『6月21日(水)』 第三三二話 『永い夜〜超えろ!!〜』(6.21.水) 『レビン・ネス』と『水倉 幹』に より、『濃霧地帯』は、ほぼ壊滅に 追い込まれ、残された最後の街 『コロンビア・ホールド』すらも 既に彼らの手にかかり、統治者の 『ラフェーラ』と数人の“能力者”が 存在するにみとなっていた...だが、 欲望のままに殺戮を繰り返す 少年と少女の前に今、立ち向かう者達が居た!! 「『春化』ぁっっっ!!!」 「...くっ!ラフェーラ、天井の瓦礫が 落ちて来る、あたしの側に来るんだ!!!」 『ぱしゅおおおっっっ!!!』 『京香』は巻き起こる爆風により 教会が半壊する直前に自らの手にする剣に はめ込まれた『風の核色』力を使用し 上空から降り注ぐ瓦礫の破片から 彼と自分の身を守る!!! 「...いない!?」 爆風が治まったその場には何故か、 ハルカ達の姿は無く、只...無惨に 破壊された教会が残されていた....。 私は死ぬのか?....前にも そう思った事が何度となくあった... 手に届かない“力”...何かを、そう 運命すらも変えてしまえそうな.... 私にはそれだけの充足する力がない... 決定的な何かが欠けているような気が する...あの時、だって...本当は救えたのに ...親友を...幹を...『卓真』も 助けられなかった...私に力がないから... 『.......よ...。』 ....えっ......なに...そうだ.... この声は、『三月』.... 『それは間違っているよ...春化。』 私に教えてくれた、そう...同じような 事があって、私は強くなりたいと.... 「なんで!?!...三月みたいなのが 私には出来ないんだ...。」 「...ねぇ、春化は自分を信じてる?」 「えっ?...そりゃ...ね...。」 「何が大事か教えるわ...良く聴いて そして、良く自分で考えて....。」 彼女に釈かれて聞かされた...教えられた言葉... 『誰しもが持つ、心は脆いモノ、 でも、それは何よりも強くも出来る....。 貴方の追い求める“力”は誰かを 壊す為に?それとも癒す為に?』 破壊の力を追い求めて、その先にあるのは ...混沌...じゃあそれを制するのはーーー 「“反・霊術式”滅ノ型ぁぁっっ!!! 『珠羅閃光斬』っっっっん!!!!」 『カヒュッッッッッッン!!!!』 私の中で何かが弾け、開花する!!! 「ふひゃぁぁっっっ!!!! 今更なにをしようがぁっっっ!!! 幹ちゃんの敵じゃなぁっっっっぃ!!!」 迫る霊気の込められた閃光刃、だが それを前にしても微動だもせず その場で武具を手にたたずむ春化...しかし 閃光が彼女を貫こうとした、 …その瞬間!!!… 『カキャァッッッッン!!!』 彼女が手にする『霊聖坤』【れいせいこん】の 形状が徐に青白い光を放ち変化して行く!!! 「....そうか...モノでも、なんでも なかったんだ...信じる...それだけが...。」 『かひゅっっっっん!!!』 「ばっ!!?!『帝劍坤』 【ていけんこん】で放った全開の “滅ノ型”が...たった坤のひと払いで 打ち消された...なんてッッ!?!」 そして、完全に変化を遂げた霊聖坤で春化は 閃光刃を軽く一閃し、消滅させてしまった!!! 『6月22日(木)』 第三三三話 『永い夜〜自分を信じて〜』(6.22.木) (“2・3”記念日かにゃ〜?) 『雪ノ城 春化』の手にしていた武器 『霊聖坤』【れいせいこん】は、棒状の 形態から彼女の“能力”を受け、変革を迎える 『カヒュオォオォォッッ!!!』 「なっ...何ナノ...それ!?! 『幹』ちゃんはそんな子供騙しなんかにぃぃーーー」 手の握る箇所意外の物質は取り除かれ 青白い光の刃を上下に鈍く光らせる!!! 「これが...本当の貴方の姿だったんだね...。 御免、私は本質を忘れていた....おばあちゃんに 釈かれていた“混沌”と『三月』に教わった “浄化”...それは相手の痛みを知り... それを中和して清める事だった....。」 『ばしゅるるるっっっ!!!』 完全に何かを取り戻した彼女は、 その手にした武具を両手で回転させると、 同時にお決まりのキメのポーズを付け続けて叫ぶ!! 「『プリンセス × ハンター』...ーーー 完全復活!!!...幹、貴方の悪意を 浄化し、救ってみせるわ!!!!」 一点の迷いも無く澄み切った瞳には 輝きが溢れ、それを見て動揺を隠せずにいる 目の前の幹を完全に凌駕し、捕らえていた!! 「みきちゃんのぉおおおお!!!! “反・霊術式”【アンチ・れいじゅつしき】わぁぁぁ あんたなんかの比じゃなぃっっっ!!! 解放されたみきちゃんの....本気って 奴をイマ一度見せてやるぅぅううっ!!! さっきのまぐれは二度も通じないんだからあぁっ!! 滅ノ型ぁっぁぁ『珠羅閃光斬』ぁぁっっっん!!!」 『バシュルルルッッッ!!!』 狂気に満ちた叫び声を上げながら 再び最大の技で迫り来る幹を前に ハルカも同じように坤を構える....そして、 「...今の私になら...扱えそうな気がするよ... 三月...貴方の“力”をっ!!! ‥霊術式終(つい)ノ型『白蒼忌流光臨漸』 【はくそうきりゅうこうりんぜん】 静寂よ、全てを浄化せよっっ!!!‥。」 今...彼女が持ち得る全ての霊力、気力を 賭して、“魂の解放”をモチーフに 生み出された究極の技が放たれた!!!! 『ギュオオオオッッッッン!!!』 「...そんな...ミキちゃんの.... 認めない...こんなの....認めないいぃぃい!! 『S・W』【サークル・ワーキュリー】!!!」 だが、それは直撃とはいかなかった.... ぶつかり合い、自らの技が消去されたのを 確認した幹は即座に能力を発動させ 自分への浄化の直撃を避けていたのだ...。 「...くっ...あははははっ....今の所は... !?!....邪魔をするなぁ!!!.....。 ....私は信じてたよ...ハルカ....。」 何時の間にか彼らは霧雨の降る地上へと 移動していた...浄化により自我を 取り戻しつつある幹と春化は漸く 本当の再会を果たそうとする...が、 「...幹...良かった...元に...くっ!?!」 『どさっっ!!!』 「まぁ、無理もないよ...その躯で 良くやったとボクは思うし...。」 全力を出し尽くした彼女は、石畳へと 倒れ込んでしまう....そして、崩れ落ちる 彼女の対角線上に位置した建物からは唐突に 太った少年がその姿を現し、そう呟きながら 幹の下へと足を進め歩み寄る....。 『6月23日(金)』 第三三四話 『永い夜〜雨上がり〜』(6.23.金) 『幹』は『S・W』【サークル・ワーキュリー】を 発動させ、『春化』最大の技を完全に避け 切ったと思っていたのだが、それは 甘かった、放出された気は既に技を打ち消した 時に、悪意を半分以上削り取っていたのだ... その為、ミキの自我が目覚め...元の 優しい顔つきに少女は戻ろうとする...が、 「ボクも残念なんだ、二人とも親友同士なのに... こんな事をしなくちゃならないなんて...。」 そこへ以前からちょくちょく彼らの前に 姿を見せ、危機に陥った仲間を回収に 来ていた少年が唐突に現れる... 「ぅ...う...ミキは...渡さない... んだから....ぁ....。」 既に意識を保つ事さえもギリギリの 状態でも、彼女へ歩み寄ろうとする 少年へ、ハルカは低い声で叫ぶ.... 「あはっ、それは出来ないですよ...。 ボクの何時もの役目ですから。」 だがそんな少女を無視して彼はさっさと 幹の下へと足を進めた....。 「『血化陣』っっっ!!!!」 『シュパァッッッッッン!!!』 突然!!『智明』の声が 辺りに響き、同時に徐に歩く少年に 幾つかの血のナイフ襲いかかる...が、 「ん〜、まぁどっちにしろ『レビン』君も 回収するつもりだったし....。」 『じゅるるるっっっ!!!!』 少年の周囲にソレらが入いった瞬間!!... 「なっ!!?」 ナイフ達は血へと戻りその場に散ってしまう!!! 「ん〜、御免、今は争う気、無いから...。 じゃあ、戻るよ、幹?」 「嫌よ!!誰がーーーー」 動揺する智明を余所に、少年は帰還を 嫌がる幹の身体に手で触れる...すると、 「...なんなんや、あいつは...!?!」 「ーーー....ぅっ....。」 彼女は気絶したようにグッたりとし、 彼の手の中へと堕ちた... 「...けっ...礼なんてしないからな....。」 何時の間にか負傷したレビンが 姿を現し智明を睨み付ける...。 「命拾いしたやないか...そいつに感謝 するやなぁ...でも、お前のお蔭で 俺様も覇気が戻ったわ....。」 睨み返す智明は崩れ落ちたハルカを 抱き起こし、そう言い放つ 「さて、じゃあね〜。」 『ばしゅっっっ!!!』 自分の役目を終えた少年が呟くと、同時に その場から彼らの姿が消え去った... 「『ヒロ』待ってろや....。 必ず...辿り着くからな...。」 空を見上げた智明の瞳には雲の隙間から 顔を覗かせる太陽の姿が映り込んでいた....。 『6月24日(土)』 第三三五話 『永い夜〜所在〜』(6.24.土) 「三秒以内に正直に答えるんや....。 『ヒロ』がいる場所を教えろ...!!」 『智明』は静かに、ゆっくりとドスの効いた 口調で少年の喉元に刃を突き付けながら 返答を求めた...しかし、 「...What ?....くくっ...!!!」 『レビン』は余裕を見せわざと彼を からかう、すると …次の瞬間!!… 『とぷぷぷぷぷっっ...。』 「いぃ〜〜〜〜ちぃ。」 智明は唐突にその斬首刀の真っ赤な刃を 喉へと少しづつ押し込んで行く!!! 「うがぁっっぁっぁぁっぁっっ!?!!」 突然の事にたまらず叫ぶレビン!! だが、彼はその手を緩めようとはしない 「にぃいいいいいっっっぃ!!!!」 『とつぷぷぷっっ!!!』 数を数えながら喉から吹き出る 鮮血を浴びるも、尚...刃を押し込み続ける...。 「ひっぐわっ!?!! (こぃつ!?!狂ってやがる!?!)」 「...喉をかっ切るとよぉ...喋るたんびに ひゅ〜ひゅ〜いぃよるらしいで? ....さぁあっぁぁっぁーーーーー」 最後のカウントを言い終え、彼の喉を 完全に引き裂こうとした、その時!!漸くーーー 「解った!!!OK!!!....。 教えるさ、お前に....ぃい!!!」 智明の声を遮るように少年は 悲鳴に近い叫びを上げ居場所を吐く... 「....早よぉ喋れや...。 もし嘘やったら....どうなるか解るやろなぁ? それくらい判別出来るやんからな俺様は...!!」 「くっ...了解している....。 Hiroは『絶陽地帯』...俺達の 牙城にいる...お前を待っているとよ...!!」 しかし、それを聞き徐に刃を外した 智明の一瞬を突き彼は抑え付けられていた 手を振り払い、転がるように距離を取る...。 「...けっ、悪あがきする奴やなぁ...。 けっ、まぁえぇわ....それは多分本当 やろからなぁ...お前のお喋りに合わせて 誰かが...来てやがるしな...ぁっ!!」 智明は振り向き様に『血化陣』により血飛沫 から生み出したナイフを気配のする 場所に向かい投げ放った!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |