『6月25日(日)』 第三三六話 『永い夜〜夜明けと共に〜』(6.25.日) 『レビン・ネス』と『水倉 幹』を 打ち破った『春化』達は謎の少年の 邪魔があったものの無事、生還する事が出来た... そして、それと同時に夜が明け霧雨が上がり 『コロンビア・ホールド』に朝日が登る 「...ミキ....。」 張り詰めていた糸が切れた様に ハルカは気絶し、再び石畳へと 崩れそうになる....が、 「...今は静かに眠るとイイ...。」 『京香』に身体を支えられ更に 抱き抱えられ死んだように眠る... 「良かった...無事で....。 私が不甲斐ないばかりに....。」 『ラフェーラ』も少し遅れて 教会から姿を現し、彼女の下へと駆け寄った... 「いや、貴方がいなかったら....。 あたし達はハルカ達を迎えに行けなかった 不甲斐なくなんかないさ...。 ...っと、そうだ!!『知也』は!?!」 不意に只一人存在を見せないトモを 思い出し慌てて辺りを彼女が捜すが... そこには彼の姿は見えず代わりに 『智明』の存在が確認出来た、 だけだった...。 「...大ジョブやろ?あいつなら...。 動けん程の傷口でもなかったし....。」 同様にトモが居ない事に気付き 少し動揺する智明... 「傷の問題じゃないだろ!!! ...血液の不足、ハルカの時みたいに 血液の補充は足りていないんだ...。 技を放てたとしても....。」 身を案じ、興奮口調になるキョウの 迫力におの退きながらも彼は ハルカを連れて宿に戻ったラフェーラを背に キョウと共にトモを捜そうとする...が、 「いっっ....っ、....っとおぃ!!! オレを勝手に殺すなよな!!!(怒)」 諦めかけた、その時!! 突然!!崩れ去った教会から声が 響き、同時にトモが姿を現した!!! 「トモ!!!」 「生きてたんか!!!」 思わず声を一緒に上げた2人を見て 苦笑いしながらトモは、彼らの 下へと歩み寄って行った 「...大丈夫なのか?」 「ったく、心配かけおって!!」 「...あの瞬間、ハルカが技を放った時、 オレの事を瓦礫とかから、破片が 守ってくれたんだ...最後の“力”で...。」 キョトンとした顔で自分を見つめる 2人を見て安心したのか唐突に その場に崩れ落ちるトモ... 「...智明、任せてもいいか?」 「あぁ、俺様が運んだるわぃ...。 ったくしょうがないな...。」 わざと不満そうに彼を背に抱え 智明は宿屋に向かい歩き始めた... そして、その後をキョウも追う...。 「“反・霊術式”【アンチ・れいじゅつしき】 ...あははっ!!なるほどね...サル真似じゃ〜 あんたを殺せないって事か...。」 形態の変化した『霊聖坤』 【れいせいこん】によって 破れた『帝劍坤』【ていけんこん】で 繰り出した技の事を思い出し何かを 掴んだ様に笑い転げる幹... 「...おぃ、お遊びもいい加減に しないと痛い目を見るぞ?」 唐突に彼女の前に姿を現す黒ずくめの人物... 「あふふ〜...解ってる...。 暫くはお預けなのよ...彼女にね...。 今回はレビンに付き合っただけだもの、ぅふ。」 返事を返すとまた意味深な笑みを浮かべ 幹は場所を移動した... 「智明を嘗めて掛かると危ないと...。 僕は何度も忠告した筈だけどな...。」 『貴弘』は事の結果を知り レビンに念を押す... 「...らりほ〜、まさか同系統だとは 思わなくてねぇ〜...くくっ、でも....ーーー 次はないさ?」 「...ふっん勝手にするんやな!!!」 少年の不敵な態度に納得がいかず ヒロはその場を後にした...。 『6月26日(月)』 第三三七話 『SPEED UP !!』(6.26.月) あの時...オレを守ってくれたのは 砕け散った『レイヴ・ソルト』の 破片だった...装備者の危機に発動する 様に彼女が組み込んでいたのだろうか? いや、違う気がする....オレの中で 何かが目覚めつつある...のか? 「...よっと...静かに寝てろや...?」 この声は...『智明』か...そぅか、 オレは倒れて...横を覗くと オレの横には『春化』が死んだように グッすりと眠っていた.... 「...無事...だったのか...。」 オレは呟くと同時にまた深い 眠りの中へと堕ちて行った.... 「...古術?」 これは昔のオレか? 「そっ!!...これ、俺っちも〜 あいつに教わっただけなんだがな?」 “マサトモ”??? 「別に特殊な事は必要としないぜ? ただ、手加減もむずぃし、心髄とかってのも あるんだけどな、どうも俺っちには 使えないんだよね、何故か...。 (生かす為の技だからかなぁ〜。)」 どうしてるのかな?...今...。 「それじゃあ、私達は先へ...進わ!!」 完全に全快したハルカは『ラフェーラ』に 元気良く挨拶をすると先へと向かい 前へと足を踏み出した 「...おぅ!ここはオレに任せておきな!! 次は奴らにも負けねぇからよ!!!」 通常の言葉使いに戻った彼は後ろから 激励の言葉を彼らに飛ばし、統治すべき 場所へと戻って行く.... 「...次は『水辺地帯』の再生の街 っとか、言われている『ソルベ』...か、 結局寒さとかで選んでしまったけど.... こんなんでイイのか?...。」 地図を見ながら呟く『京香』の頭には 先にあった会話が浮かんでいた...それは、 「分岐している?...地帯でかッ!?!」 彼らが復帰する数日前、宿屋では 次の地帯の話しをラフェーラから智明らは 教えられ、進むべき道を相談していた時の事...。 「絶対零度、獄寒の『雪原地帯』と 湿地が続く水の宝庫、水辺地帯がこの地から 進めます、どちらも越えた先には 『高原地帯』に出る筈です...。」 寒いっと聴いた時点で智明は直ぐに 水辺を選択、キョウは2人が回復して からもう一度決めようと提案し、そう言う事に なっていたのだが、彼の押しに負け 結果、彼らにそれは伝えず、 水辺地帯に進む道を辿っていたのだ。 『6月27日(火)』 第三三八話 『選択・条件』(6.27.火) 「ちょっと...何にコレ?」 『春化』は思わず声を上げて 目の前の立て札に見入った... 「えっと...“ここから先は支配者の結界が 張り巡らされ、見解により弾かれる 場合もあります、その場合『雪原地帯』へと お巡り下さい”...だって。」 『知也』は書いてある文字を朗読すると 『智明』と『京香』の顔をチラっと覗く 「むっ...なんや、べっ別に隠してた ワケやないんやで?! ただ、ほら寒ない方がえぇやろ思ってやなぁ...。」 「...どっちからでも先へ進めるらしいんだよ まぁ、横道にそれればソッチに行く みたいなんだがな...どうする?」 彼女の問にハルカとトモは同時に 「「取り合えず進む!!!」」 そう答え、結界が張り巡らされていると 表記された場所を取り合えず皆で越えようとする!! 『パキャァッァッッッン!!!』 「っっくっ!?!」 エメラルド・グリーンに輝く薄い膜が 何故かトモだけを弾き行く手を阻んだ...!! 「ともっ!?!大丈夫!?!」 「...どう言う事だ???」 「なんや基準でもあるんかな?」 小量の電流が身体を駆け巡り一時的な 身体の麻痺を引き起こしたものの、 ものの数秒で彼は立ち上がり 「どうやら、ここで別れるしかないみたいだな...。 まっ次の場所には一緒に出るんだろ? なら、またそこで会おうぜ!!」 苦笑いを浮かべながら、そう彼らに向かい 言い放ち仲間達に見送られる中、横道へと 入って雪原地帯を目指した... 「...トモ!!!絶対だよ!!!」 「...またナッ!!...」 「けっ、カッコつけやがって...。 (簡単に死ぬんやないぞ...。)」 3人も即座に振り返り、また会える事を 信じ、湿地が続く『水辺地帯』を進んで行く...。 「...オレだけが適格外って事か...。 (ちっ....どう言う基準だったんだ...?)」 林を抜け、出た先の洞窟を潜り抜けると そこには一面の銀世界が広がっていた!! 「...まぁいいさ...どっちみち オレは一人になんなくちゃいけなかった、の ...かもしれねぇ....。 (一緒に闘っていてあいつらに甘えていたのかもな? オレは心髄を極めて...ここを乗り越えるぜ。)」 吹雪が吹き荒れる中を彼は一人 まずは街を探し、一歩前へと足を踏み出した!! 『6月28日(水)』 第三三九話 『ソルベ』(6.28.水) 「手駒の方はこれで揃っちゃったかな?」 『水辺地帯』のマップを広げ、そこに 人物を型どった駒を置きながら少年は 静かに声を掛けた.... 「そぉみたいだね『亮』【あきら】...。 僕の結界『踏み込めぬ緑』は 男キャラを一体弾いたみたいだよ?」 すると、横から徐に姿を現した もう一人の少年は彼の肩に手を掛けながら 耳元で囁くように受け答える... 「くすすっっ『護』【まもる】じゃあ 漸く、僕らのゲームが開始出来るね...。」 「あぁ、亮の方も準備はイイみたいだからねぇ...。」 「ぅん、だから彼らには初期の街に行って 貰わないと....。」 「『ソルベ』...通称、再生の街... そして、破壊の街、か...。」 彼らはそれぞれ手にした『幻魔』型の 駒を街の絵が描かれたマップへと置き、 こと成り行きを静かに見守る...。 「なぁ、街ってまだなんかなぁ〜。」 そろそろお腹も空かせていた 『智明』はため息混じりに呟く... 「...さぁな?...地図だけじゃ 距離感は掴めないからな....。」 『京香』はあっさり、いたって冷静に 智明の問に答えると、続けて『春化』に声を掛けた 「...ハルカ...『トモ』の心配を しているのか?」 「え”っ!?...あっ...んっ別に そう言うワケじゃないんだけどね...。」 心が見透かされた様な気がして 一瞬、戸惑う彼女だったが... 「あたしも何か引っかかるんだよ...。 トモだけがっ...てとこにね...けど...。」 次のキョウの言葉聞き、自分だけが 心配をしているんじゃないのだと改めて気付き 「何にせよ進むしかないもんね!!!」 ハルカは声を張り上げて空に向かい言い放つ! 「くすっ...護は『牙流』か.... じゃあ僕は『汝流』を召喚する!」 少年達が不可思議な遊びを行っていたその時、 彼ら一行は遂に街の入り口を発見する...が、 『ハシュルルルルッッッ!!!!』 「なっタイミング良すぎやんか!?!」 「...間が悪いな....。」 「さっさとカターーー付けようよ!!!」 それと同時に3人の前には 奇妙なマスクを被った2体の敵と思われる 者共が姿を現し、行く手を遮る!!! 「お手並み拝見と行こうか、亮?」 護と亮と呼ばれる少年達の目の前の マップにはいつの間にか実際の闘いが 映し出されていた...。 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |