『12月21日(木)』 第五一六話 『導く先に光在れ〜ALL THING〜』(12.21.木) 『京香』『春化』『智明』の前に 立ち塞がる“永劫の水”と呼ばれた『幻魔』... 遂に彼は完全に自らの肉体を手にし 支配者達『護』『亮』の思惑のまま 奪い学習した『スキル』【特殊能力】を 駆使して襲いかかる!! 「あかん...俺様...頭が...モヤが掛かった 様に....何やねんこれは!?!」 出血による貧血を起こしたとばかり思って 立ち上がった智明はやけにフラ付く足を支える 術は無く、膝を落とし頭を覆う靄(もや)に 悩まされ、意識をも失い掛ける... 「酸素濃度を上げた?...どう言う事よ...。 (なっ...頭が重い...。)」 不意にハルカを頭痛が襲い、手にした坤を 思わず手放し同じく膝を床に落としてしまう... 「...確か...創世期...酸素は毒だった...。 それを取り込めるようになったモノが 生き残りあたし達と...なった...そして 空気中に存在する比率は酸素だけではない...。 それを...あいつは上げた...くっ...。」 キョウすらも剣を杖代わりにしなければ 目眩で立つことすら間々ならない状態だった... [『蒸留癖の髭』【エアロゾル・ムスターチェ】 による真価...このスキルを使いこなすべきは 我に在り...って、奴だな? キョウ...キミの言う通りだよ、と...言うより もう我が講釈も耳にはしずらいだろうな?] 水色の長髪をなびかせ倒れて行く者達を 見つめる彼は、既に始末を終えた敵に言葉を こぼし支配者達の方向へと足を向けた...。 『バシュォオッッッッッッン!!!!』 永劫の水が終幕を降ろした!っと踏んだ …その瞬間!!!… [...そうか、そんな使い方もあるものなのか ....ふふっ、面白い...。] 「...人間を誇張するわけじゃないんだがね...。 学習すれば全てが解るワケじゃないのさ?...。 貴様が持つ資質で...皆の“力”を全て 扱えるなど...笑止!!!」 彼が固定し放ったスキルの空間に疾風が 吹き荒れ、一行の周囲だけに大きな風の ドームが出現、内部の空気密度を正常に 止める作用を発揮する!! 「くっ...けっけっ...ゴテゴテに 集められた“能力”なんぞで...俺様らが 殺られてたまるかよ!!!」 正常呼吸を取り戻した3人は息を吹き返した 様に立ち上がり、振り返り呟く敵へと 一斉に攻撃を仕掛けるーーー 『カキュアァッッッッン!!!』 だが、それを一瞬で全て彼は防ぎ切ってしまう!! 「それは...『ドメィン』のスキル!?!」 [EXACTLY,『屈折の纏』 【ライトプリズム・バリア】...。 君達より我が器は大きいのではないかな?] 嘲笑を交えた言葉が傷つく彼らへと 無情に投げ放たれた...。 「...それが...貴様本来の力であるならな...。 あたしは認めない...そんな偽物の力は!!!」 『ヴぁぎゅるるるっっっ!!!!』 彼の言葉にいきり立つキョウは額から 血を流しながらも叫び、再びスキルを発動する!! [奪われた者が弱者なのだよ?...。 君も吸収されるが良い...我が力は無敵だ!!] キョウの怒りは限界点を超えていた...それは 自らの為では無く、仲間達や敵であったモノ達の ソレまでをも背負っていた...感情の何かが 弾けた彼女に今、目の前の敵を倒すべき 力が与えられんとする!!! 『12月22日(金)』 第五一七話 『導く先に光在れ〜光の剣〜』(12.22.金) あたしが特別を意識しなくなって.... どれくらいの月日が過ぎたのだろうか? ...昔、あたしが手を伸ばした場所には 欲しい者など存在しなかった... 特質した何かがあたしにとっては当然で、 出来ない彼らからみればあたしは上から 見下ろす様な態度の鼻持ちならない奴 だったのだろう... 見えない壁が確かにあったのだ...そして、 あたしは特別を無くした.... 力量を比べれば誰しもが何処かで劣る... そんな簡単な事も憎しみや妬みは忘れさせて しまうのだろうか?...いや、世界は淀(よど)んで いた...確かに...しかし、あたしは 信じたい自らが望めばそこから道が開ける ことを...その道を奪う資格は誰にも... 何においても存在してはないらない と、言う事を!!! 「...この地を照らす“光”よ...我が手に!!!」 だが、存在するのならーーーー あたしが...全てを断ち切る!!! 「...なっ...なんだ...???あれは??? 『護』...これは....!?!」 「...『亮』...落ち着くんだ!!! 僕らが創り上げた最強の僕が負ける 筈がないんだ!!!」 『京香』の言葉に併せてこの地に宿る 光が館へと導かれ集束して手にした剣と 彼女を取り囲んで行く、その様子を見た 支配者達は何故かオロオロと慌て蓋めく... 何かに...いや光に威圧されている様に!! [なんだ?それは....。 支配者達の“力”を忘れたのか? 貴様らは駒にしか過ぎぬのだ...。 この地へと足を踏み入れた瞬間からなぁ!!!] 呆れた様に叫ぶ“永劫の水”だったが... 自らの身体と『スキル』に変異が生じる... 「...俺様の傷が塞がって行く?!?」 「私の...怪我も...これは....!?!」 [『超振動』!!!.....???? 何だ?!?我が真価を引き出した ソニック・ウェイブが放射されなーーーー] {心まで奪われて...ぇ...たまるかってばよ!!} それはキョウが集わせた光によって 今まで吸収していた人間達の心が覚醒し、 内部から彼の動きを封じ破壊していた為に 起きた反乱だった!! [バかなぁっっっ!?!!] 「...本当に弱かったのは貴様だっっ!!!」 そして、斬撃が打ち出される!!! キョウの手にした両手剣に全ての光は 集められ刃を黄金色へと変化させる... 「...希望の刃よ...全てを断ち切らん...。 『光牙閃滅』ッ!!!!」 剣の中心部、風穴『核色』をはめ込む 場所に光り輝くオパールの様な宝石が その瞬間だけ存在し、光の剣が打ち放たれ 狂乱する彼を真二つに両断した、次の瞬間ーーー 『ズギュァァァッッッッッン!!!』 [ぎぃいいいっっっばかぁなぁぁっ!?! この最強の....ぐがぁああぁ!?!!!] 「...そうか...光は我が胸に...。 ...有り難う...みんな...。」 跡形もなく永劫の水と共に場から消え去った!!! 『12月23日(土)』 第五一八話 『導く先に光在れ〜身代わり〜』(12.23.土) 踏み入れた瞬間から『水辺地帯』では 支配者達の“力”により運命に左右された 駒として扱われてしまっていた移行された人間達や 地に存在していた全ての生き物達...彼らは、 今、漸く呪縛の鎖を解き放ち自由を手にした... 「けっ...やりぉるわ...『キョウ』...。 もう一手で詰みやぞ!!!」 光を浴びると同時に傷を癒された2人は 何かを悟った様に最後の力を振り絞り 各々武具を手に立ち上がる!! 「ちぇっ...良いトコどりね? でも...今回は譲るわ?.... それじゃぁーーーーッ行くわよ!!!」 最強の僕(しもべ)を失った支配者達が 焦り慌てる中で既に動き出していた 京香の刃が、正に今ーーーーー 『ザキュッッッッン!!!!』 彼らの身体を捉えんとした.... …その瞬間!!!… 「ふぃぃぁぎっっ?....あ...きら???」 支配者の少年が片割れは真横の仲間の身体を 両手で押し出し、肉の盾として扱い 自分だけ攻撃を下種な方法で避けてしまった... 「ふっ....ふはははははははっ!!!! 計画は進んでいるよぉ〜!!!! 僕の為に死んでよ?『護』ぅうううッ!!!」 突然の出来事に戸惑うキョウだったが 一瞬の間の後、斬撃を繰り出す....しかし、 即座に後ろへと下がり次のシナリオを 描いていた『亮』は斬り裂かれ絶命しようと していた護の身体に飛び散り少しだけ 残留していた“永劫の水”を潜り込ませ 究極体を再び産み出さんとする!!!! 「...うぞ....だろ?..げふぁ!?! あきらぁ....お前...まさかコレを???」 胸を斬り裂かれた護は口から物凄い吐血を 繰り返し階下へと身が衝撃によって投げ出され 落下して行く際までこの出来事が信じられず 痛みと怒りで涙を流す... 「くっぅうう...そうだよぉ...僕はねぇ...。 あきらぁ...君が支配者ズラして 僕と横に存在していたのが最低な気分に させられていてねぇ...幼馴染みの吉見で 此処までつき合ってはあげたけどさぁ...。 身体を預けている時でさえ気持ちが悪いと 僕は常々思っていたよぉ!!!!」 キョウの追撃を逃れた亮は掃き捨てると 同時に水へと命じ、護を取り込ませようと するの....だが、しかしーーーー …その一瞬先に!!!… 「...そこまで落ちていたとは...下種が...。 もう良いよ...終わりにしよう....。 『美しき代償』【クレィジー・ローゼス】 舞い落ちる花ビラ達よ...水を吸収しろ!!!」 『らりぃっっっっっん!!!』 彼らの闘いを見届けに足を向けていた 『光恵』から放たれた『スキル』が 飛び散った水を薔薇の花ビラにより完全に 吸収し、亮の計画を打ち砕く!!! 「ミッツィー!!!」 「ったく、来るなら早よしろや?!?」 運命と呼ばれた創られたまやかしの未来は 消滅した...が、亮はまだ負けを認めようと せずに最後の手段として自分が出向かぉうとする...。 「...諦めろ...貴様を守る全ては途切れた!! 仲間を盾にした瞬間から貴様は魂すら 淀んだ...無へと還れ!!!」 キョウを前に絶望的な状況に置かれた少年は... 「くははは----ッぎゃはははははっっっ!!! バカだなぁ...僕が負けるワケないじゃないか?!! まだだ...まだまだ...!!! 護ねぇ....まも....。」 発狂した様に叫び、最後の時を迎える.... 『ズビャシャッッッ!!!』 「ぐひぃっ?!!」 「...ミッツィー...これが真実だ....。」 「えぇ...今ならワタシにも...解るわ...。 『高志』...でも...もぉ....。 お別れみたい...。」 そして、同時にそれは彼らと契約を交わした 人間達の消滅でもあった... 「くっ...ははははは...僕は....。 ナニヲ求めていた???....。」 幼少の記憶と共に亮と護は歪みへと沈む... それに乗じて館の奥へ道が開かれた.... 「あっち...任せて良いのかなぁ?」 「ったく、会って草々お別れなんか? まっ...縁があったらな?」 足元から歪みへと沈んで行く光恵に 仲間として声を掛ける3人は、 「...ミッツィー君と過ごした旅...。 それほど悪くはなかったよ?」 「!?...ふふっ...現世では...諦めたり しないから...皆の事...待ってるから!!!」 別れを終え、扉へと手を掛けた...しかし、 彼らを待ち受けるのはーーーーー 「...漸く終えたか...『選ばれし者』達...。」 次ぎなる地への導きではなく、秘密裏に 動く者達が1人との激闘だった!!! 『12月24日(日)』 第五一九話 『導く先に光在れ〜使徒〜』(12.24.日) (じんぐるべぇ〜るジングルベール苦しみま〜す- ってなワケで2回目のクリスマスですネッ!) 【クリスマスSPだってばよ!!】 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |