『5月5日(金)』 第二八五話 『銀色の煙〜対局…そして〜』(5.5.金) 『雪原地帯』永春の街『ヴァルキ』に 訪れた惨劇...統治者『メルド』は、 新たに派遣された敵に襲われ戦闘不能に 陥った...だが、そんな中でも先の闘いで 傷付いてはいるが、不能にはならず再起した 『レィニイ』が“支柱”の一人と対時する!! 更に賑わう街中では『三浦 洋子』が 横暴に振る舞う『幻魔』達と 対時しようとしていた!!! 「あははっ!!ぼくちんの自己紹介するね? ぼくちんは〜〜〜〜〜〜 『銀色の煙』【スネイル・ゴースト】...。 『偽りの魂』【レイヴィンド】様の〜〜 お側に仕える柱...ぼくちん達は支柱って 呼んでいるんだけどねぇ、その一人だよぉ!!」 『ぱしゅっっっん!!!!』 スネイル・ゴーストに確実に攻撃を 当てた筈なのに...感触が無いことに 驚きを隠せないレィニイ... 「....貴様いったい...!!!?」 「あはは〜〜っぼくちんの元の“能力”とは 違うんだけどねぇ、複数持っているさ...。 支柱や、それに近しい存在は、ね?」 スネイル・ゴーストはそう言い笑う...。 「お前達何してーーーーっっ!?!」 住民達の死骸を見て絶句しながら 洋子は彼らの前に完全と立ち塞がる!!! 「『強欲なトド』【ジニア】さん...。 誰か叫んでますよ?」 切り刻んだ腕をお手玉替わりに遊ぶ 幻魔は横の仲間に伝えた、すると その仲間、ジニアは有無を言わさず 彼女に向かい攻撃を放つ!!!! 『ずぎょっっ!!!』 「あ”ぁ〜?終わった....。」 固い地面をえぐるように攻撃を繰り出した ジニアは完全に自分が少女を抹殺したと 思い、再び住民を殺そうと手を伸ばす...が、 …しかし、その時!!!… 「勝手に終わらすなよ?」 『じゃきっっっぃっっっっっ!!!』 彼の左腕が宙を舞う!!! 「あっ、やるなぁ。」 仲間はそれを見て呟いた...。 「てぇんめぃ,,,,,,おもしれぇぇっぇ!!! 貴様もトマトみたいにギュッてしてやるぜ!!] 『ごきゃっぁぁむぎゃぁっっ!!!』 「はぁ、どっちが...子守なんだかぁ...。 まっジニアさんに任せますよ?」 堅太りだった人間の姿は失せ、口から下牙を 大きく反り上げた、正に名前通りトドの様な 巨体を現した幻魔...それを見て彼女は 「何で同じ世界のモノ同士で争わなくちゃ ...いけないんだ、こんな未知の世界なのに...。」 自分の闘う敵が同じ世界の住人で ある事を確信し、悲痛な声で呟いた...。 『5月6日(土)』 第二八六話 『銀色の煙〜迷いは弱さに繋がる〜』(5.6.土) 『強欲なトド』【ジニア】が『幻魔』に 成り代わるのを目の当たりにした『洋子』に 迷いが生じる....同じ世界の者同士がどうして!! そんな気持ちが彼女を取り囲む... [左腕で済んで良かったぜ....ったくよぉ!!] ジニアは叫びながら切り落とされた自らの 左腕を手にする...すると、それはーーー 「ふぅむ...本当に運が良い...。 “変化”した時、自分の意志でそれ自体を ジニアさんは武具に出来る...。」 鎖り大ガマへと変化を遂げ、武器へと変化した!! 「なっっ!?!....トドって言うより...。 ガマ蛙...???」 真面目な顔で呟く洋子...だが、直ぐにその 余裕すら無くなってしまう!!! 『ブギャァァッッッッッッ!!!』 [ほぉーーーーらぁよぉ!!!!] 「くっ!!!」 『バギョッッッッ!!!』 「うぎゃぁっっっ!?!!」 「ひっっぃ!?!!」 「げふぁっっ!?!!」 たったひと振りで投げ放たれた鎖り大ガマは 彼女の髪を掠め、更に続けて街の建物と その周囲の住民達を破壊し、殺した!!! 「『スネイル・ピアザー』【飛び槍】 タイプの武器...でも意志でコントロール 出来ない分、なんとかーーー!?!!」 『ドゴッッ!!!』 [遅いなぁっっっ!!!] 後ろに飛び退き、髪を掠めただけで済んだ 洋子に追撃の打撃攻撃が放たれる!!! 「でかい...図体のワリには....ーーーー 早く動けるじゃないか...でも、瞬間はぼくの 方が勝っていた!!!」 しかし、それを瞬時に手にしたナイフで 受け止めた彼女は即座にそれを受け流し 追撃の攻撃を繰り出す!!! 『ガキャッッッッッッッッッン!!!』 [はぁふぁぁふぁぁっほおまれのほうげきなど ふぉれさまのきばのまえでわむひょくよぉ!!!] 「つまり俺様の牙の前では無力と 言いたいワケですね〜?」 仲間は下牙であのナイフを受け止めた 事でまともに喋れずにいるジニアに 代わり、少女や街人達にそう伝えた...。 ぼくの迷いがナイフのキレやぼく自身の 動きをも...鈍くしている... 折角、自信を貰ったのに...、でもぼく 解らないよ...どうすればいいのさ!!!! 「....そんな牙なんかっっぁ!!!」 [ふひろをみほ!!!] 「後ろを見ろ!だそうですよ?」 『ビチッッ!!!』 「きゃぁっっっっ!?!!」 ぼくは後ろから不意にトドの尻尾で 平手うちをくらい、それに驚いて ナイフに込めていた“力”を抜いて.... [ふぁいふはほほだぜぃ!!] 「ナイフはここだぜぃ!!っだそうです?」 ぼくは唯一の武器を失った....。 『5月7日(日)』 第二八七話 『銀色の煙〜煙・撒かれる〜』(5.7.日) 『強欲なトド』【ジニア】と戦う『洋子』が ピンチに陥っていた...その時、同じように “支柱”と呼ばれる『幻魔』と対時している 『レィニイ』にも危機が迫る... 「ん〜全然、ムダなんだよね、キミの 攻撃...ってか、誰もぼくちんに触れる事は 不可能なんだよね?解る???」 『銀色の煙』【スネイル・ゴースト】に向かい 必死になって攻撃を続ける...も、 「はぁはぁはぁ...くっ何故!?! (くっ...まだ傷が!...反応が遅れている!?)」 彼の技は尽く、スネイル・ゴーストを 捕らえる事が出来ずに終わる!!! 「『竹丸』の『スネイル・ピアザー』 【飛び槍】の様な攻撃が出来れば...!!!」 眉間にシワを寄せながらレィニイは、 息を急きながら呟く....。 「ふぅ、もういいか〜キミの “メタファー”も貰う〜〜〜....。 んっ?....あぁ!!!もう遊び過ぎたー!!」 それを飽き飽きした顔で見つめる当人だったが... 唐突にそう叫び、一瞬にしてレィニイの 間合いに入ると、彼に... 「!!!(目で追い付けるレベルじゃない!?)」 『ジュルルルッッ!!!!』 「ん〜キミも結構多いね〜新鮮だしねー!! くすすすっ、そこの統治者みたいに “生きた死人”になっちゃってね〜。」 『スパイラル・ミント』【螺旋の埋葬】を 発動させる間もなくーーーー 「...ぅあっ...ぁ,,,きっ...貴様の... “能力”...は...ぁ....。」 何かを抜き取り廃人同然とさせてしまった!! 「...ジニア達...あの“力馬鹿”の側近 だったから〜不安だけど...旨くやって いるみたいだねぇ...それじゃあ、ぼくちんも さっさと灯しましょうか?」 スネイル・ゴーストは上空から街の様子を 見て呟きながら、地上に向けて手の平をかざす... …すると、次の瞬間!!!… 『ぱひゅるるるっっん!!!!』 彼の両手からキラキラとラメの様に輝く 銀色の煙が放出され、それが 街中に散布されて行く!!! 『鋼鉄の瞳』【ギガ・スコープ】を片手に 遊びながら幻魔は呟く、 「さて、ここから...どうしますか?」 『ごくっっん!!!』 [げははっ!!お前の自慢のナイフは へし折って飲み込んでやったぜぇ!!!] 絶望的な状況下の彼女に向かい...。 『5月8日(月)』 第二八八話 『銀色の煙〜懸け!!〜』(5.8.月) 「.....腕力じゃ....あいつにぼくは かなわない...どうすれ...クッ!?!!」 『じゃららららららっっ!!!』 『強欲なトド』【ジニア】は『洋子』から 武器をその牙で奪い取ると、砕き 飲み込んでしまう...更にそれに驚愕し 混乱する彼女へ容赦なく、鎖り大ガマによる 追撃を休む間もなく繰り出す!!! [ぐははははっっ!!!!威勢がいいのは さっきだけみたいだなぁ〜!!!! これじゃぁ俺の“能力”(ちから)を使う までもなく『幻魔』だけの“力”で 終わるぜっっ!!!!] 武器を振り回しながらジニアは声の振動で 木々がざわめく程、叫ぶ!! 『どきゃぁぁっっっっん!!!!』 「ふぅむ...ジニアさんも“ラル”さんに 似てパワー派なんだけど、意外に頭が キレる......んっ、この匂い...。 (ふっ、上空では既に始めた、か...。)」 仲間の狐の仮面を被った幻魔は上を見上げ 呟き...再び、彼らの戦いを見守る... 「はぁはぁはぁ...こんな事なら...。 体力をモット付けておけばよかった...。 だけどっっっコミケだって大変ーーー!?!」 かんぱつ入れずに攻撃を繰り出され 洋子の体力は限界に迫って来ている... [ちょこまか動く奴には....。 スタミナを奪うのが一番だな?] それを狙っていたのか、ジニアは彼女の 呼吸が激しくなり、焦っているのを見て 不敵な笑みを浮かべた...。 「ジニアさ〜ん!!時間が少し押して いるみたいです!...そろそろ決着を つけないとこっちも巻き添えを くいますよ〜!!!」 ジニアはそれを聞き、少し顔色を変え... 徐に返事を仲間に返した [なんだと!?!....ちっ!だからあの ガキに任せるのは...くっ、しかたねぇ 一気にこの女をシトメル!!!] 「???!!!」 何の事だか解らず困惑する彼女だったが、 現状が考えている暇も与えてくれないので 直ぐに頭を切り替え戦いに集中する... [つーっ事だぁ、死ね!!!] 「...この街で何かを起こそうとしているのは 間違えない....それをぼくが阻止するには、 目の前のトドとその仲間を倒さなければ...。 (でも、どうすれば!!!?)」 洋子は壁際まで追い詰められる...が、 『ぼきゃっっっん!!!』 [抜けない!?!] ジニアは巨体が災いし、狭い通路に身体が はまってしまった... 「追い込んでいたつもりが誘導されていた?」 自らの機転をいかし、洋子は危機を 脱する...だが、直ぐにジニアからの迎撃が!! 『どきゃっっ!!!』 「ぎゃっっん!?!!」 いつのまにかジニアは彼女の後ろに 立ち、大きな尻尾で背中を殴り付けた!!! 「ふぅむ、おしい、ジニアさんの能力が なきゃ、逃げ切れたし、攻撃出来たのになぁ。」 『どさっっっっ...。』 衝撃で地面に跳ね飛ばされ、転がる 洋子のポケットから羽ペンが落ちた... 「げっ...(息が呼吸が出来ない!?!)」 背面を叩き付けられた事で一時的に 呼吸困難に陥った彼女は足掻きながら その落ちた羽ペンを手にした.... [くくっ、踏み潰してやる!!!] そして、ジニアが迫る中ーーーー 「(これは賭けだ、命を懸(と)した...。 ぼくの...!!!!)」 彼女は地面に何かを描き出す!!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |