『6月8日(木)』 第三一九話 『永い夜〜そして、時は動き出す〜』(6.8.木) 『幹』の手によって目の前で 『雪ノ城 春化』は友を失った... だが、次の瞬間!!自らも『異界の闇覇者』の 一人『レビン・ネス』の歯牙に 掛けられ瀕死の重傷を負って、消えた 彼『卓真』を追うように床へ倒れ込んだ... 次第に薄れゆく意識の中で彼女は 死を覚悟し...静かに今、瞳を閉じる!!! 「...はるかぁぁっっっ!!!!! レビぃぃン....貴様ぁあっっっっっっ!!!!! 『龍墜撃』っっっ!!!!」 『ドギャッッッッ!!!!』 「ナイス!...くくっらりほぉ〜!!! 俺達の決着もーーーーツけるかぁ!!?」 激昂し、怒りによって“潜在能力”を極限まで 自ら引き上げた『知也』が繰り出す 技を、血液で操る鎧に任せ無傷で後ろへ 下がり笑い、更に火に油を注ぐ様に彼に 向かい言い放つ少年はいつの間に 血みどろの身体に似合わぬ大きな鎌を 手にし、構える....!!! 「...は...るか...くっ....!?!」 大量の出血で血溜まりを創り、その中心で 何かが事切れようとしている少女を 見て幹は思わず足を前に踏み出す... 「...ミっキぃぃ!!!俺に協力 してくれる約束だろ?...。 Don’t touchだぜぃ??? それよりも...大人しく見守ってって くれよ...『選ばれし者』達の血液を 吸収して俺が最強になるまでをさぁっっあ!!!」 『ジャギャッッッン!!!!』 「くっっっ!?! (こいつ、前より動きがーーーー) 早いっっっ!?!!」 『ぷっしゅあぁっぁっっっっ!!!』 「おぃおぃ、あんまり動きがスロ〜リィ なんでさ...らりほ〜、止まって見えたよ?」 『帝劍坤』【ていけんこん】を握り締め 只、黙ったまま彼らの闘いを見守る 幹の足元にハルカの血流が辿る....。 「....く”っ.....。 (見えなかった?...あの距離から!?!)」 以前とは比較にならない程、根本的に 強化されたレビンの攻撃の前に焦る トモ...だが、彼には考えて闘って いる暇はなかった...何故ならーーー 「...くくっらりほぉ〜〜〜〜!!! どうせ、お前なんかがこの前勝てたのは 本当の奇跡だぜ?」 「...ふんっ!奇跡も二度起きれば 当然になるんだぜ?レビン....。 お前はここで沈めるっっ!!!!」 その間にも致命傷を負っている彼女は 大量に、更なる血を流し弱りきってっているから... 「ほざぃてな....俺の新技...ってか 今からおもしれぇ事をシテやるぜ?」 少年が叫ぶと同時に鎧型の『幻魔』は 徐に血塗れの彼女の下へ近付き、その 血溜まりの血液をーーーー 『ずじゅるるじゅちゅるるるっっ!!!』 「...ふざけんな...『レイヴ・ソルト』ぉぉ もう一度奴をくだけぇぇっっっっっっっ!!!」 細長い口のような部分で吸収し、糧と しようとする!!!...が、それを 黙ってトモが見過ごす事なく攻撃に掛かる... しかし、その前にはレビンの姿が!!!! 『ぱきょっっっっ!!!!』 「あ〜ららららぁ〜、拳のそれ... 『ディアナ』だっけあの女? から貰った奴...かるぅ〜く壊れちゃったねぇ!!! らりほ〜もぉ、お前もBreakしろよ? 『B・S』【ブラッディ・ソール】ーーー ....ひゃははっ俺が編み出した〜〜〜 奥義って奴、だ『血の葬硫閃』 【ラィド・デットライト】ぉおっっっ!!!」 彼の右拳に装着していた武具を あっさり鎌の刃で受け止め、破壊した …次の瞬間!!!… 『ズパパパパパパパッッッッッン!!!』 「ばっ...馬鹿な!?!! (オレはこんな所で...嘘だろ!?!)」 嘲笑いながらレビンは、驚愕の表情を 見せた彼の全身を一瞬で斬り裂いた!!! 「お自慢の“古術連武式”〜とやらも 俺にはもう通じねぇんだよ、カスがぁ!!!」 『どこっっ!!!』 「げはっ!?!...。」 斬り刻まれた傷口から鮮血を巻き散らしながら 果て、崩れ落ちたトモへ容赦なく レビンの足蹴りが見舞う...!!! 「なぁ〜聴けよ...トモ?....。 俺はよぉ、イイ考えを思い付いたんだよ。 ある時、どっかの地帯の“能力者”とバトル した時、だったかなぁ〜? 5体を...切り刻んで散々苦しませてから 殺したんだけどよぉ、ソン時に調子に のり過ぎてたから〜こいつの血が切れ ちゃったんだよ?...もぉ〜お利口な お前なら〜解るよな?...。」 吐血繰り返し、苦しむ彼の頭を 踏みつけながら少年は話し続ける... 「その能力者の血液を利用したらよぉ〜 俺にもこいつにも...“力”が溢れんだよ...!! 解るか?!!この方程式!!!つまり... より強大な力を持った奴の血をこいつが 吸収すればよぉ〜そぃつは全て俺のもんに なるんだぜぃ!!!」 『メキョッッ!!!』 自らの話しに完全に酔い異様に興奮した レビンは、気付かずに足に力を入れて、 トモの頭を床へめり込ませてしまう... 「....。(こぃつ、狂ってやふがる...!!!)」 「この女が始めだ...次にこの街にいる 他の奴をシトメル!!...お前は最後まで とっておいてやるよ?...Meinだからなぁ!!」 少年は声高らかに叫ぶと、何度も何度も 繰り返し、うずくまるトモの身体を蹴り上げた...。 「せやからそれで!?この街... 『コロンビア・ホールド』で起きて いた事件ってなんなんや!?!」 もったいぶって話す『ラフェーラ』を 急かす『智明』を見て『京香』は 呆れるが、それに構わず話しの続きを待った 「...そんなに急かしたんじゃ、ラフェーラも 話しずらいだろ!!!...ったく、 少しは落ち着けよ智明!!!...。」 「...はぃ。」 「あははっ、すいません、私が核心を 教えるのが下手なせいで...。 ...それで、私達がこの街へ帰還すると そこで待っていたのは...そうですね 言うなれば、凄惨な出迎えでした....。 一人の少年による殺戮....。」 ひと呼吸置くと、彼は少し顔を強ばらせながら 話しの続きを...全てを彼らに伝える....。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |