泣かすなよ?あとが面倒だろ?」 「Sorry,以後気を付けるわ。 」 「やれやれ、だな...。」 海驢 貴弘と.....もう一人の話しだった...。 『ぱちぱちぱち....っ。』 「見事だったね、良くあのムリ・ドゥームを 歪みに沈めて、くれたよ、感謝しなきゃなー。」 拍手と声に反応してその場に振り向いた トモとキョウは、そこでいつの間にか『春化』が 座るグレーのソファーの横で寛ぐ 海驢 貴弘の姿を垣間見る!!! 『2月24日(木)』 第二一五話『出来すぎた必然〜貴弘と智明〜』(2.24.木) 「...!?....『海驢 貴弘』.... どうして此処にいるのよ!!!! ....それより、『ミキ』を.....彼女を 返せっっっ!!!!!」 『ばぎゅおおおぉぉぉぉっっん!!!』 「無駄だよ、『春化』さんっ....。」 突如、自分の真横に出現したヒロの 姿を見たハルカは激昂し、手にした 『霊聖坤』に瞬時に霊力を 込めると、それを彼に向け放った!!! ...が、しかしその攻撃はーーーー 「その槍....!!!!」 「これは、前にも見せたと思うけど...。 魔王『アシュタロス』の加護...つまり “力”を授かった最高の槍...『神の聖槍』 【ヴァイガルス】や!!!」 彼の手にする異形な槍に あっさりと、受け止められてしまう!! 「なっ?!....うっ...!?!」 受け止められた坤を弾かれただけで ハルカは、のけぞりソファーに再び 倒れ込んでしまった... 「あぁ、言い忘れてたんやけど...。 奴の毒は、消えても体力はごっそり 奪われてしもてるんやから....そないな 技を使ってしまったら、身動きも 取れへんように...ってあぁ遅かったんやなー。」 そんな彼女を見て笑うヒロは、 槍の矛先を喉元へ向け、一気に 喉を貫こうとする...が、その瞬間!! 「待てやッッ!!!....ヒロ... お前なにしとるんや!!!」 『智明』に突然声を掛けられその手を 突き刺さる手前で止めた... 「...やぁ、智明...いや僕のシャドウか? まだ生きていたとは...驚きだな〜。 前は群れていなかったのに...今はコウか? 僕の時は置いて一人で出て行ったくせに〜 イイ気な、“でぶ”だよなぁ〜....。」 「なんやと!?!!」 ヒロの言葉に興奮する智明は、 思わず叫び....困惑する...。 「どうしたんだ?かかって来い、よ? 間抜けたブタには無理かな?」 挑発するように言葉を発するヒロを 目の前にして、どうしても前に 震えて一歩踏み出せずにいる智明... あの日の記憶が脳裏を駆け巡り 自分の胸を痛いほど締め付ける... 「.....くっ...ぐっっ....!!!」 今、悪夢が現実となって彼の心へと 襲いかかった!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |