『4月17日(月)』 第二六七話 『北の街、其の3』(4.17.月) 『雪原地帯』の村『ミディ』から “北の街”『ヴァルキ』へと向かう 『レィニイ』『三浦 洋子』 『御津 竹丸』の3人は、途中にある 小さな村で一旦、休憩をしていた... 「『幻魔』達は全然出ないね?」 食事を取りながら洋子は呟いた 「...ん〜...そうだねぇ、でも 楽で助かるでしょ?」 それに対して竹丸は少し考えてから 返事を彼女に返す... 「あの、まだ2人にはお聞かせ していなかった事があるんです...。」 不意に改まってレィニイは、2人に 向かいそう言った...勿論、何事かと思い レィニイを見つめる2人... 「なに?...何ナノ!?!」 「僕も聞いてないことって?!!」 竹丸は幻魔と数回闘っている為に 歪みの事を少しは詳しく知っていたのだが... 洋子はまだ一度しか闘っていないうえに しっかりとソレを理解していない... それを危惧(きぐ)してレィニイは、抑えて いたのだが、ここで彼らに歪みのルールを 幻魔は元の世界に移行される事を教えた...。 「えっ!?じゃあ...この前の 『雪原の雌豹』【レキ】って奴とか 『死の侵犯』【ラル】てのが.... ぼく達の世界に!?!!」 流石に驚き声を上げる洋子を見て 冷静に竹丸はそれを理解しようとする... 「...そう言うシステムだったんだ...。 だから、...むしろ倒されて無力な 人々の下へ...くっ....でも、僕達が 全て倒して、戻れば...キット問題は ないハズだよ!!!」 「...二人共...それでも闘ってくれますか? 貴方がたは巻き込まれたダケ...。 いつでも元の世界へ還れるんです...。」 レィニイは、彼らへ問う..すると、 「あたりき...ここまで来たらぼくだって 闘う...例え竹丸みたいな“力”がぼくには なくても...あいつらダケは許せない!!!」 「何言っているんだよ...レィニイ!! 僕らはその為に召喚されたんだろ? じゃあ全部をブッ潰して還るよ!!!」 声を揃えて2人は叫んだ!!! 「有り難たいです、凄く私も心強い...!!」 暫く休んだ後、彼らは村を出て 雪が舞う道を歩み先へと進んで行った...。 「『偽りの魂』【レイヴィンド】様ーのっ とこに行ってきたのんだねぇ?ラル!」 [あぁ、『最果ての白熊』【サイレント・ベアー】 ....っ、か....だから何だ?] 既に傷を修復させたラルへ彼は 声を掛ける、するとラルは乱雑にそう 言葉を返した 「ふ〜相変わらず愛想がないねぇ〜 心配してやってんのさ?力馬鹿。」 [けっ、おめぇ死にてぇのかぁ?あ”ぁ!!] 脅すように叫ぶ彼を見てサイレント・ベアーは 笑いながら言葉を続けた 「某〜、の『夢の躯』【エタニアル】が いなかったらあんたは殺されてたんだよー。 もちっとよー自分の実力考えなよ?」 その頃、別室ではーーーー 『銀色の煙』【スネイル・ゴースト】と レキが会話をしていた.... 「賭けのアレ早くしてよー!!ぼくちん 待ちくたびれーっ!!!」 「ふふっ、お待ちなさい、もう少しで 作り上げてあげますから....。」 『...彼を...追い詰めた...者達を... ....知りたい...。』 彼はレイヴィンド言葉を思い出し笑みを浮かべた...。 『4月18日(火)』 第二六八話 『ヴァルキ』(4.18.火) 「もう、見えますよ2人共!!」 雪に覆われた大地に大きな球体型の 建物が姿を現す...それを先に発見した 『レィニイ』は『洋子』と『竹丸』に伝えた 「本当だっ!!あ〜粉雪が凄くて視界を 塞がれて先へ進めなかった時は、 どうしようかと思ったケド....。 ぼく達は辿りついたんだ!!!」 洋子はそれに喜び、はしゃいで走る ...すると、それにつられてか、竹丸も 「待ってよーっっ!!ヨー!!!」 騒ぎながら走って行った!! 街の入り口には桟橋が掛けられ 街を囲むように周りは深い堀が 存在していた...更にその堀には水が 溜まっていたようで、それが冷気に よって、表面が冷やされ薄い氷の膜を 張っていた...しかし、街へ 入ろうとするも、桟橋が上がっている為に それが出来ずにその場に立たずむ 洋子は、それを見て 「...入れないじゃん。」 そう呟いた...だが、その瞬間!!! 『どしゅぉぉおおぉぉっっん!!!』 彼女の目の前に唐突に橋が降ろされた!!! 「....っ!?!..うゎっヨー!?!」 「大丈夫ですかっ!?!」 それを見て即座に駆け付ける2人は、 「はっあはははっ...まぁ...ギリギリ だったけど...大丈夫...だよ...?」 その場で腰を抜かし崩れ落ちている、が 傷一つない洋子の無事な姿を見てホッとする 「...いま、起こしますね?」 レィニイに抱き起こされ洋子は 立ち上がり、その間に竹丸は警戒しながら 橋へ足を踏み出しす...そんな彼らに 不意に誰かから声を掛けられた... 「いやぁ〜、御免ごめん!! 橋を降ろすタイミングを間違って しまって....、なんせ、1ヶ月位 これ使ってなかったもんだから...。 まっ早く中に入れや!!」 それは街の青年だった...彼に 言われる通りにさっさと街へと入って行く3人... 「ゎっ!?..ここって...何でこんな 春みたいな陽気を...凄ーい!!」 中と外との温度の差に驚く洋子は声を上げた 「ドームの様になっている...!!」 回りを見渡しながら竹丸は呟く... 「あのさー、あんた達、異世界からの 御一行様だろ?ゆっくりとこの 安住の地『ヴァルキ』で休んで行ってくれや!!」 青年は、3人に向かい頭を下げると その場から姿を消した... 「...さぁ、行きましょう...この街の統治者 『メルド』様が待つ、占いの館へ...。」 レィニイは、静かに街の奥へと 向かい足を踏み出した...それに次いで 2人も先へと進んだ。 「むーーーーーっ!!! やっぱり、同じーーーーーっ!!!」 何度占って同じ結果しか出ないので 気が滅入りそうになっていた 占い師の格好をした青年だった....が、 『パサァッ...!!!』 「お久しぶりです、メルド様。」 静かにレィニイがその姿を現すと 「あーーーーっ!!!変わったっ!!!」 占い結果が変わった事で歓喜して 思わず館中に響く位の大声で叫んだ!!! 『4月19日(水)』 第二六九話 『メルドの占い』(4.19.水) 「おっ!なんだなんだーっ?」 『レィニイ』に次いで中へと 入って来た『洋子』は、大きな声を 耳にしたので思わず身を乗り出す... 「...ジプシーの小屋?...みたいだ。 こう言うのって原宿とかに良くあるよねー。」 『竹丸』は、何で横の館で占いを しないのだろうか?っと、思ったが... まぁ、それよりも何事かと、中へ入って行く... 「相変わらずですね?イイ結果が お出になれらたのですか?『メルド』様?」 レィニイは、それに構わず話しを進める ...すると、青年...いやこの安住の地に 位置する永春の街『ヴァルキ』の統治者 メルドは漸く彼らの存在に気付き 「あーーーーーっ!!! レィニイじゃんっ!!!久しぶりーーーっ あーーーーーっお連れ付きじゃん!! ってか、館の方にきなよーーーーっ おもてなしするネッ!!!」 そう返事を返した... 「4月バカみたいな喋り方をする 男だな....ぼくは苦手だ....。」 それを聞き移動しながら洋子は呟く... それと同時に竹丸も 「僕もあぁ言うのは苦手かも...。」 同じような事を口走った...。 館の中は占いの水晶玉とか、青年の 趣味に合わせたグッツがところ狭しと 置かれ、不気味なハーモニィを 全体にかもち出していた... 「ん〜〜〜〜お茶です、どうぞ。」 メルドによって出されたのは 普通のお茶だったが、器に奇妙な 絵画が描かれており、それが飲む人の 気力を奪うような...もてなされているのか けなされて、嫌がらせを受けているのか 考えさせられる創りをしていた... 「...物凄い悪趣味ね。」 あっさりと毒を吐く洋子に思わず吹き出し 笑いが止まらなくなってしまった竹丸... 「ぷははははははっっっ!!!! ヨー!!!悪いよっ!!ぷはぁっ!?!」 「正直な方々でしょう?」 レィニイはお茶を口にしながら笑みをこぼし 彼に向かい呟く、するとメルドも 笑い、首を上下に振っていた... 「んーーーーっそこまで はっきし態度と口で言われると 嬉しくなるよーーーーー!! 正直おべっかにはもう飽き飽きして ところだもんねーーーっ!!!」 暫く、談笑が続いた所で彼は真剣な話しを 切り出そうとする.... 「...えっと、私はこの街の一応 統治者やってます、メルドです。 宜しくねーーーーーっ。」 「ぼくは洋子。」 「僕は竹丸だよー。」 お互いの紹介を済ませたメルドは 続いてこの街に起ころうとしている 異変を伝えようとする... 「...レィニイ...キミや、彼らが この街に訪れた事で街の死の未来は 消えた...数週間前から街人の誰を 見ても同じ結果しか出ていなかったんだ...。 それは、無惨にも一人の男に八つ裂きにされ 喰い殺される....そして、街は焼かれ 安住の地は地獄と化す....。」 「...“一人の男”...???」 レィニイは顔色を変えていた...それは、 彼の“能力”が必ず死の未来を映し出す 力を持っているから....。 「まっ待ってよっ!!!確かメルドの 『時滑り』【メイン・アウト】で 出た占いでレィニイは死ぬ筈だったのに 生きているじゃない!!!」 洋子は叫ぶ、彼の力をいまいち信用 出来ないから...それとも新たな闘いに 巻き込まれるのが恐いからかもしれない... 「...さっき私は“変わった”と言って 叫んでいただろーーーーっ? 死の未来は防ぐことが出来るんだ... ただし、防げなければ....私の見たモノは 現実となり襲い来る...。 レィニイの場合...キミと竹丸が その未来を打ち壊したんだ!!...要するに 運命は可変するってことだよーーーっ。」 すると、彼女に向かいメルドは、 そう言い放った... 「やるしかない...そう言う事だね?」 竹丸は横目で強ばる洋子の顔を 覗きながら静かに呟いた...。 「けっ...ったく...この姿になるのは 好きじゃ〜ねんだがよぉ....。 しかたねぇ...か、肥えた餌共...待ってな。」 ダウンジャケットを纏った男は 不意に降ろされた桟橋を渡り街へ 今、悠々と入って行った....。 『4月20日(木)』 第二七〇話 『衝突、5秒前』(4.20.木) 【こっから見てちょっ!!】 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |