〓“嫉妬”する事で 時に人はヒトを殺(あ)やめ “色情”が身体全体で罪を 呼び込み、犯しても犯し切れぬ 肉欲を産み出す、そして それら全てを“怠惰”が支配する 虚無の刻を待ち詫びて。〓 |
『3月9日(火)』 第一三二四話 『七罪の罪』(3.9.火) 『七罪都』【セブン’ス・ミレニオン】にて 傲慢-PRIDE-、強欲-COVETOUS-、色情-LUST- 憤怒-ANGER-、大喰-GLTTONY-、嫉妬-ENVY- そして、怠惰-SLOTH-それら 七罪を背負いし『異界の闇覇者』達との 死闘と平行して、場面は入れ替わり 『絶陽地帯』『万絶の城』【オールメア・ホープレス】が 最下層へと『絶大なる双コブラクダ』【マスター・キャメルン】により 突如、突き落とされた白衣を纏う 青年は『選ばれし者』らと 「いつつ.... ったく、此処はどこだっつーの!!」 離れ離れとさせられて、今漸く ぶつけた頭を摩りながら立ち上がる... 『ピチャーーーーーッッン!!』 [ひょひょひょひょ、漸く... お目覚めの様ですじゃてなぁ...。] 地下牢の様な場所が カンテラの灯で照らされ 彼はそこへ至るまでの記憶を 思い出し怒りをぶつけんとする、が [睨まないで下されよ...。 ここは万絶の城の地下深くの最下層 ...『彼岸の墓場』【ヴァーミティア・グレイヴ】...。 邪魔者にはお似合いの墓場ですじゃて... ひょひょひょ!!] これを叫ぶその前に執事から続けて 言葉が入り、遮られてしまう 「言いたい事はそれだけかよ? オレっちも気が立ってんだかんな!! さっさと『勇二』んとこに 行かしてもらうぜ...!」 しかし、薄暗いレンガで囲まれた この場所へと響き渡る程の大声で 即座で煽りより、口で反撃した青年は それだけでは留まらず 両脇へと携えた小刀を引き抜きーーーー 『ジュズパァァッッッッッン!!!』 [ひょひょひょ〜 伊達や酔狂でここまで来たわけでも 御座いませぬのぉ...これは楽しめそう ...ですじゃて...。] 見下す様な笑みを向ける 敵の両腕を一瞬で斬り落としてしまった!! 「まだ余裕ぶってんのかよ? この『安大 光助』【あんだい こうすけ】さんを ナメてっと、また怪我しちゃうぞ!?」 だがそれでも声は止まず [ここは『運命の回廊』【フォーチューン・クロォイスター】とは 別な空間....本来、あそこは 虚数封間...敵を閉じ込める為に あるのじゃてのぉ...。] 貴金属の垂れ下がった 眼鏡奥の瞳を光らせながら再び 仕掛けを発動しーーー 『ぱひょぉっっっっっっ!!!!!』 「のゎっ?!! まっ...眩しい....て...おぃ!! 何で腕が生えてんだよ!」 追撃から免れる様、距離を 空けた彼は何時の間にか 生やした腕で髭を摩る...。 [ひょひょひょ... ここは、地獄に近い場所...と 申しましたのぉ...地獄は地獄でも ここは不可思議な地獄...なのですじゃ お解りになりますかのぉ?] 派手なタキシードとシルクハットを 装着した、その姿は正に 「テメェ... オレっちに手品なんか やって見せやがって!!!」 マジシャンそのものであった... [ひょひょひょ〜 わすの真骨頂はここからですわぃ...のう! いでませい!!カードへと封じられしーーーー 『幻魔』共よ!!] だが、この風貌は見せかけではなく とある自分の“力”を誇示する物であった 「あ”っ!!! て...テメェ...そのカードは!? (そういえば...勇二もあのカードを 前に集めていた...様な...。)」 何故なら、マスター・キャメルンの 『スキル』【特殊能力】はーーーー 『バヒュゥウッッッッッッン!!!』 [ひょひょひょ〜 このカードに見覚えがありますじゃて? しかし、もうお忘れなされや... 思い出すなんてそんな暇、無く なってしまう...じゃろうてなぁ..!!] 幻魔が描かれた特殊なカードより それらを具現化し、呼び出して 使役する事が出来るから! 「ちぃ....厄介な力だ... けど...一度倒した奴らなんかに このオレっちが負けっかよっ!! 『獣化』ァアあっ!」 しかし、光助のこの言葉通り 使役された複数の幻魔であっても 1度は倒されたモノ達、所詮は [ひょひょひょ... いやいや、中々ですじゃてのぉ...。] 今の彼の相手は勤まらず、直ぐに 「絶剣『回転無連双乱舞』ッッ!! どうした...こんなモンかよ!」 手詰りとなってしまう...が、しかし [いゃいゃ...このままーーーー 永遠とわすの出すモノ共と 闘い続けて頂ければ... わすは満足ですじゃてのぉ...。] 相対する敵はまるでそれを 他人ごとのごとく受け止め 「テメェ...まさか....。」 その口ぶりから光助は漸く 自分が置かれている立場へ気付く事となる... [あ〜まったく...気付くのおせーよ この犬っコロ野郎が...。」 『ずるっっっずるるるっっっっ!!!!!』 それは最悪の形で....!!! 「うぉ?!...何だ...そりゃ!!」 ズルリっと音を立てて 自らの顔の皮を剥いだ人物は 能力で獣と化した青年を睨み付けながら 挑発する様に口を開いた 「あ〜ん?...本当に 頭わりぃなぁ...オメェよぉ? オレサマちゃんがーーーー 大人しくしていてやれば キャンキャン騒ぎやがって...。 耳障りなんだよ...カスが!!」 その飛び跳ねた銀髪で、先程までとは 打って変わった威圧する口調も あの執事の面影すら残していなかった... 「時間稼ぎかよ....。 テメェ....いや、テメェら何を 企んでいやがる!!」 光助は牙を剥き出しにして 目の前の美形の男へ向かい叫ぶ、すると 「何って...ククッ ...丁度良い...このまま 暇を只、潰すよりかは... まだマシって奴かな...?」 男は軽くそう言い放ち 時間潰しと称して事、全ての 顛末を語らんとする... 「そうかよ...なら、話して 貰おうか...んで、その前に ...テメェが何者か...答えて貰おうか?」 「.......我が名は.... 『化身』【カスミ】...くくっ 全てを忘却へと追いやる者だ...ぜぇ...。」 嘲笑の笑みを漏らし、彼は 「かすみ...かっかっか...! カスミブルーのカスミかよ?! ...へっ、だっせー...!!」 「はぁ?それで満足かよ 糞犬っころ...くくっ、じゃあ 殺しながら話してやろうか。」 カスミは第一声をこぼした...。 『3月10日(水)』 第一三二五話 『カスミの涙』(3.8.月) 「今頃は、各地の“統治者”共の 躯がオメェらを... 待っているだろうからなぁ?」 舌なめずりをしながら 自らを『化身』【カスミ】と 名乗る青年は、タキシードの 胸ポケットから取り出した カードを彼へと投げ放ち攻撃しつつ 「どう言う事だぁっっ!! くっ...もう時間潰しにつき合ってる 暇は...ネえッッッッ!」 そう口漏らし、『光助』もこれに 喰って掛かって行った!! 「はは、やっぱ流石ここまで 来ただけはあるわ...。 んじゃよ、“御真の儀”ってのは 聞いた事あんだろ?」 「...あぁ...。」 全てのカードを愛用の短刀 『絶剣の小刀』“神刃”“妖刃”で 切り伏せた彼は、聞き覚えが あったソレへ静かに頷き返答を待つ 「それは、オメェの仲間である 『選ばれし者』達の最後の独りを 目覚めさせる儀式の名だ...そして 現世を異界化させる為の鍵!!」 光助の困惑した顔を 薄笑みを浮かべ見つめるカスミ 「.....確か...7人目がいると 『異界の闇覇者』の誰かが言っていたような 気がする...けど、それなら何故?! こっちは正義のーーーー」 「その見解が既に間違えなんだよ? ....考えてみろ....。 何れ答えは出るからなぁ... まぁ、もう遅いかも知れんがね。」 だが、何となくだが敵の思惑が 飲み込めて来た矢先、彼は 「ーーーーそうか...7人目とは!! ちょっと待て、じゃあ.... しまった....クソッ!テメェらは!!!」 遊びが終わりである事を 示すかのごとく 「ほう、気付いたか? ....そう、この事実を知るのは オレサマと...御方に慕いしあの女のみ...。 さぁて、世界の成り行き...。 我が目で見届けたいのでね、そろそろ 眠って貰おうか....このコキュートスで...。」 自らの正体を明かし、本来の 『スキル』【特殊能力】を解放せんとする!!! 『ばひゅぅううぅうっっっっっ!!!!!』 カスミがシルクハットを 被り指を差し向けたーーーーー ……その瞬間!!!…… 「のっわぁっっ?!! 寒ッブ!!なんだ...おぃ?! こりゃ....ブリザードか!? テメェ...ただの『幻魔』じゃねーな!!!」 光助へと猛烈な吹雪が襲いかかり 「....幻魔か...。 もう、この城の中に存在しない....いや もう直ぐに全ての大陸の幻魔は 現世へと移行される... オレサマは...その幻 魔全てを司る者........!!」 体毛で全身が覆われては、いるものの 物凄い勢いの冷風と併せ 極度に彼から体温を奪って行く!! 『翌期の水狐』【スカイ・ビュ】『マスター・オブ・ナンバー’ズ』【死真神】 恩方の至高の“御真の儀”完成させましょう 先を見るんッスねぇ〜!! |