『7月29日(土)』 第三七一話 『死を賭した連戦〜塩と拳銃とぼく〜』(7.29.土) “支柱”『無限の雹気』【ルーズ・ベルト】が 誇る部隊の『幻魔』との過酷な闘いは 『洋子』『竹丸』を戦闘不能に陥る寸前まで 追い込む...が、しかし!! 「....有り難う...見てて!! ここから....ここからだから。」 『光助』のアドヴァイスを何等かの 思い出を辿り理解した彼女は 『知也』『勇二』らが心配 してハラハラしながら戦況を見守る中 笑みをこぼし立ち上がり周囲を取り囲んでいる 支柱達を従えた、長髪の青年『分化する者』 【プリティウス】を睨み付け拳銃を構えた!!! 「くははははっっ!?!!! 遂に頭に虫でも湧いたか? 『鋼鉄の瞳』【ギガ・スコープ】 標準装備の『死の侵犯』【ラル】。 『最果ての白熊』【サイレント・ベアー】 『銀色の煙』【スネイル・ゴースト】ら 合わせて50体は越える支柱で出来た この軍隊に勝てるのかよぉ!!!」 左腕をダランとさせながらも片手に した銃を徐に向ける彼女へ青年は嘲笑しながら わざと大げさに振る舞い冷やかす... 「...死ぬまでヤってろ。」 「(ぶちっっ!!!) 良いだろうよ?イタぶり殺してもう そんな生意気な口がきけねぇ様に してやんよ?」 洋子の挑発に乗った彼は“能力”によって 復元させた支柱達へ命じる、 即座に彼らを殺せ!!っと...。 [悪く思わないでよぉ〜ぼくちんを〜 くふふっっっ!!!!死んじゃぇぇ!! 『絶煙の陣』【アスペイル・マイン】!!] 『ズュキュッッッン!!!!』 命を受け攻撃を一番手に繰り出した スネイル・ゴーストの一体は、先に 竹丸を取り込んでいた煙状の身体へと変化し 襲いかかった....が、 「『ソルト・ウォーター・ショット』。 ....解る?塩水の砲撃だよ。」 洋子が手にした拳銃から打ち出された 食塩水を浴びるとーーー 『じゅわわわわわっっっ!!!』 [うぎゃわゎぁぁっぁっっ!?!] 浴びせ掛けられた箇所から 一瞬にして、小さく萎(しぼ)んで行き、 最後には消滅してしまった!!! 「!?!!...どう言う事だ!!?」 焦るプリティウスは何かの間違えだと 言い聞かせ再度攻撃命令を放つ...だが、 時は既に遅くーーー 「うっ...うそぉ!?!あんだけいたのに...。 洋子さんがあの攻撃を放ったら 一瞬にして...???」 「...!?...はう...いや、光助...。 お前、何を彼女に教え...塩???」 次の瞬間にはもう最強と思われたアノ軍隊が あっけなく全滅していた!! 「どっ...どうなって!?!」 わけが解らず戸惑い叫ぶ青年に彼女は 「そんな事も解らないの?...ふふっ、 気が狂ってんじゃないかな?」 不敵な笑みを浮かべそう言い放った!! 「お’ぉ’ぉ’ぉ’お’お’っっっ!!!!」 崩れ去る軍隊の光景を目にした ルーズ・ベルトは発狂し、我が目を疑う... 「まぁ、浸透圧の問題かな?」 光助は全てを見越し、呟きながら 2人の肩にポンッと手を置き微笑む 「....有り得ない!!!... 俺の能力(ちから)が効力を失うなど!!」 まだ負けを認め入れない青年に 銃口を向けながら歩み寄る洋子は 「弱点のない“力”がある筈ないだろ? しょせんは人間が持っているもんなんだから。」 何かを説くように、そう言った...。 『7月30日(日)』 第三七二話 『死を賭した連戦〜悪足掻き〜』(7.30.日) 「『ヨー』....くっ....もう...。 (目の前が暗くなっている...あぁ.... これが死ぬって事か...。)」 『竹丸』は洋子の後ろ姿を見送りながら 徐々にその意識を失いつつあった... 「最後だな、『ソルト・ウォーター・ショット』。」 『パキュオッッッッン!!!』 高速で射出された水撃は動揺し、一瞬 反応が遅れた『分化する者』【プリティウス】を 直撃する、するとーーー 「まぎょっっ!?!!」 『しゅーっっしゅしゅっっ!!!』 まるで硫酸でもかけられた様に攻撃が 触れた部分の皮膚が妙な音を立てながら ただれ、溶けて消滅して行く!!! 「やったーっっ!!!これでもう!! 洋子さんの勝ちだね!!『光助』!!!」 事の成り行きを見て『勇二』は歓喜の声を上げる 「それにしても....原理がいまいち オレには掴めないさ...。」 だが、それをあまり納得していない 『知也』は呟き頭を捻っていた... 「お前も、もう右腕は再生不可能だろ? ふっ...ぼくと条件はごぶ、か....。 でも、次で....!!!」 再び砲撃を放とうとする洋子、しかし 『にゅららららららっっっ!!!』 [くくっ!!!まさか、この姿に ならなければイケないとわなぁ〜!!!] 攻撃軌道を既に見切っていた彼は、 不意に『幻魔』へと身体を変化させる、と 同時に彼女へと飛びかかる!!! 「しつこいな...。」 敵の反撃を見て呟き見下すように見つめる 光助は、さっさと洋子がソレを 始末する事を待ちわびていた.... 「なっ!!?!」 軟体生物の様にぐにゃりとした 手触りのする身体を一瞬にして 洋子へと巻き付け、物凄い“力”で 締め付けて行くプリティウスは、 [くくはぁっぁっっっ!!!!!! この姿を見たからには...俺の一部と なって貰うぜぇ!!!] その体表面から少しづつ、取り込んだ 獲物を消化させる白い体液を分泌させ 止めを狙う!!...だが、 「ぷっ....あははははは!!!! 本当ーに馬鹿だなお前は、お前が巻き付いて いる身体の現状を見ろよ?」 既にその程度の攻撃は彼女には通じなかった 何故ならーーー [なっ?....ぐっ!?!まさか!?!] 「そうさ、ぼく達の汗の成分を考えて みなよ?....お前が馬鹿で本当に助かった。 利口な奴なら接近しようとは思わない 筈だからな、んじゃそろそろ離れろよ?」 体分泌により皮膚に付着していた 汗が乾き、塩分を摘出していたから!! [ぎゅわぁぁぁっ!!?!] そして、巻き付きを解き...必死に溶けてゆく身体を 氷壁等へ擦り付け塩分を取り払おうとする 敵に向かい彼女は 「ぼく達の痛みを思い知れ....。 “NaCl”混入...“Gun for Gun's” 『青龍の嘆き』【ディープ・サブマージ】 ーーーーーーっっ!!!!」 『ドキュッッッッン!!!!』 冷たく、言い放つと同時に 手にした銃から水色の波動弾を打ち出し 駄目押しの一撃を加えた!!! [ひぃぃっっ!?!ーーーーうぎゃぁぁっっ 『無限の雹気』【ルーズ・ベルト】様ぁっぁ!] 喚き声を上げながら無様に散って 歪みへと消えた幻魔の姿を確認すると 彼女は流石に疲れ、その場に へたり込んでしまう.... 「まぁ多少の犠牲はつきものでしょう。 『斬魔』【メス】始末しなさい。」 「Yes,Master.」 倒された様をみて呟くルーズ・ベルトは 更に刺客を送り込む...この現状の中で 休みもなく闘い続け、全滅手前の彼らは 果たして...。 『7月31日(月)』 第三七三話 『死を賭した連戦〜選手交代〜』(7.31.月) 敵を“能力”と共に打ち破り、再生された “支柱”『最果ての白熊』【サイレント・ベアー】 『銀色の煙』【スネイル・ゴースト】 『死の侵犯』【ラル】らをも見事打ち倒した 『洋子』だった....が、同時に彼女も 身体に限界を感じ、氷の床へと膝を付いて 崩れてしまう...しかも、そこへ 『無限の雹気』【ルーズ・ベルト】がすかさず 送り込んだ刺客が静かに今...姿を現す 「Good job !! your all Great !!! But,Very regret. Make so will happy life ? ...your Killing I'm us,All of then !!!」 「...嘘...だろ?」 漸く終えた...っと実感した、その瞬間!! 後ろから何かに地の底へと突き落とされた 気分に追いやられた彼女は絶句する... 「For real,How do you feel now ?」 両手に見慣れぬ刃を手にしたその 何者かは一歩、また一歩と静かに 彼女を抹殺しようと近付いて行く...!! 「....まだ手は動くだろっっ!! 洋子!!....フィールドを変化させろ!!!」 とうとう洋子も自身の死を覚悟した …次の瞬間!!!… 唐突に『光助』は叫び、その声は 諦めに手を掛け瞳を閉じた少女を直撃した!! 「...光助...場を?....でも... そんな...ぼくには....。 (『静久』...ぼくは...!!!)」 一度は負けを認めた彼女だったが、 再び手に羽ペンを手にすると、同時に 「Hey !!! Why don't say fat us ?!?」 彼の言葉に気を敵が取られている隙に 何かを描きーーーー 「降り止まない雨はないのよ...。 同じように、冬の訪れは春の再生を 意味する...あと...は...頼んだ...よ?」 『パキュシュッッッッッッン!!!』 能力を発動させた!!! 気力を失い倒れ込む間際に発動した 洋子の能力は一瞬にしてーーー 「な’っ!?! あの娘、有り得ない!?融合も無く!?!」 闘戯場を含め部屋全体を春のうららかな 陽気へと変化させ、更にーーー 『ズキュッッッッン!!!』 「What the mater !?!!」 地脈変動を起こし、今まで絶壁となっていた 箇所を底から引き上げ塞ぎ、只の だだっぴろい一室へと戻してしまう!!! 「....良く出来ました...。」 光助は地震の様な揺れが治まり切る前に 呟きながら足を踏み出し一気に 彼らの下へと走り出した!!! 「あっ!?!ゎゎっ!?!待っ!?! てーーーっよぉ光助!!!」 「いや、此処はオレとハウ....っと 光助に任せてくれ...その、勇二...君?」 場の変動で一杯一杯の勇二を置いて 光助に続き『知也』もたった今、 闘戯場だった場を目指し走り抜ける!!! 「Master ?」 上を見上げ問う『幻魔』へ ルーズ・ベルトは頷くと、同時に 物凄い速さをみせ、場に移動しようと する彼らへと迫る...が、 「ふん、お前の相手はオレっちが はなっからする気だったんだよ...。 行くぞっっっ!!!!」 その行動を既に計算していた光助は、 自ら短刀を手に、目の前から迫る敵に 目掛け、つっ切って行く!! 「...大丈夫か!?!!....。 (くっ...『竹丸』の方がやはり酷いな...。 腎臓を初め重要器官の幾つかが損傷 している...とにかく今なら!!!)」 先に竹丸の身体を抱き起こし静かに 運ぶと、直ぐにトモは勇二に一旦彼を任せ 次に洋子の身体を救いに舞い戻る...が、しかし 「違反はいけないと、教えた筈ですが?」 あと一歩!っと言う...そこへ、 「親玉登場ってわけさ?」 遂に自ら場に立つルーズ・ベルトが 行く手を塞ぐ!!! まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |