『3月13日(月)』 第二三三話 『臨界都市〜強者と弱者の違い〜』(3.13.月) 『空』は笑いながら霧による 攻撃を避けると... 「『マボ』『勇君』大丈夫 かにゃ〜...まぁ『光助』がいるから 問題ないと思うっスけど〜。」 『盲目の羊』【シープ・ゴート】であり 自らの影から羊の『幻魔』を 生み出す『啓子』に完全と対時する!! 「...あたしの霧を侮ってもらっては 困るのよね、お兄ちゃん!!!」 すかさず、追撃の霧による技を次々と 空に繰り出すもーーーー 『がきゃかかっっ!!!!』 「侮っているのは、キミの方でしょ? おいらを殺すのは無理だよ...キミ程度じゃね?」 「ふっ、言うわねっっっ!!!! 『絶対なる霧』【ラピット・シャウト】よ 収束し、お兄ちゃんを包み込んで しまいなさいッッ!!!」 『パヒュォオオォォッ!!!』 「...だからムダだって、ば。」 少女は尽く全て打ち破られてしまう!!! 『獣化』し、異世界で 『ハウリング』と呼ばれる狼に 変化した光助は、勇二を背に再び 羊の幻魔との闘いを繰り広げていた!! 「...くっ、『キール・ロ・ワイヤル』!!」 『じゅきゅぅぅぅうぅっっ!!!』 光助は、渾身の一撃を放つ、が... [同じ技二度もキクほどやわく ねぇんだよぉ!!....見せてやろぉぉ!!! 真の恐怖をぉぉ喰らいなぁぁ『爆発の霧』 【デリンジャー・ソース】っっっ!!!] その攻撃は、既に見抜かれ幻魔は 自らの身体にその技が当たる前に、 「ばかっ!?光助っ突っ込むな!!!!」 『バギュォォォォォッッッッン!!!!』 周囲の霧を爆薬と変え、それを爆発させた!! 「うぁぁぁっこうすけぇえっっ!!!!」 爆音が耳をつんざく中で勇二の悲鳴が 木霊し、血塗れの光助が白煙と共に 宙を舞っていた....。 「くすす、あははははっ!!!! あっちの決着はついたようですね!! お兄さん次は...貴方の番ですよ?!!」 爆音を聴いて勝ち誇る様に笑う少女に 「どうっスかねぇ〜〜〜? アレ、見てみて考えて欲しいっスねぇ〜。」 空は、そう言い放つと指を差した 「なっ!?!ばかな!!」 すると、そこには血塗れでもなお立ち上がる 光助の姿があった... 「『あの爆発に巻き込まれたら即死なのに!?』 っスか?...あはっ、甘いですね〜... 本当に強いってのは、心が決めるんですよ。」 そして、それを見て驚愕する少女へ 初めて空が攻撃を仕掛ける!!! 『3月14日(火)』 第二三四話 『臨界都市〜今なら、まだ…〜』(3.14.火) 霧の支配力が低下しているのか、 “幻魔兵士”の統率が今一つ旨くゆかず 戸惑う『幻魔』達は、何とかそれを自分達で “集落”にて処理しようとする...が、しかし 「ケッ...『市村』ぁ〜〜〜。 一人だけ、ってのはないんじゃないの?」 「ふっ、じゃぁ待っててやるから 手始めにそいつらを殺っときな!!」 突如!!各地から集められ集落に導かれた 中のある一部の人間達によって起きた 反撃が邪魔をし、それすらも出来ずに終わる... さっきまでの状況から一転し、まるで 歯車が外れたように噛み合わなく なってしまった組織は、知らず知らずと 崩壊の一途を辿っていた...!!! 「...『シェイプ・フェイス』っっ!!!」 『ドギュシャッッッ!!!!』 [まぎぃっっぉ!?!] [びゅひゃぁぁっぁつ!?!!] 「行くぞ!!早くしろ『田窪』!!」 講堂を目指し、それぞれが走る!!! 『お台場』を取り囲んでいた 霧の隙間から次第に光が大地を照らし出す... 『盲目の羊』【シープ・ゴート】の“力”が 弱まり“能力”に陰りが見えているのか? いや、そうでは無く...より強大な力を 使い一気に日本を自分の支配下にしようと 『啓子』は、目論んでいるのだ...これも 計画の内の一つとしてーーーー 「霊術式『蓮華』ーーーッッ!!!」 『ずぎゃっっっっっんっ!!!』 「いやっ!....そんなぁああぁっ!?!」 『空』の攻撃は、素早く完全に少女を捕らえて いたの...だが、 「これで、懲りた?」 瞬時に首元で手にした棒の勢いを殺し 「....!?...なぜ、...お兄さん... 私をしとめない...の?!!... 解放するには私を殺すしかないのに!!」 傷つけずに闘いを終わらせようとそこから 説得を始めた... 「憎しみや悲しみは何も生み出さないんだよ? ...だから、キミが死ぬ必要も ないんじゃない...かなぁ〜っと おいらが思ったから....って言うか、 別の方法があるハズだよ、この霧を 無くして、魔物達を消す方法が...。」 「...ふっ...あははははははっっ!!! 甘いね、お兄さん....後悔するよ.... あたしを殺さなかった事!!!!」 だが、突如表情を一変させた少女に 得体の知れない何かを感じ、空は直ぐに 首から棒を離し、間合いを取る...。 「『光助』っっ!!!....ちぃっ... あっちはあっちで、慣れないあいつの真似 なんかしようとするからピンチだし... こっちはこっちでぇえ!!!」 両方の危機に『マボ』は少し焦る...が、 「...ボクがハウ...ぅんうん、光助を 助けるから...マボは、空を!!!」 それを見て『勇二』は、叫ぶ!! 「...信じてイイんだな?」 「ぅん....自信はないけどーーーー」 マボは、それを遮り 「自分を信じろ...能力を覚醒させる為には まず、自分の事を信じてやれ...それから 誰かの事を守りたい...っとか、思うんだ...。 お前なら出来るよ...絶対、じゃあな!!」 そう言うと、肩から飛び降りて空の 下へと向かって行った... 「...有り難う...マボ...。」 その言葉を胸に勇二は、前に足を 一歩踏み出した...大切なモノを守る為に!! 『3月15日(水)』 第二三五話『臨界都市〜魔王の聖痕〜』(3.15.水) 羊型の『幻魔』と爆撃を受け瀕死の 『安大 光助』が対時する中に『勇二』は、 『白金の鞭』【レイジング・ビュート】を 手にし、参入する!! 「....光助だけに...いっつも 助けて貰ってるなんて...イヤだ!! だから、今度はボクが守るんだ!!!」 「....勇二!?!...オレっちに任せて おけってのに...へへ、でも...心強いぜ!!」 勇二の参戦に驚く光助だったが、今は それが必要だと感じ、快く受け入れた [げじゃじゃっっ!!!幾ら増えようとも 犬っころなんかじゃ倒されはしねぇぇっっ!! もっか吹っ飛べよぉぉ!!!] 再度、霧を爆弾へと変化させた幻魔は、 雄叫びを上げながら二人に襲いかかる!! 『盲目の羊』【シープ・ゴート】の様子が 突如!!変わった....何かが乗り移ったように 表情から口調までが!!! 「あはははっ!!!!....『末田 啓子』 【まつだ けいこ】は、捨て駒に過ぎないのさ! ....驚いたかい?でぶ君?」 「....誰っスか〜!?」 異常な気配を見せる少女に警戒する 『空』は、また得体の知れない悪意を感じる 「...ふふっ、あたしーーーいや、 僕は『海驢 貴弘』...!! 異世界から世界中に幻魔を送り込んでいる 者の一人さ....。 だから邪魔されると....むかっつくんや!!!」 少女の首筋には何かが描かれた痣が 見えた...それを媒体に操っているんだろう... 空は、それを一目で見抜く 「...まぁ、いいやとにかく....。 お前の行動は、おいらが止める!!!」 「やってみろや!?....ふふっ、 魔王の“力”を手にした啓子は、誰にも 止められないと思うんやけどなぁっっ!!!」 不意に少女の意識が戻る...だが、 …次の瞬間!!!… 『めこっめきょきょっっ!!!』 「空!!!大ジョブか!?!」 「...ぅん...でもあれ『マボ』見て...。」 影から無数に現れた幻魔が彼女を貪る様に 同化し、完全なる魔物と化してしまう!!! 「なっ...なんだこりゃ?!!」 完全な“魔”と成り果てた啓子に既に 自我は無かった、破壊の限りを尽くす “真魔”となって、マボや空を含め場に 居合わせた者達全てにその邪悪な力を 振るい襲いかかる!!! 「マボ....ここで終わらさないと被害が!!」 「わ〜ってる....うだうだ言うな!! 空...一撃で決めろよ!!!」 だが、それでも二人は立ち向かう!!! 『3月16日(木)』 第二三六話『臨界都市〜真魔〜』(3.16.木) 「...魔王『スルト』の“力”を 聖痕から送った...くくっ、『幻魔』 『盲目の羊』【シープ・ゴート】に選ばれた あのお子様なら〜〜〜間違えなく 人間を超越した魔人...“真魔”と なれるやろ...あはははっっ!!!」 中心にある液体の入った柱に寄り掛かり ながら、叫ぶ『貴弘』はその中で浮かぶ 人物の顔を見上げた... 「ふっ....調子はどうだヒロ?」 不意に黒マントの人物から声を掛けられた ヒロは、直ぐに振り向き返事を返す 「せやな〜...ぼちぼち...かなぁ?」 彼の答えを聞いた人物は、闇に覆われた 顔の部位から笑みをこぼす... 「おぃ!二人とも....奴ら、の事を ほって談笑かよ?」 二人の会話を横で聞いていた『レビン』が 歩みながら呟く 「...『雪原地帯』制圧には、 もう『ルクレツァ』が向かっている...。 彼女なら心配いらないだろ?」 人物は徐にレビンにそう言うと 姿を闇に消した....。 「...ちっ....こっちが、こんな事で 困ってるって時にあいつら....。」 「あらっ...私は最初っから『裕雄』に 行ってたじゃん?」 「そう言うなよ『真弓』....。」 [ウギィギィッッッ!!!] [ごちゃごちゃ五月蝿い!!こいつら喰う!!] 幻魔に囲まれたカップルは、『お台場』にて “集落”へ向かう船から降りた途端に 反乱を起こしたので始末されようとしていた 「馬鹿だよあいつら殺されるのに!!」 「もういやぁぁっっ!!!」 辺りの人間達は、騒ぎ嘆く... だが二人はそれを後目に落ち着いて 幻魔達にーーーーー 「ふぅ...下品な感じよね〜....。 まつ、いっか!!良いわね?行くわよ!! 『コントロール・ダガース』!!!」 『ずぎゃっっっっっ!!!!』 [まぎょぎょっ?!!] 「ひゅ〜っやるねぇ...んじゃオレも イクぜ?『スティング’ス』!!!」 『バズンッッ!!!』 [うぎゃっらっ!?!] そう、言い放ち一瞬にして消滅させてしまう!! 「さて、どうしようか?『勇二』....。 キミの魔法援護があれば...だけど...。」 「...大丈夫だよ....『光助』!! ボクを信じて!!!」 『バギュォォオオォオォッッン!!!』 [終わったっなぁ〜〜〜!!!] 二人に向かい霧の爆撃が容赦なく 襲いかかった!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |