『8月13日(金)』 第二十二話 『あたし』(8.13.金) 三人が、罠の部屋から脱出し、転がり 出た場所は、何処かに繋がる専用の 通路のような所だった。 [ぅぎゃぎゃ〜〜!!!居たぞぉ!!] 少女は、追撃してくる 『森の蜥蜴』【ラジエター】達を かわしながら二人を護り、その1っ本道の 通路を奥へと進んで行く。 「…先が出口とは、限らないが… 今は進むしかない!!」 二人にそう言い聞かせ、次々と 追っ手を倒して遂に奥に着いた。 しかし… 「おねぇちゃん... 行き止まりだよ...ココ!!」 目の前にはさっきと同じく 壁が立ち塞がっていた!! 迫り来る追撃に少女は、さっきの 謎を解き明かすために... 「あたしと一緒に壁に飛び込むの!! イイ!!解った!!」 そう二人に叫ぶと思いっきり 壁に向かい飛び込んで行った!! 『バタッン!!』 すると、扉が反転し少女の姿が 壁の中に消えた!! 「消えた...おねぇちゃん...。」 「そう言う事ね!!行くわよ!!」 少女が消えたのを見て、捕まっていた 少女は、そう不思議そうに壁を 見つめる少年に向かい叫ぶと 少年の手を取って一緒に 壁に向かい飛び込んで行った!! 『バタンッン!!』 「ふぅ〜二人とも来たわね。」 少女は、壁の向こうの大きな 宮殿の様な真っ暗な部屋の中で 窓から差す月明かりを背に 立ってたった今、反転の壁を 使い入って来た二人を抱き起こした。 「あんな仕掛けだったなんて... 良く気付きましたね、あの状況化で お姉様は、とても冷静ですね。」 「おねぇちゃん凄いや!! なんで解ったの!!」 少女は、自分の事をさっきから 何故名前で呼ばないのかしら?と 思っていたのだが、自分が すっかり二人に 名前を教えるのを、忘れていた事を 気付き、ココで一息つくのも 悪くないかな...そう思いながら 「おねぇちゃんでも、お姉様でも 呼び方は、なんでもイイけど あたしは、『雹ノ 京香』... 【ひょうの きょうか】 『キョウ』って呼んでよ。」 「はぃ!キョウお姉様〜っ!」 「は〜いっキョウおねぇちゃん!!」 キョウ達が、そうやって一息入れて いると部屋の中央から何かが 蠢く音が聞こえ、その次の瞬間!! [なんだぁ〜〜〜〜!?うるせぃ なぁ〜〜〜!!!俺の眠りを妨げ やがって〜〜〜!!!] 大声が部屋に響き...地響きと共に 三人の目の前に大きな蛇の『幻魔』が 現れた!!! 『8月14日(土)』 第二十三話 『背徳の蛇』(8.14.土) [うにゅ?お前達は、さっき生け捕った 時に見せられた朝飯じゃあ〜ねぇかぁ!? なんで〜〜こんなとこにいんだよぉ〜〜? ....脱走しやがったのかぁ?] 大きな蛇の『幻魔』は、舌をチロチロと 口から出したり入れたりを繰り返しながら 二人を疑視した。 「あんたが此処のボスかい?」 恐がる二人を背にし『京香』は、目の前の 幻魔に向かってそう言い放った すると、 [クククッ〜〜〜っっっ俺の事を 知らないでノコノコここまでガキ共を 助けて来やがったのかぁ〜〜〜!? 面白い!!子娘!!...にゅはははぁ〜〜 俺は、ここ森林地帯の『メルティ』街 周辺を支配している幻魔『背徳の蛇』 【イズム】だぁ〜〜〜っっ!!!] そう叫んで『キョウ』を一睨みした 「幻魔?お前達の総称か...ふふっ こっちこそ面白い!!丁度、退屈な 毎日で死にそうだったんだ!! あたいの肌にあってるよ...此処の世界!!」 キョウは、そう言うと徐に手にして いる剣を構えた。 [うにゅあぁ〜〜〜!!! 人間のクセにやはりお前は、面白いぃ!! 大抵の奴らなら俺の睨みで動けなく なるハズなのに...クククッ!!! 行くぞぉ〜〜〜っ!!!] イズムは、横の壁掛けてあった 自分の専用の大きな槍を手にし 剣を構えるヒョウに襲いかかって来た!! 「安全ぽぃ、とこに居て!!!」 ヒョウは、二人にそう言うと 『ばひゅっっぅ!!』 襲い来る上段からの槍攻撃を 旨く右に避けた 「へぇっやるっ!でも!!」 しかも、ヒョウは、 避けた拍子に右の壁を蹴り上げて 一気にイズムの頭を狙った!! 『ガキャキャキャーーッ!!!』 [惜しかったな?子娘ぇ〜〜〜っ!!] しかし、イズムの素早い反応で 槍を防御に出され攻撃を 弾かれてしまう 「ちぃっ!?」 『たッとトっっ!!』 だが、ヒョウは弾かれた反動を 使い、また壁を蹴り上げると 今度は、イズムの背中を狙った!! 『8月15日(日)』 第二十四話 『負けられない!!』(8.15.日) 『京香』の背面からの攻撃が 『背徳の蛇』【イズム】の背中を 斬り付けた 『がきゃきゃきゃッッ!!』 しかし 「なっ!?効いていない?!」 キョウの斬り付けた背中は、キョウの 持つ剣よりも固い鱗で覆われている 為に逆に剣の方がダメージを 負ってしまい、また弾かれてしまった。 [にゅぉ?子娘〜〜〜なんか今したか?] イズムは、舌をチロチロと口から 出し入れを繰り返し彼女に 向かい嫌味にそう言うと壁に手を 付けて次の攻撃に移り 何処を狙おうか考えている キョウの見て舌嘗めずりをした [ひゃぁぁ〜〜〜〜はぁ!!!! ゅららら〜〜今度は、こっちから〜 行くよナ!!] 『バギャギャギャーーッ!!!』 槍での直接攻撃がまたキョウに 襲いかかる!! 「…はぁ?」 その攻撃をまた難なく避けると キョウは、また壁を蹴り上げ 上空を舞う、そしてイズムの真上から 「脳天串刺しぃ!!」 垂直に剣に体重を乗せてイズムの頭を 目指して落下して来た!! [同じ事を繰り返すなぁ〜〜ッ!!!] だが、すぐにその落ちてくる キョウに向かい、槍で真上に攻撃を 差し向けた 『バキョキョキョ!!!』 「ーーーーーーーッッ!!!?」 『8月16日(月)』 第二十五話 『策士家』(8.16.月) [やった〜〜〜にょぉーーっ!!] 「『キョウ』お姉様ぁーーっ!!」 「キョウおねぇちゃ〜〜〜ん!!」 上空から攻撃して来る『京香』に 『背徳の蛇』【イズム】の大きな槍に よる攻撃が思いっきりヒットした...。 突き上げられた槍の攻撃で天井に 穴が空きそこから月明かりが 洩れている...槍は、そこから 抜けなくなったが、キョウを殺した事で 満足したイズムは、また舌を 出し入れし、残った二人を疑視した [にょ〜〜っくくっ...面白い 子娘だったのになぁ〜さぁ〜って... 運動して腹が減ってしまったなぁ〜〜〜 どぅしょぉ〜〜〜?この空腹間???] 一歩また一歩と少年少女に 迫り来るイズム...それに脅える二人。 「いやぁ...来ないで!! 来ないでよぉーっ!」 「来るな!!化け物ぉーーッ!!! 今度は、俺がーー」 [五月蝿いガキがぁ〜〜!?] 『バヒュッ!!』 少女の前に勇敢にも立ち塞がった 少年は、イズムの尻尾による 攻撃で壁に叩き打ちつけられた!! 『ガスゥッんゥン!?』 「ぅぎゃ!?」 呻き声を上げながら背中の痛みに 苦しみ次第に力無く壁に崩れて行く 「ーーーゅ!?...よくも.... よくもぉーーーーっっっ!!! あんた何か恐くもなんとも ナイんだからぁーーーッッ!!」 それを見て逆上した少女が そう叫ぶとイズムは、ゲラゲラ笑いながら 少女を片手でひと掴みし 自分の目の前に持って来た [ギェギェ〜〜〜っ....さっきの 子娘は、喰い損ねたが...面白くなった お前を先にーーー] イズムの大きく鋭い牙の生えた 口が開き、真っ赤な口内が露出し 少女を喰らおうとした、その時!! 突然、上空から死んだ筈のキョウが 剣を垂直に構えて落下して来た!! 「はぁぁぁぁぁぁーーーーーッッ!!」 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |