『8月21日(月)』 第三九四話 『有限の激突ー夢の躯ー』(8.21.月) 各々が各々の闘うべく“支柱”と対時し 『雪原地帯』最後の決戦の火蓋は 切って落とされた!! “眠れる雪の城”と“冷徹の氷河”を 結ぶケーブルカーに乗り、単身...支配者の 玉座へと目指す『知也』を置いて っと...そうなるハズだったのだが... 「罠?」 「そうでござるー!!! 茶番なんでござるよ、これは支柱を 統括する『雪原の雌豹』【レキ】殿が 仕組んだ罠でござる!!」 背負っていた『竹丸』を吊り橋 近くの雹壁へと持たれ掛けさせ 『夢の躯』【エタニアル】と 雌雄(しゆう)を決していた『光助』は その言葉に思わ上擦(うわず)った声を 押し出し、真意を確かめる!! 「どう言う事だ!?!エタニアル お前は敵なんじゃ?!!」 その頃、『銀色の煙』【スネイル・ゴースト】の 仕掛けた毒ガスの罠にまんまと 掛かった『洋子』に危機が迫る!! 「あっ...ぐぅぅっっ....。 (迂闊(うかつ)だった...気配の 違いをぼく自体のレベルが上がって 感じていないものだと思っていた... しかし、あの威圧感が無い筈がなかったんだ!!)」 スネイル・ゴーストを必死に睨み付け ながら用心深くなかった自分の行動を恥じる 洋子は、無意識に下唇を噛みしめた... [ぎゃははは〜ぼくちんのブリンク(分身)が キミに教えてなかったかな? ぼくちんは煙状の『幻魔』の“力”を 吸収している〜よって、他の体内に 少しでもカケラが残っていれば ソレが完全にぼくちんを型どるってねぇ〜 解るよね〜、そぉこのぼくちんこそが 本体なんだよぉ〜ん、だってさ〜そぅじゃ ないと“メタファー”の維持が めんどぃじゃん?別に一度抜き取ってしまえば 誰でも管理出来るんだけどさぁ〜!!!] 紛れもない本体を晒(さら)し笑い続ける スネイル・ゴーストは不意に彼女の 胸に腕を押し当てニヤリと笑うーーー 『モキュアッッッ!!!』 「はぅっっ!?!! (いやぁぁっっ!?!!なっ.... この感じ、ぼくのぼくの心に!?!)」 そして、次の瞬間!!! 身動きの取れない彼女の胸元から 埋めていた腕を引き、輝く何かを 洋子の心から抜き取らんとする!!! [ひっっふ〜上モノのめたふぁ〜Geぇ----] しかし、スネイル・ゴーストが完全に 彼女からメタファーを抜き取らんとした …その瞬間!!!… 「同時に決めるーーーーーーぞっっ 絶剣二刀『インセプター・アロー』!!!」 「存在比率をネジ曲げるーーーっっ!!! 混沌の一撃『タブー・レイジネス』 【悲哀/禁断】っっっ!!!」 唐突に小刀を両手にした光助と、 甲ちゅうに身を包み込んだエタニアルが 姿を現し、一瞬にしてーーーー 『ギュパパパパパッッッッッン!!!』 [のぎゃぁぁあっぁっっ!!?!] 目の前の敵スネイル・ゴーストを粉砕する!!! 『8月22日(火)』 第三九五話 『有限の激突ー熱き火、此処に!!ー』(8.22.火) [けけっ、まぁ〜だぁヤル気は残ってる みてぇじゃねぇかぁ?!! ...本来オレ様は美食家で有名なんだぜ? でも---くくっあぶらっこそうだけどよぉ〜 てめぇを喰らうってのもイイかもなぁ? でぶの踊りぐいって奴だっ!ぎゃははは!!!] 唾液をこぼし、それを片手で拭き取りながら 『勇二』を見つめる“支柱”『魂狐』 【ムツキ】が『幻魔』と化した モノ“ゴンギツネ”を前にたじろぎながらも 「ぅう...たっ食べられてたまるもんか!! (....関係ないけどお腹空いたなぁ〜。)」 勇二は『白金の鞭』【レイジング・ビュート】を 構え直し、再び立ち上がる!! 『シュパァッッッン!!!』 [くくっ、魔力吸収“能力”を持つその鞭...。 そんなモノは全てを解放したオレ様には 通じねぇんだよぉ〜〜〜〜、喰らい やがれぇっっっ!!!] 高速で鞭を打ち出し、攻撃を仕掛ける ゴンギツネは先の時と同じように 手出しさせずに倒そうと目論見る...が、 「見えないなら...ボクなら出来る事で キミの攻撃を封じるまでだよ!!! いくよ!!疾風魔法『破陣の台風』 【ジェネクション・ストリーム】!!!」 『ヴキャギャギャギャギャッッッン!!!』 [あっぎゃっ!?!!....----ーーー オレ様の鞭がぁっっっ!!?!] しかし、それは勇二がとっさに放った 魔法により鞭を引き裂かれ砕け散る!!! 「今だっ!!!.....。 (自分を信じてぇっっ!!!)」 『ジュパパパパパッッッン!!!』 竜巻が巻き起こると同時に周囲の塵を 巻き上げた事で、不意を突かれた為に ゴンギツネは目にゴミを受け、視界を 封じられてしまう、しかも鞭は破陣に包まれた 瞬間にズタズタに引き裂かれ、 無防備なままの状態で勇二の放った 鞭による迎撃が襲いかかる...が、 [くくっ、あまぃなぁ〜〜〜!!!! それくらい読みまくってんぜ? 『結合-α』【ペプチド】発動!!!] 『シュカカッッン!!!』 その瞬間を待っていた様にゴンギツネは 能力を発動し、鞭を有るべき姿へと 戻し、更にーーー 「えっ!?!」 [『踊り死ね』【デス・マォ・カカブ】 to the sixっっっ!!!] そこから6本へと分断させた 『蛇牙鞭』【シャガベン】を打ち出し 全レンジ攻撃を繰り出す...が、しかし 「あはっ、ボクだって、だてに 進学クラスじゃないんだよ? キミの能力くらい覚えていたんだ〜 だからね〜ちょっと細工したんだよねぇ〜。」 [なにっぃ?...つまらんはったりをーーー!?!] 勇二はそれすら既に読み終え 不測な行動を起こしていた、それはーーー 『ボギュアァァッッ!!!』 「『炎爆勾』【クリムゾネス・ロ・ワイヤル】 ...風と一緒に巻いて結合したと同時に そうやって燃え広がり一瞬にして全部 燃やしてしまう、えんじんこうって言う 本当にあるお香の魔法だよ〜。」 [ぎゃははっ忘れたか!?この程度オーーー] 「無駄だよ、ボクはキミがどの程度 結合を出来るか知ってるよ、 原型を止めていないモノの...例えば 灰とかから戻せないってネッ!!!」 再び復元された、敵の鞭を燃やし尽くし、 二度と元に戻らぬ状態にしてしまう、そして 言葉を遮る勇二の瞬撃が今、 ゴンギツネを一瞬にして貫く!!! [のぎゃぁっっっ!?!] 「...終わりだね。」 勇二の白金の鞭の強度は凄まじく ゴンギツネの心臓を直撃し貫く.... 『ジュゥゥン!!!』 歪みへと沈んで行くゴンギツネ... 「さて...ふぅ〜先へ...行かなきゃ...。」 それを背に彼は廊下をおぼろげな足取りで 歩き、先へと進み始めた....。 『8月23日(水)』 第三九六話 『有限の激突ー吠える!!ー』(8.23.水) 「ぐっ....くっ...“ゴンギツネ”の奴...。 もっと旨く負ければ良いものを....。」 亀裂の生じた仮面を被り、所々から 血を流す『魂狐』【ムツキ】は呟きながら 自室へと向かう.... 「『幻魔』等、役にも立たないな...。」 あの瞬間、鞭による攻撃が直撃する 瞬時に人間の本体であるムツキは 自身が持つ“能力”『分解-β』【アラニン】を 使用し、幻魔ゴンギツネと分離、そして 自分はまんまと逃げおおせたのだった... 「御方が参られている筈....。 .....誰か来る?」 『コッツコッツコッツ....。』 靴による足音が廊下に響き、人影を 見て、ムツキはたたずむ... 「クスッ、随分な姿ね?」 少女は笑みをこぼすと不意に声を掛けた 「ふっ、こんな時にいらっしゃるとわ...。 後は『雪原の雌豹』【レキ】他に 任せますよ、私も疲れちゃいました。」 静かに返事を返すムツキを見て 「ふ〜ん、まっいいわ、もうこの地に 興味もないし、じゃあ逃げれば?」 甘く囁き、少女はその場を去った...。 [なんでだぁぁぁっ!?!!げぇぇぇ!?! おめぇらぁぁっぁっっ!?!!] 一撃で微塵に掻き消された身体をどうにか 必死にかき集め元の姿を型どろうとする “支柱”『銀色の煙』【スネイル・ゴースト】は 喚き散らし叫ぶ!! 「....光...助....なんで...??? (それにもう一人は...あの時の!?!)」 『光助』に抱き起こされ少しずつ毒気が 抜かれていた事で声を発する『洋子』に 「ちょっとね、味方が出来たって感じかな?」 そう言うと彼は来た道を辿る様に 先に足を進めた... [『夢の躯』【エタニアル】お前までぇ 何故ぇっっぼくちん達を裏切るぅ!?!] 刀を手に構えるエタニアルへ 発狂して声を放つスネイル・ゴーストは 最後の“力”を振り絞り攻撃を仕掛ける 「ふっ、某の躯を奪うつもりで ござるなー、しかし無駄な事で ござるよ、“風の質”(かぜのたち)!!」 『シュパァァッッッン!!!』 が、しかし空気をも切り裂く エタニアルの斬撃は余裕で煙として 存在する彼奴を打ち切り、確実に 歪みへと沈める!!! 「おーぃ!!先、行こう!!!」 「かたじけない、始末はしっかりと つけておかねばならんのでなー。」 刀を背中の鞘に納め、エタニアルは 光助達の下へと走る....。 「ふふっ、支柱(仲間)に裏切られるなんて 無様ね、でも良いわ....レイヴィンドを 守る様には言われてないから...。」 スネイル・ゴーストが残した 花畑を見下ろしながら少女は 呟き、広大な雪景色を眺める 「さて、見せて貰うよ。 この地帯の結末って奴をねぇ...。」 不意に後ろ振り向き掃き捨てるように 台詞の残した彼女は再び何処かへと 向かい、歩いて行った....。 『8月24日(木)』 第三九七話 『有限の激突ー雌豹、推参!!ー』(8.24.木) 【んじゃ〜いっちょ殺ってみっか?】 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |