『4月20日(木)』 第二七〇話 『衝突、5秒前』(4.20.木) …雪原の中で漸く永春の街『ヴァルキ』を 発見した『洋子』達は、早速 中へ入り、統治者『メルド』が住む 占いの館へと向かう...そして、そこで これから起こる闘いの予兆を彼から 伝えられる事となった… 「...それはごく直ぐの近い未来なのですか?」 徐に『レィニイ』はメルドへ質問する すると、彼は静かに頷き 「そうだよーーーーっ....。 いつも全体像は見えないんだけど...。 一つだけ確かな事があるんだよーーーっ!」 続けてそう言った... 「確かな事?」 即座に『竹丸』が聞き返す 「ぅんーーーーっ、それはねーーーっ...。 人間なんだけど途中で姿を変えるんだ〜 まるで、それは肉食獣の...“ハイエナ”とか? みたいなイヌ科の動物にーーーっ!!」 メルドの言葉にピクリっと反応した 洋子は、これから襲い来る人物が 何者であるか...感だが完全に理解をする... 「(...ぼくにあの時の“力”があれば!!! アレは夢だったのか!?!)」 自分が足でまといになる事を恐れる 彼女は下唇を噛みしめた...。 「...そうだ、それはそうと僕、前から 聞きたい事があったんだけどーっイイ?」 不意に竹丸はレィニイを見て言った 「えぇ、どうぞ。」 「ーーーーー????」 更に了解を得ると続けてーーーー 「あのさぁーっレィニイはどこの街の 統治者なの?僕が召喚された村に たまたま居たけど...???」 レィニイに質問を投げかけた...すると、 「あははははっ!!!ーーーーっ 違う違うーーーっちゃんと教えてないの? レィニイ???」 突然!!メルドが笑った...それは、何故か? 「時間が無かったモノで、...ふぅ、 改めて自己紹介をお2人にしなくてはですね。 私はこの世界に雷に打たれ移行...っと私は 呼んでいます、されたーーーー貴方がたと 同じ世界の住民、『レィニイ・ファミリア』 です...アメリカ人と中国人のハーフで 15歳、これでも私は男なんですよ?」 2人に衝撃が走る!!! 「...嘘...男の子だったの?...その ルックス...そして、プロポーションで???」 洋子はある意味、腰を抜かした... 「...男だってのは、僕、知ってたけど 知らなかった...その移行されて来た 仲間だったんだ、レィニイって!!!」 竹丸は同じ世界の仲間である事に 感激し、少し興奮気味で叫んだ... 「それにしても、その格好は?... まさか、レィニイって....。」 ジーッとチャイナドレスを纏う自分に 目線を送る彼女に気付いた彼は、 「ちっ違いますよぉ!!私の趣味で あり特技でもある“中国雑技”の時に 着ていた格好なんです、私は顔つきや声が 女の子のポイって言うので勧められて メークして...っと、もう取れている 筈なんですけどね....。」 弁解の意味を込めて彼らに全てを話して聞かせた 「...そうか、この街に直に来たのが レィニイだったのかー。」 「だから詳しいのか...ぼくも何処かの 街とかの統治者だと思ったよ...。 今までの話しを聞く限りじゃ、そう 竹丸も思うしかなかっただろうしね。」 納得した洋子と竹丸は呟き、お茶を飲み干した。 「...ねぇっ、この気配...!!!」 唐突に竹丸が叫ぶ!! 「どうしたのですか...まさか...何かを 探知されたのですか!?!」 レィニイは部屋に飾られていた奇妙な 矛を勝手に手にし、問う...すると竹丸は 「...解らない...この前とはちょっと 違うみたいだけど...これは、この感じは... 『死の侵犯』【ラル】って奴だ!!!」 ためらいなくそう言い放った 「...何故!?既に街の中に入って!?! 人間じゃない限り桟橋がーーーー!?!」 彼は、『雪原の雌豹』【レキ】に 言われた事をハッと思い出し、顔をより 強ばらせて館を颯爽と出て行ってしまう!!! 「待って!!僕も行く!!!」 それに次いで出て行く竹丸... 人間の気配...即ち奴らは“幻魔人”!!! レィニイは『ミディ』の惨劇は 繰り返すまいと全速力で走る.....。 「『鋼鉄の瞳』【ギガ・スコープ】って奴の 調子は上々だぜ?レキぃ....けっ.... でも、どうして、こうこの世界の人間共は... いや、それはアッチでも一緒...っ、か...。 脆い脆い脆い脆いっっっ!!!!」 先の桟橋を上げ下げしていた青年の 頭を握りつぶし、身体をネジ曲げながら ダウンジャケットの男は呟く.... 「レィニイ!!『生命探知』 【ラピッシュ・ポイント】の座標は.... このまま街の入り口付近を指し示している!!」 「解りました!!!」 竹丸とレィニイがラルと衝突するまで、 残り40m、5秒前!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |