『4月5日(水)』 第二五五話 『残酷な始まり』(4.5.水) それは彼ら『幻魔』達にとっては 宴だった祭りでもあった... [...子供の肉はうめぇなぁ... 『雪原の雌豹』【レキ】ぃ〜!!] [ふっ...私はそんなモノに興味は ない...ただ、憎悪や妬み...悲しみ と、いった悪意の感情が人々から 欲しいダケ、さ....。] 突如!!雪原の村『ミディ』を 襲った幻魔は、人家に青白い炎灯し それに慌てふためくこの世界の住人達を 次々と抹殺してゆく!!! 「たっ...助けてくれぇ!!!... ひっ...おねがぁっっ!!?」 『ちゅっぴゅううっっぅっっん!!!』 [美しくないな....。 『死の侵犯』【ラル】...。 さっさと殺せよ?] [あ〜だからよー今殺したじゃねぇ〜か〜?] 必死に許しを請う父親を殺し 息子を喰らうラルと呼ばれる獣の姿を 型どった幻魔は、レキと呼ばれる 白色のマントに全身を包み込んだ人物と 共に村の奥へ奥へと進みながら 村の全てを破壊してゆく... 「...お母さん!!!いやぁぁっ!?!」 『どぐしゃっ!!!』 [お気の毒に...キミの母親なら...ほら そこで『偽りの魂』【レイヴィンド】様から 与えられた神聖なる灯し炎(ひ)にその身を 浄化される為に焼かれているよ。] 「うぁあああぁぁぁぁっっっ?!!」 錯乱して叫ぶ子供の首を掴むと 『もぎゅぁぁっっ!!!』 [っるせーよ...ん〜生きる価値無し!!!] ラルは首をもぎ口にほうばった...。 『三浦 洋子』が匿われていた場所は、 かなり村の奥に位置していたため 今、起こっている危機を知らずにいたのだが... 「『レィニイ』...強大な生命を 持った何かが...村に現れたよ!!」 突如!!『御津 竹丸』が一人異変に 気付き、唐突に声を上げた!!! 「...竹丸...それはもう村の中に いるのですね?」 すぐさまレィニイは彼に問いかけ 「ちょっ...何がどうなって....???」 「...出ます...!!!」 首を上下に振ったのを確認すると、 徐に手に矛の様な武器を手にして 「何処行くんだっ!?レィ二イ!!!」 「...お別れです...さぁ、二人共...。 この村から逃げて北の方角へ向かって 下さい...そこに街があります....。 それでは....!!!」 戸惑うヨーと険しい表情を見せる竹丸 2人に向かい...そう言い放った!!! 「どう言う...ことなの???」 ヨーは思わず声を漏らした... 「...ヨーが...そうだったんだ、ね...。」 ワケの解らない事を言われ パニックに陥る少女を置いて少年は 徐に呟いた... 「どう言うこと???」 「...レィニイに言われていたんだ...。 近いうちに僕が連れて来るヒトが 此処を訪れた時...自分は死ぬ、って!!!」 彼女の質問に思わず叫びながら 答えた竹丸は、唐突にヨーの手をとった 「ちょっ!?どうしたんだ?!!」 「早く!!...レィニイの意志を無駄に しないで!!!」 そして、彼女を連れて家の裏口へ向かった!! 『4月6日(木)』 第二五六話 『白銀の決意!!』(4.6.木) 『雪原地帯』辺境の村『ミディ』を突然!! 2体の強大な“力”を持った『幻魔』が 襲う...それに気付いた『竹丸』は、 『レィニイ』に伝えた...すると、 レィニイは、時が来たのだと...言い放ち 2人の異世界からの“能力者”を失わんと 1人、奴らと闘うべく 敵が暴れる村へと向かってゆく... そして、これを気にレィニイの意志を 無駄にしまい、っと竹丸は『洋子』の手を 取って裏口へと走った!!! 「まっ...待って、それじゃ...彼女は 自分の身を犠牲にして....ぼく達を 逃がそうと???」 困惑して錯乱気味のヨーに竹丸は 「そうだよ!!!ヨー!!...僕の能力は 探知型で攻撃力が零に近いんだ...。 それにヨーは、たぶん...まだ自分の 能力を理解していないし...当たり前だよね...。 だってまだ何の説明もしていないんだから! だから、今はまずいんだ!!レィニイに 頼るしかない...早くそっから出て!!!」 叫び、身体を揺さぶった... 「...何で彼女がぼくを?...それに 残していったら...あの怪物みたいな 奴らが来てるんだったら...殺されて 絶対殺されちゃうよ!!!」 「レィニイは死ぬ気なんだよ....。 初めっから...ね!!!」 竹丸の言葉に衝撃を受けるヨー... 「なっ?!...何で...??? まさかそれがさっき言っていた...。」 彼は首を上下に振ると裏口の扉を 徐に開け放った!! 「さぁ、行くよ!!ヨー!!!」 雪が静かに舞い落ちる中へ 足を踏み出した竹丸は、彼女の手を 引っ張り先へ進もうとする...が、 「駄目だよ...そんなの...駄目だよ!!!」 それを嫌がるヨーに阻まれ 手は引き離されてしまう... 「...しかたないんだ!!...ヨーは おねぇちゃんでしょ?もう解るよね? 此処で僕らが殺されればレィニイの 世界も僕らの世界も救えないんだよ!?」 涙目の洋子を宥めるように 竹丸は、説得する 「そんなの間違ってるよ....。 ぼくはレィニイが死ぬのも嫌だ.... もちろんキミが死ぬのも...ぼくが 死ぬのも....でも、誰かを犠牲に してなんて!!!ぼくは絶対嫌だ!!!!」 しかし、ヨーはそれを聞き入れずに 泣きながら叫んだ!!! 「....僕だって、嫌だけど....。」 不意に風に吹かれた雪の結晶が 再び空へと舞い上がる... 「それならーーーーー」 沈黙のあと徐に口を開いた洋子は言った 「闘えば...いいんだ!!」 「えっ?????」 「だから、ぼくも闘う!!!! 全てを諦める前に...やって みなければ運命は解らない!!!」 銀色の舞う粉雪が彼女を輝かせる!!! [けけっ!!!ガキはもぅ いねぇーのかぁ?!!!] 粗方子供を喰らい尽くした幻魔は、 残りを探し叫んだ... 『バゴッッッン!!!!』 「....貴様に喰わせるモノなどない!!!」 だが、幻魔が油断した、その間に 一瞬にして走り寄って行ったレィニイから 矛により繰り出された技の直撃を 喰らい民家に吹っ飛ばされていった!!! 『4月7日(金)』 第二五七話 『レィニイ VS ラル』(4.7.金) [何者だ?てめぇっー?!!] 「貴様に答える必要はない!!!」 『死の侵犯』【ラル】が声を荒だてて 叫び立ち上がろうとした、 …その瞬間!!!… 『バギョッッッン!!!!』 続け様に『レィニイ』の矛から攻撃が 繰り出され、一気に『幻魔』を 追い詰めてゆく!! [....けけっ...こぃつあぁぁっっ!! 面白れぇっっっ!!!] だが、追い詰められているにも 関わらず幻魔は、笑みをこぼし 不意に素手で矛を受け止めるとーーー 「くっっっ!!!」 [おめぇーよぉー...結構強ぇえじゃ ねぇかぁ〜!...へへっ、少しは 喰いがいのアルがきだぜぃぃ!!!] 『バゴョッッッ!!!!』 「うぐぁっ!?!」 そのままレィニイの身体を引き寄せて 拳で殴り付けた!!! 真後ろに吹っ飛んでゆくレィニイへ ラルから追撃の拳が襲いかかる...が、 [へっ!?フィールドバックして いやがったのか!!!...けっ んじゃよぉ〜このままもう一撃 喰らえやぁぁっっ!!!!] 『パシュラララララッッ!!!!』 「ふっ...詰めが甘いな... 『スパイラル・ミント』【螺旋の埋葬】!」 [なっ!?...矛がバラバラにっっ!? なって...俺をつつ..ぅゎぁぁっ!?!] それは、手にしていた矛を自身の “能力”で結び付きを解き、更にそれを 使いラルの身動きを既に封じた レィニイには届きはしなかった!!! 「私の能力(ちから)により拘束された 貴様は、もう身動き一つ出来ない...。 苦しみながら死んでユケ...殺された 者達へのせめてもの償いとして、な...。」 ラルの身体を包み込んだ糸状へ変化し それが連なり空気すら入り込めない 幾重の編み目を型どった物体となった 矛は徐々にその身を縮めて圧死 させる勢いを見せる...。 [うぎぃっっっ!?!!] 暴れて逃れようにも逃れられない 為に思わず声にならない声を出し 叫ぶラル...そんな、幻魔を見て レィニイは殺された人々の事を 考えて少し涙を浮かべる...だが、 そんな感傷にレィニイが浸り 後ろを不意に振り向いた …その瞬間!!!… [今、彼を失うワケにはいかないんだ。 悪いがお嬢さん...死んでいただくよ?] 「えっ!?!」 『つっぴゅっっしゅっ!!』 気配をまったく感じさせずに 突如!!その場に姿を現した 白色のマントで全身を包み込む 人物に鋭い何かで背中から腹へ 向かい貫かれた!!! 『4月8日(土)』 第二五八話 『赤く…染まり…』(4.8.土) 「バッ...馬鹿な...!? 気配がしなかったのに...!!!」 『レィニイ』はソレを引き抜かれたと同時に 血を吐き散らし雪を赤く染めながら、も... よろめく身体をどうにか奮い立たせる... 「フフッ...私達“幻魔人”は、 ただ、人間達の気配だけでも 創り出すことが出来るのさ...。」 苦痛の表情を浮かべるレィニイを嘲笑う かのように白色マントの幻魔は言い放った 「そー言うこと。」 「『雪原の雌豹』【レキ】...どうする? これ?...ったく怪力“力”バカは これだからイヤになるよ。」 レィニイの霞む眼(まなこ)に更に 二人の敵の姿が映された... [さて、『死の侵犯』【ラル】に 仕掛けられた力を解く為に完全に お嬢さんを殺すと、しましょうか...。] 瀕死のレィニイに迫るレキ...だが、 それを見た仲間の一人が 「某(それがし)に殺らせて貰えぬかな? おなごを殺すのは忍びないがレキ殿が 手を汚す事もなかろーぅ?」 前に出て自分が止めを刺すと伝えた すると、少し考えた後にレキは、 [そうですね、私は殺戮自体は好まない のでね...キミは気がキクのでいつも 私は助かります、よ?] そう答えを出し止めを任せた...。 「....。」 「ぅ...ぅうっ....えっ...???」 その人物は、ボソッとレィニイに何かを 呟いた瞬間!! 『ずぱしゅおおぉぉぉっっっっ!!!』 何かで首筋を素早く斬り付けた!!! すると、まるで噴水の様に鮮血が 辺りに舞い散らばり、一面の銀景色を 真っ赤に染めて行った... 「...さらば、でーす。」 更に糸が切れたマリオネットの様に なってしまったレィニイの首ねっこを 徐に掴み上げるとそこから真横の崖に 放り投げはなってしまった!!!! 「ぎゃはははっ!!!!やるぅーっ!!! おぉ!!解放されたみたいだよ?」 レィニイの死により...能力は解除され 間一髪の所でラルは解放された [...グロロロロロッッッ!!!! ....〜〜〜〜〜ーーーーーっっっ!!! 何処だぁぁぁっっあんっクソかぎゃぁぁっっ!!] 怒り任せに叫ぶラルを見て レキは、静かに指を差し示し [あの子だったら、もう始末したから。 まぁ気にしない事だよ。] そう言って興奮するラルを宥めた...。 「...なっ!?!...4人...。」 4人の敵にレィニイが殺される様を 丁度駆け付けた『洋子』達は、目の当たりに してしまった.... 「いや...そんな...嫌ぁぁっ!!!」 思わず彼女は叫びながら鮮血の痕が 生々しい地面へと、降り立って行った... 「だっ..ダメダヨー!今、行っちゃっぁ!!」 『竹丸』が止めるのも聞かずに...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |