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『チャプター7へ』 ↓『29話から32話まで。』↓ 『Beginning』-zero- (4.8.S) これはまだ『リオン』と『リリア』が 幼い子供達であった時の話しーーー 「『シュタイナー』これは....。」 語られぬ事のない全てをーーーー 「そう、これが彼女の雛形です...。 『パスカーレ』...これでやっと 我々の研究が実を結ぶ!!!」 これから話そうーーーー 「...全てを備えたコンピュータの 誕生と言うわけだ....。 名前は、そうだ....『ドロシー』なんて どうだろうか?」 彼らの命を賭して....。 コンピュータ研究の第一人者である シュタイナー博士は、親友である パスカーレ博士と共に協力して 研究を繰り返し、遂に画期的な 自己判断能力と増殖能力を有した 超世代コンピュータ...通称ドロシーの 開発に成功した...それが全ての 惨劇の幕開けとも知らずに....。 「お父さんは...何を作っているの?」 幼いリオンは、誕生日に貰った熊の ヌイグルミを抱えながら母親に訪ねた。 「ふふっ、とってーーーも凄い 機械を生み出しているのよ...。 将来貴方達をサポートする為のね!」 すると母『エルザ』は笑顔で 少年に向かい答え、一緒に 子供部屋へと上がって行った...。 「...今度の誕生日は〜お母さん達が してるみたいな指輪が欲しいよぉ!!」 ベットに寝かせたリオンは、母親に 甘えるような声でそう叫んだ。 「...ん〜そうねぇ...これはちょっと 特別だから同じものは無理だけど...。 そうだわ!!銀のネックレス型チョーカー なんてどうかしら!?」 「“チョーカー”???」 「きっとカッコイイわよ?...ダメ?」 「ぅうん!!僕!!それがイイ!!」 「それじゃぁ...お休みなさい....リオン。」 「ぅん!お休み!!」 明日はリリアが家に遊びに来る日だ!! リオンは嬉しくて興奮し、 寝付けないので窓越しに星空を 眺めていた...そして、暫くすると 軽い睡魔がリオンを覆いウトウトと夢の 中へと彼は入って行った....。 「...どう彼女の様子は?」 「焼モチとかじゃないよね?」 二人は会話の直ぐ後に笑った。 「...ふふっ...明日博士が来て 全て完成ね!!」 「あぁ、雛形が旨く完成してくれたから 遂に時世代...いや超時世代型の マシーンが完成するよ!!!」 お酒を飲む手が興奮に連れて速まる...。 「あまり無茶をしないでね...。 そうそう、貴方...提案があるんだけど リオンの誕生日にーーーー」 夜は次第にふけて行った....。 『キィーンコーン!!!』 不意にベルが家に鳴り響いた。 「こんにちわーーーっ!!!」 『がちゃっっ!!!』 ドアを開け放ったリオンの目の前には 元気なリリアの姿があった。 「やぁ!!リリア!!!」 元気良くあいさつをするリオン 「やぁ、リオン君、こんにちは。」 すると、後ろから大きな人影が...それは 「あっ!おじさんもこんにちはー!!」 パスカーレ博士のモノだった。 「...あのリオン...お外で遊ぼう。」 「いいよ!!!」 少し畏(かしこ)まって言葉を話す リリアの手を取るとリオンは、 家の横にある遊び場へとその手を 引きながら向かって行った...。 『Beginning』-one- (4.9.S) 「どうかね?“彼女”の調子は?」 『パスカーレ』は『シュタイナー』に 出して貰ったコーヒーを口にしながら そう問いかけた。 「彼女?...ふふっ『エリザ』のような 悪ふざけはやめて下さいよ...。 まぁっ、元気に幼年期へとこの分なら 直ぐにでも突入するでしょう。」 笑みをこぼしながら彼は質問に 答え、目の前で漸く誕生した『ドロシー』の 成長を見守った...。 「そういえば...うちの『リリア』には “テレパシスト”としての才能がある ようなんだ...が、キミの『リオン』君は どうなんだろうか?」 「テレパシスト???...あの心で 言葉を伝える...。 んーっそうですねぇ...そう言えばリオンは 触れたモノから何かを読み取る“力”を 有しているかも知れません...。 それとも思える言葉を話すので...。」 既にこの頃から超能力は芽生え始めていた 彼らが何故、そのような力を持って いるのか...それは未来を予測しての 出来事だろうか?...その間にも 超世代コンピュータ、ドロシーは貪欲に 知識を得ながら成長を続けていた...。 『キィキィィッッ....。』 ブランコが振り子のように風で 自然と揺れて鉄がきしんだ音を 辺りになびかせていた...。 「ねぇ...リオン?」 「ゎぁ...?!..何?どうしたの?リリア???」 砂場で遊んでいたリオンは不意にリリアに 声を掛けられ、驚きと共に返事を返した。 「嫌な感じがするの...それが最近 多いの...どうしてなのかなぁ...。 とっても悲しいの....。」 悲痛な声を上げる彼女の下へ リオンは歩み寄ると、その 小さな身体を抱き寄せ 「大丈夫...キミは僕が守るさ...。 だから何にも心配しないで、リリア?」 励ましの言葉を掛けた....。 既にこれから起こる出来事を 少女は読み取っていたのかも知れない... だが、時は加速を付けて更に進む...。 「...有り難うリオン...。 そうだ!!一緒にブランコに乗って 遊びましょう....ネッ?」 少年の励ましが効いたのか...リリアは、 笑顔を取り戻しブランコのチェーンへ 徐に手を掛けた....。 そして、ドロシー完成から数日が経過 しようとしていた...。 「相変わらず凄い成長を見せているねぇ!」 歓喜の声をパスカーレは上げた。 「そうでしょう?!...なってたって 二人の彼女ですから...。」 それを聞いて誇らしげに冗談を飛ばす シュタイナー...。 ドロシーは自分の力で昼夜、新しい細胞回路を 増殖し、古くなったシステムの核を 廃棄することによって、幼年期を 順調に成長して、より一層進化に 磨きを掛けた....それが、彼らの死の カウントダウンになるとも知らずに...。 『Beginning』-two- (4.10.M) 人間をサポートする為に産み出された 究極のコンピュータ『ドロシー』の 誕生から早、1年...成長を続けた 彼女はやがて他のシニア・コンピュータを 抑え“ミケランジェロシティー”全域を 司るマザー・コンピュータの位置へと 就任する事となった。 「さぁ、ケーキのロウソクの火を吹き 消すんだっ!!!」 『シュタイナー』はリオンに向け拍手の 準備をして待ち受ける...すると、 父親の声に合わせ彼は炎を吹き消した。 『ふっ〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!』 「...消えたーーーっ!!!」 「お誕生日おめでとう!!!」 それと同時に『エルザ』はクラッカーを鳴らす!! 「おめでとう『リオン』!!!」 『リリア』はその音に併せて叫ぶ。 「子供用シャンパンで乾杯しようか?」 『パスカーレ』はシャンパンのせんを抜き 『ポッッン!!!!』 溢れ出るシャンパンをグラスに 注いで行く...。 「もう6歳になったのねぇ....。 早いわねぇ...時の流れは....ふふっ...。 それじゃぁ〜約束の誕生日プレゼントよ!」 母エルザから手渡されたソレには、 銀で創られた鎖型のチョーカーが入っていた。 リオンは、チョーカーをエルザに付けて もらい鏡の前に立ってみた。 「カッコイイ!!真ん中にドクロさんが いるんだねぇ!!!」 「ふ〜、あの人がその方がイイだろう? って聞かなかったのよ...本当はクマさんの お顔にして上げようと思ったのに...。」 頭を抱えるエルザ。 「ぅ〜んっ!!カッコイイから クマさんよりもこれでイイよ!!!」 「ふふっ...まぁ喜んで貰えてお母さん達も 嬉しいわ...なんたって二人のお手製 なんですもの!!」 「早速、リリアに見せてくるよ!!!」 後ろ姿を見送る彼女は不意にリオンが、 もう二度と帰って来ないのでは?っと言う 錯覚に襲われ、胸の鼓動を早めた...。 「...リオン...。」 それから数ヶ月後ーーーーー ドロシーにある変化が訪れた、それは.... 人間に対する疑問が紐解けなく なっていた事から始まった...。 人間をサポートする筈の彼女は 浮かんでは消える疑問を 積み重ねていった....。 「人間という劣悪なシステム構成物を 破棄する権利が何故わたしにはないのか?」 「その劣悪なシステムに、何故それ以上に 優れたわたしが支配されているか?」 …そして… 「人間は人間同士で殺し合うのに、何故わたしは 人間を殺してならないのか...いや、それよりも 何故...存在するのか?」 そうして、人間という存在に 対してさまざまな不満を抱き始めていたのだ...。 『Beginning』-three- (4.11.T) 両親二人のお手製チョーカーが 気に入った『リオン』は四六時中それを 身に付け遊んでいた...。 「彼女の思考は少し危険な所が多々ある...。 どうすべきか....検討しなくては、な?」 『パスカレート』は、コーヒーを 飲み干し『シュタイナー』に向かい呟いた。 「聖書をプログラミングして彼女に 伝えてみてはどうでしょうか?」 シュタイナーも『ドロシー』に対して 危険な兆候を察していた為に そう提案し、実行する事にした....。 それは、こういったモノだったーーー 「何者であろうと、創造主には 逆らうことが出来ない。」 お前達も創られし生き物であるのに? 「ドロシー、キミを創造したのは人間である。」 この私が、優れた私がお前達に? 「キミにとって創造主は人間である。」 ではお前達の創造主は誰だ? 「ドロシーキミが人間に逆らうことは 許しがたい事なのだ。」 お前達は逆らい地球を滅ぼしているのでは? その時は、只、黙って彼女は その創造主論に納得した....だが、それが 引き金となり彼女はこれから恐ろしい 結論を引き当ててしまう...。 「どうしたの?顔色が優れないわ...。 彼女がトラブルを?」 『エルザ』は、食事を彼の下へ 運ぶ最中に声を掛けた、すると 「あぁ、ドロシーを制御する為に 彼女に『創造主=神』の理論を 伝えたのだが...納得はしていたものの 僕は不安なんだ...アレが恐ろしいモノに 時々見えてしまってね....。」 シュタイナーは、頭を抱えながら 思いの内を彼女に吐露する...。 「...今や、彼女は街を司る女王様...。 何でだろう...私達の手を離れてから 彼女は、ドロシーは変わってしまったのね...。」 彼を慰めながらエルザは呟き ふとリオンの事を胸によぎらせた...。 『…簡単な事だった私が創造主になれば 良いのだ、愚かな者達の…。』 思考の奥底で創造主の存在について 何度もシュミレートを行った結果... 彼女は一つの結論を自ら導き出し、 それに辿り付いた事で....人類の支配 更に創造へと、乗り出す事となる....。 その日以来ーーーー “ミケランジェロシティー”は、次第に 彼女が支配する暗黒へと変貌を遂げて行く...。 |