『3月5日(日)』 第二二五話 『臨海都市〜連戦激戦超熱戦〜』(3.5.日) 「ゎっわっゎっ....ふぅ...。」 「あはっ、今度は慎重にするっスよぉ〜。」 部屋を出た3人は、暫く通路を走り 物陰に身を潜めて会話をしていたーーー 「『空』っっ!!!俺様が お前が行動時に振り落とされてしまそう だったじゃないかっっ!!」 「にゃっごめんごめん『マボ』 次は注意してヤルっスから〜。」 「怒る観点が違うと思うけど〜〜〜。 本当にビックリしたんだよ〜!!!」 『勇二』が呟き不安そうな 顔をすると空は、手を取って声を掛けた 「じょぶじょぶ、ネッ?」 「まぁ、イイ...それより、これからだな...。 まず中継を止めてから敵のボスを叩く、か? それともその逆、か?...だが...どうする?」 マボの提案に二人は答を考えていた すると、不意に話している者達には死角と なり存在が悟られない場所の通路から 会話が洩れて聞こえて来る... 「何を...話してるんだろ〜?」 3人は耳を澄まし、その声を聞き入った。 「『盲目の羊』【シープ・ゴート】様が 直々にΑスタの講堂で 会見をなさるそうだがーーー どうする我らも警護に立ち会うべきか?」 「そうだな...生粋の『幻魔』達は立ち会う べきだろう護衛に、な...? “集落”の試験は続けさせ、 先に合格した指揮下の兵士共を連れてゆく。」 「では、おれは講堂に行く...。 お前は兵士共に、その伝令を伝えてくれ。」 「解った、ではそちらも任せたぞ...。」 会話が終わると2体の幻魔は、姿を消した... 「敵のボス自らが会見をするって事は〜 生放送って事かにゃ〜?」 「確か、講堂って言ってたよね〜。」 「決まったな、その場所はーーーっと このマップだと、結構近い...みたいだぜ?」 3人は、即その場から移動を開始した だが、講堂を目指して進んでいた途中の 通路で勇二は、奇妙な物を目の前に見付け 「あっ...あれなんだろ〜?... 空〜バケツみたいのがあるよぉ〜...???」 思わず空に声を掛けて指を差す、すると そこには青い蓋の閉まったバケツの様な 物体が存在していた... 「あはっ、これってポリばけっスねぇ〜。」 『ばじゅるるうぅぅっぅっぅぅっっぅう!!』 [まぎぃいぃぃぃぃいいぃっっ!!!] しかし、次の瞬間!! それは一瞬にして勇二を飲み込み その中に収めてしまった!!! 「...空ぁぁっっ!!!」 マボは空の肩で叫び、間合いを取るように 指示を出す... [まぎぃいいぃぃぃいいいっっ!!!] 「...舌で勇君を一瞬にして捕らえて 飲み込んで...しまった...!!! こぃつ....これじゃ、攻撃が!?」 上蓋を開き、物凄い速さで舌を使う 幻魔が勇二を体内に取り込んでいる為に 攻撃をためらう空に向かい、それに構わず 舌で今、襲いかかる!!! 『3月6日(月)』 第二二六話 『臨海都市〜乱入!!〜』(3.6.月) [まぎぃいいいいっっっいいいっ!!!] 『ばきゅるるるっっっるるんっっ!!』 『勇二』を瞬時に飲み込んでしまった バケツに入った『幻魔』の舌による 攻撃が戸惑う『空』に向かい放たれる...が、 「イイ加減にしやがれっっ!!!!」 「まっ...『マボ』!!!」 それは、アライグマの人形、空の肩に 乗っていたマボが噛み付き、寸前の所で 危機を逃れた...!!! [まぎゅいいぃぃぃっっっっ!!!] 「ケッ奴(やっこ)さん俺様に舌を噛まれて 発狂してやがるぜぃ!? って、かタン塩の味がしたぜぃ!!!」 「あはっ、おなか空いたね〜〜〜。 ん〜〜〜マボ〜〜あれで一気に終わりに しよっか〜勇君はきみがくわえて来るーーー それでイイよね、出来るよね???」 「ふっん!!出来るっちゅーねん!! 誰にお前は口をきいてやがるんだよ!!! 行くぞおぃ!!!」 次の舌からの追撃が放たれる前に マボは、空の右腕に飛び移り、掴む...そして 素早くその場で回転を始めた!!! 「Gブロックで『屑篭の罠』 【ルーザートラップ】に引っかかった者達が いるようです...更に追撃を放ちますか?」 「いや、どうせ、微々たる人間共など 相手にするまでもない...奴に喰われるのが 落ちだろうよ...全て、な?」 「では、中継に専念します!!!」 「そうしろ、伝令は確かに伝えたぞ、 ...ふふっ、既に御方の国家が築き上げられ つつあるわ....くははははっっ!!!」 彼女が直々に中継を行う理由は、 自身の霧の濃度を“恐怖”によってさらに 濃く深くする為だった...霧を吸い込んだ 全てのモノの弱き心を支配する... その会見時間が既に残り5分前まで 押し迫って来ていた...すると、それに 乗じて彼ら3人の他にも遅れて侵入者が 講堂に姿を現していた...“幻魔兵士”と化した 人間達に紛れて...。 「....『三月』...解った、まだ 全部じゃないし、ちゃんと思い出しても いないから信じられないケド....!!!」 「『光助』のソノ解除くらいなら 出来るから、準備が出来たら教えてね...。 彼らの動きは既にメールで聞いてあるから、 (マボさんきゅ!!)...たぶん『お台場』の フジTのあの建物にいると思う...。」 やはり、不安を感じていたマボは 小型のメール機で彼女にメールを出していた 「...勇二もそこに...いるんだね!?」 「えぇ、そのようね...メールに書かれて いたからーーーでも、無茶しないでよ... 私も同行したいけど....。」 「わかってる...大丈夫!!おいら... いや、オレっちに任せておいて!!」 「くすッ...それじゃぁ....“能力”を 解除します...ハァァアッッッ!!!」 『ズキュウウウゥゥゥーーーンッッ!!!』 三月が彼の目の前に手をかざすと、 そこから光が放たれ、躯を包み込む!!! 「...これがオレっち...の本当の...。」 すると、そこにはーーーー 「...さぁ、行きなさい!!!」 能力の解けた『安大 光助』の姿があった!!! 『3月7日(火)』 第二二七話『臨海都市〜重なりし時〜』(3.7.火) [まぎぃいいいいいっっっいいいぃぃ!!!] 『ばじゅるるるるっっっ!!!』 罠型『幻魔』『屑篭の罠』【ルーザートラップ】 は『勇二』を捕らえたのと同じように 『空』も飲み込もうと、素早く舌を伸ばし 一気に襲いかかる...が、それを目の前にして 笑みをこぼす『マボ』は、空の右腕で 高速回転を繰り返しーーーーー 『ばしゅるるるるっっっ!!!』 「んじゃ、もぉイイだろ?」 「解った〜、行くよぉ〜〜〜〜〜!!! きるきるきるきるぅ〜〜〜〜〜〜 『キル・ズ・ブレイク』ッッっ!!!」 『バギュルルルルッッッッッゥゥンッッ!!!』 今、押し出される様に空の声に併せて ルーザートラップへ向かい放たれる!!! [マッ!?まぎょへぇっぇつ!?!!] 『パギュオオォォォッッン!!!』 ルーザートラップの舌は、光の弾丸となって 真正面に存在する全てのモノを凪ぎ払う マボに触れた瞬時に消滅する...そして、 そのまま突き進んでゆくソレは、一瞬にして バケツの様な幻魔の身体を貫通する!!! 「けっ!!?...ゴミくせぇザコがぁ!! さっさと消えちまいなぁ!!!」 マボは体内を突き破る際に消化液 塗れになっていた勇二を口にくわえ 体外へ突き抜けた!!! 「あっ...マボ...?!!ボク!! 助かったんだね!!!」 粘液は空気に触れると瞬時に気化し 幻魔と共に消滅して行った 「大丈夫〜〜〜〜...勇君!!!」 直ぐに走って来た空とマボに自分が生きて いる事を少しして漸く実感した勇二は、 「....有り難う二人とも...あはっ。」 礼をすると、笑顔を見せる... 「...ちぃっ...どうする?...また あんなもんが設置されてたら面倒だなぁ...。 どうにか...ん!!!そうだ!!!」 目的地とは違うが、その場から1階上の 丁度同じ位置に講堂がある事に気付いた マボは、さっさと二人に側の扉に入るように 指示を出した... 「...そっか〜ここはっっあれっスねぇ〜!!」 「...わぁ〜真上に来たんだ〜...でも、 高いから恐いっっっ(汗)」 そこは、正しく講堂の真上...制御室の様な 所だった...真下では、今まさに 死の会見が行われようとする....。 [あにしてんだぁ〜〜〜おめぇらぁ!!!] 「ヤバ!!見張りじゃん!!」 「ゎゎゎ〜〜〜っっっ!!!」 「2体、か...早いトコかたそうぜ?」 [けけけっっ!!!人間がぁぁっっ!!!] 警護に当たっていた幻魔達との 戦闘を1分以内に終わらせるーーーー 「勇君...下がって、てて...。」 「場合が場合だな...俺様もヤッテやるよ?」 制限時間切り切りの死闘が開始された!!! 『3月8日(水)』 第二二八話『臨海都市〜再会!!!〜』(3.8.水) 「『マボ』左まかせた〜!!!」 「んっ、わーったしっかり殺れよ『空』っ!!」 二人は同時に行動を開始する!! [あんだこのやろー!!人形!? プッハーーーッ!!!お前みたいなーーー] 『ずきゅうぅぉぉーーんっっ!!!』 「お喋りは、余計なんじゃないのか?」 マボの鋭い牙は、一撃で喉元を引き裂き 一瞬にして、『幻魔』を消滅させた、同じく それと同時位にーーーーー [けはぁぁっっ死ねっっぇぇっ!!!] 『ばぎゅぉぉっっっん!!!』 「武器を手にしたおいらをあんまし なめないほうがイイよ?」 空も敵から奪った槍で弧を描くように 一閃して胴体から上下に斬り裂き 何がなんだか解らぬうちに幻魔を消滅させた!! 「ん〜30秒ってとこ?」 「そうだな、じゃぐずぐずせず...。 一気にブッ潰す、ぞ!?!」 「...ひゃ...ひゃあぁ...二人とも 強すぎじゃない....?!!」 あっさりと警護の幻魔を始末した 二人に次いで講堂に潜入した『勇二』は、 自分の真下を覗き込んだ瞬間、高所恐怖症に 襲われ、目眩を覚えていた...のだが、 「...飛び降りる、よ!!!」 「空、お前が一撃であのガキを始末 するんだ!!...あの少女ぶった奴の 脳天を貫いてヤレ!!!」 それに構わず、二人は行動を開始し、今ーーー 「わっぁっっ!?!」 空が会見を始めようとしていた 『盲目の羊』【シープ・ゴート】を 目掛け、槍を手にその場から飛び降りた!!! 「....これで私が全てをーーーー」 『ざきゅぅぅぅっっっん!!!』 講堂に周囲のざわめきが巻き起こり響き渡る 果たして、空は彼女を暗殺出来たのか? …それは… [『啓子』嬢...やばかったぜ?] 彼女の影に潜み隠れ住む幻魔によって 防がれていた!!! 「ーーーーっ影に潜む.....抜かった...!!!」 空の槍は抜け出した幻魔によって 啓子を貫く前に捕らえられ、空中で 身体ごと停止している...しかし、失敗した事で 次の行動をどう行うか?と、彼が考えていた、 …その時!!… 「...イケるよ!!!....隙が出来たし、ネっ! あとはーーーーっおれっちに任せろ!!」 混乱が起こる講堂内部で“幻魔兵士”に 紛れていた『光助』はそれを気に 敵をしとめようと、叫び舞台へと 一気に駆け上がってゆく!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |