『1月9日(日)』 第一六九話 『クサビの中の牢獄』(1.9.日) 「....えっと....。」 「知ってる奴でもいるか?」 「????(ぅ〜ん目がまわるぅぅ!!)」 掲示板の内容を物凄い速さで 読み進める二人を見て『勇二』は、 途中からついて行けなくなり 画面から目を背け、食べ物に手を 掛けて後ろで大人しく待っている事にした 「...っと!?....あっ!勇君...。 あのさ、こっから『マボ』が少し 先を見てくんない?」 「...ふっぅ...まぁいいぜ?」 操作をマボに任せた『空』は、 だるそうな勇二に声を掛ける... 「だいじょうぶ?目、つらいでしょ?」 「うぅぅん...だいじょうぶだけど〜〜〜 やっぱし、コンタクトでそう言う画面 ばっか見てると...あはは...痛い...。」 勇二と向き合うと空は、自分も 「ねぇねぇ、見てっ....ほら。」 「あっ!?空もそうなんだ〜!!」 そうコンタクトなんだと教え、共感を得る。 「おぃ、終わったぜ...データは、 このまま見てるよりプリント、もしくわーーー」 「にゃはっこっからおいらがやるっス!」 『ぎゃぎゃぎゃっっ!!!』 空と勇二がじゃれている間に 掲示板で今知りうる全て情報を採取したマボは、 声を掛けるが、それを途中まで聞いた 空はその声を遮り、さっさとプリントアウト してそのサイトのアドレスを※刻み (※刻むとは、ここでは保存の意、俗語。) 電源を切ってしまった 「ん〜出来たっスよぉ!!」 「っちち...いきなりその、“でぶった” からだで突っ込んでくんなっての!! あいつに殺されるぞ!!」 「あいつ???」 「あはっ、しかたないじゃん〜 任されてるのはおいらだし...いちおー おいらも一部なんだから!!」 「はぃはぃ、解った解った...っと それで、ちゃんと出来てっか?」 マボに叱られながらもちゃんとすぐに 情報に目を通していた空は、そこで 幾つかの重要と思われる情報と画像を 見付け二人にそれを見せた 「...おだいば?...ここっておだいば だよね?...似たような情報が多いね...。」 「確かに...このまるっこいのは、 ふじての天球体だな... なになに...あの霧の発信源 みたいなの?...だと...。」 「あの付近に住んでいるヒト達からの情報が 一番多かったよ...おんなじこの情報が...。」 すると、どうやらこの霧の元凶は 臨海都市にあるとの情報が 集中しているのを発見する....。 「...でも、あそこから全てが蔓延した とは思えないっスけど?」 「そうだよねぇ...。」 「確かにな...確実に数日前まで あの霧は、無害だったし、こんなし 濃くなかったんだ...。」 「って事は...あっこ霧の性質を変化 させた、ナニかがあるってことっスか?」 「きっと...そうだよ...。」 「間違えないな....!!」 大体全てが読めてきていた三人は 暫く話し合った結果...お台場の臨海副都市へ 向かう事を決意する...。 『1月10日(月)』 第一七十話 『その頃、異世界ー決意!!ー』(1.10.月) また話しは前後するが...『勇二』が 『空』と出会い、家に向かっていた...その頃 『海岸地帯東』から西側へ向かう為の 準備をしていた『ハウリング』達は... 「今まで世話になったな『アリア』『ディアナ』 それじゃあ、オレ達行ってくるから。」 「メシ旨かった...その...また、 食わしてくれや。」 「ディアナさん、海図ありがたく貰って 行きますね、それでは...。」 「お邪魔しました〜っと!」 ディアナとアリアに別れの挨拶を済まし 今まさに彼女に用意して貰った船で先へ進もうと していた所だった... 「...これから大変だろうけど!!みんな 元気出してネッ!!!」 不意に玄関から走って海へ出て来た アリアは、全員に向かい手を振りながら 激励をする...そして、港から船が去ると 屋敷の玄関で自分を待っていてくれていた ディアナと共に中へ入って行った。 船の操作は『京香』が行って おり、他の皆は船室でそれぞれ待機している... 「...ふぅ、これでこっから 目的地まで自動ってワケね... さて、あたしも休むかな?」 船は結構な大きさがあり、少し元の世界の 客船に似通った様な形をしていた 「...待ってろや...必ず...必ず お前を奴らの手から...俺様が....!!!」 立ち直り『貴弘』を取り戻す事を決意した 『智明』は、槍を手元へ置き しきりに彼が残して行った『黄色い宝石』を 船室のベットの上で寝転びながら 頭を枕に沈め眺めていた... 「『レイヴ・ソルト』...っか...。」 『知也』は、出発前にディアナから 手渡された右手にはめて使用する 直接攻撃型の武器を見て彼女に言われた 事を思い出していた... 「魔法が使えないのに、光の属性増幅機能 付き...なんての貰ってもなぁ...しかも これじゃ『龍墜撃』がやりにくく なりそうだし...。」 そして、同じように自室で考えごとを していたハウリングは、 「...おいらは....いや...ぼくは... うぅ...思い出そうとすると頭が 割れるみたいに痛い...よぉ.... 助けて....ぼくは誰なの...?」 自分の記憶が少しづつではあるが あの『絶極の隼』【ディープ・スカイ】戦から 戻りつつある事で、逆に困惑していた... 「...考えていてもしょうがないか... そうだ、海の風にでもあたって 気分転換でもしよ〜っと...。」 頭を抱えながら、元の世界へ還ったと 思われる勇二を思い浮かべ、気分直しに 部屋を出て颯爽とデッキへ出て行った...。 『どぎゃぎゃぎゃっっっん!!!』 それは突然だった!! 「なっ!?...何事ナノ?!」 ハウリングが海風に当たっていると 不意に水面下に幾つもの影が現れ それらが船を目掛けて体当りを 幾度も繰り返す!!! 慌てて舵を取るキョウは、その振動で 直ぐに駆けつけてきた智明と智也へ 外の様子をデッキから確認して 来るように命じる...そして、デッキへ 上がって行った二人がそこで見たものは 「ハウリング!!!?」 「...なっ...なんだコイツは!?!」 ハウリングをその透明な触手で捕らえ 弄ぶ、巨大なクラゲの姿をした 『幻魔』だった!!! 『1月11日(火)』 第一七一話『その頃、異世界ーぷにぷにボディー』(1.11.火) 「なっ?!...デッキに『幻魔』!?!」 「...とにかく、捕らわれてる 『ハウリング』を助けなッッ!!」 [ウジュラァァァッッッ!!!] デッキでハウリングの身体を捕らえ 透明な触手で締め付けている、その大型で クラゲ型の幻魔は、二人を見付けると すぐに触手を伸ばし襲いかかって来る!!! 「ちぃっ!?.....!!!!」 「反撃しようにも、あのぶにぶにした 野郎の躯に俺様の....うだうだ考え とってもしゃぁない!!!」 だが、触手からの攻撃を避けると同時に 『智明』は、真紅のナイフを胸のポケット から取り出し、自らの左手の甲を 引き裂き、そこから滴り落ちる鮮血を クラゲ型の幻魔へ向かい放つ!!! 『しゅぴぴぴっっ!!!』 「!?智明...あんたナニを!?」 「言うてなかったっけか? 俺様の“能力”んこと....まぁえぇわ 良く見とけや...これが俺様の “力”や!!『血化陣』ーーーー 針のムシローーーーッッ!!!」 すると、智明の叫び声に併せ 鮮血が変化を起こし、真紅の槍へと 変貌する!!そして、更に空中でクラゲを 取り囲んだ、その無数の槍はハウリングが いる部所を除いた幻魔の全ての箇所へ 一斉に突き刺さろうとする!!! 「終わった、な?『トモ』...。」 「いや、そうじゃないみたいだよ?」 「なんやて!?(やっぱり...。)」 「...ゼリー状の身体か...やっかいだな。」 智明の華麗な技は無惨にも幻魔には 効果を見せずに破れてしまった... やはり、ぶにょぶにょとした身体では 触れた瞬間に槍が弾かれてしまい 真紅の槍は全て音を立て、デッキへ落ちた!! [びゅぉぉぉっっっ!!!!] また、その攻撃で幻魔の怒りを 買ったようで狂ったように透明な触手を 二人へ向ける!!! 「ぐっ!?....苦しい....っっ.... おいらの小刀が...きかないなんて...!!!」 二人がデッキで攻撃から逃げ回って いる間にも、触手で締め付けられている ハウリングは自力で脱出しようと 試みる...が、しかし 「...ぅう...にゅるにゅるしてんのに〜 ...ぜんっぜん...ダメ..じゃん....。」 粘り張り付く粘液をつねに出し続ける 触手から逃げ出す事は、出来ずに また締め付けに苦しみ、叫ぶ!!! 「このままじゃ、ラチがあかない...。」 「っても...武器がキかないんやから ...どうしょうも....!!!」 [ウジュララララッッッ!!!] しだいに敵の攻撃に対する反応 速度が遅くなり始めた頃...丁度 デッキ端まで追い詰められた二人は あの身体に対抗する手段を模索するが... 『ブギャギャギャッッッン!!!!』 その瞬間に、既に幻魔から放たれた 攻撃が襲いかかる!!! 『1月12日(水)』 第一七二話『その頃、異世界ーシャイニング・ソルトー』(1.12.水) 『こっから見てネッ!』 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |