『6月5日(月)』 第三一六話 『永い夜〜彼女の悲劇〜』(6.5.月) 「...嘘、でしょ????....。 『幹』...なんで???? なんでなの!?!あんたはあの時!!!!」 『雪ノ城 春化』のまさに目の前にて... 非情にも、親友であった幹は手にした 武具『帝劍坤』【ていけんこん】で 彼女の友、『周防 卓真』の胸部を 貫ぬき、一瞬して歪みへと沈めてしまった... それを見て力なく床へと崩れ落ちた ハルカは沈黙を守り続ける幹に向かい叫ぶ... 「......。」 が、それでも彼女は何も答えようとせず タクマが消え去った壁際から 武具を抜き取り、徐に後ろを振り返る... 外ではいつの間にか、彼の消失を悲しむ様に 霧雨が降り注ぎ、霧をより一層深めていた... ハルカは怒りと動揺で身を震わせ、 出る限りの声で張り上げ、黙ったままの 親友に向かい精一杯叫ぶ....が、 「...なんとか言いなさいよ!!!! みきっっ!!!何とか言ってよっッ!!!!」 幹は依然として何も口にはせずに、 天井から洩れて滴る水を顔に受け、 静かにそれを拭った...そして、次の瞬間!! 「...げて...逃げて...逃げて....。」 「えっっ??!!??」 『ドシュッッッ!!!』 「これが、俺のシナリオ...Storyだ。」 無防備なハルカの背後から突然!! 『井原 知也』と対時していた筈の 『レビン・ネス』が姿を現しーーーー 「はるかぁっっっっっ!!!!!」 『どさっっ!!!!』 致命傷に至る背中を手にした真っ赤な ナイフで刺した...春化は何が何だか解らず 困惑しながら、その場にゆっくりと倒れた....。 「...おぉおおおおおっっっ!!!! 『レイヴ・ソルト』ぉおぉぉおおっっ!! 光を集束させろっっっ!!!!」 『どぎゃぎゃぎゃぎゃっっっ!!!!』 床へと倒れ込むハルカの姿を見た 瞬時にキれたトモは右手にはめた 武器の“力”を限界まで引き上げ 只、拳による打撃をレビンへと放つ!!!...が、 「....くくっ、“限界原形質分離”って You Known ?....つまり...。 張り詰めた糸は、それに亀裂が生じれば ....弾け飛ぶ...まぁ、大雑把な話しーーー お前の光では俺の『B・S』 【ブラッディ・ソール】を打ち砕くことは 不可能だ、この前は奇跡的だったんけどな?」 その攻撃はまた鎧型の『幻魔』に よって再び防がれてしまう!!! 「....どうかな?」 だが、次の一瞬!!! 受け止めている鎧に光の亀裂が走り 衝撃波がレビンの頬を切り裂く!!! 『パキュシュッッッン!!!』 「なっ!?!Why!?!これは!?!」 焦り、一歩後ろへと身を引いた レビンに向かいトモはーーー 「おめぇの鎧も進化しているようだが...。 同じようにオレも進化してるんだよ...。 古術連武式...弐ノ型『活殺破邪法』 【デモンズ・キラー】...邪悪な意志のみを 貫く必殺技だ!!ハルカから離れやがれ!!」 言い放ち、一気に間合いを詰める!! 『コロンビア・ホールド』に夜が 訪れた...宿屋で待つ2人は 突然の雨に対処しながら2人の帰りを 待っていた....だが、そんな彼らの前に 『こんこんっっ!!!』 「誰や?」 「...ハルカ達か?...。」 今、彼女の命運を握る何者かが... その姿を現す...。 『6月6日(火)』 第三一七話 『永い夜〜零夜〜』(6.6.火) 「....誰か...。」 『どさっ....。』 扉に向かい倒れ込んだ人物のただならぬ様子に 勢い良くドアを開け放った『智明』は 直ぐにその傷ついた身体を見てベットへと運ぶ 「...せやけど...びしょ濡れやで? こいつ...なんや、ケガもしてるしな〜...。」 「...智明、ちょっとどいてくれ...。 あたしが怪我を直すから...。」 『ぱひゅおおぉぉっっ...。』 『京香』は自身の“能力”を 使い、その男性の傷をアッという間に 直し、後は目が覚めるのを待った... 「...どう言う事やろな?....。 これはどう見ても何か...『幻魔』とかに 襲われた傷なんやないんか?」 不意に手当を終えたキョウへ智明は 宿屋にあった食べ物を食べながら話しかけた 「...そうだな...だが、本当に.... やつらの邪悪な気配はしない...が、ただ それよりももっと強大なモノをあたし達は 感じているんじゃないか...???」 「それがさっきから感じている... 悪寒や?...キョウは言うんか???」 「...多分な...。」 すると、キョウは返事を返しながら 出て行った2人の事を思い出し.... 胸にわだかまりの解けない何かを感じる...。 「...ぅ...っ....。」 少しの呻き声と共に青年は少しづつ 静かに瞼を押し開ける... 「...やはり『春化』達が心配だ...。 あたしは見て来るから、智明はそこで そのヒトが目覚めるまでーーーー」 『ガバッッッ!!!』 「春化!?!....何処だハルカは!?!」 突然!!彼女の言葉に反応し、それを 遮るように飛び起きた その人物はかつて彼らと共にこの地帯を 解放する為に闘い抜いた仲間であり この街の統治者『ラフェーラ』だった!! 「ゎゎっっ!?どないしたんや!!! きぃついたんわ解るんやけど...なんで あんたが春化の事知ってんのや!?!」 予想外の出来事に驚きながら....も、 智明は彼に声を荒だてながら質問する... 「えっ....あっ...貴方達は....??? 私は....傷も????」 まだ完全に事情が飲み込めていない 彼にキョウは優しく声を掛け... 「あたしが貴方の傷を取り合えず直したん だけど...貴方は此処についていた 明かりを見付けて来たみたいね? まぁ、落ち着いて話しましょう...。」 飲物を手渡した...。 手渡された飲物を口にしながら ラフェーラは自分の事を話す... 「なるほどな、そぃじゃ...お前が 統治者でハルカと此処の地帯を解放した 言う奴なんか〜...ん〜そうわ見えへんけどな?」 「...確かにおっとりしていそうだしね...。」 「やろ!!」 「...それで彼女は今、何処に???」 一通りハルカからこの地帯の話しは 聞いていたので直ぐ彼と打ち解けた 2人は唐突にそう言われ困ってしまう... 「俺様達もそれがよぉ解らへんのや...。 あいつらがあんたら捜しに出て行って もう...夜になっても〜てるしな....。」 「...何故、捜しているんだ???...。」 だが、そんなラフェーラに...これから アノ後の出来事を聞くと2人は即座に行動を 起こす事となる...。 『6月7日(水)』 第三一八話 『永い夜〜Silent Night〜』(6.7.水) この異世界で数十日前に『春化』『卓真』と共に 現在解放された『濃霧地帯』を支配していた “幻魔人”『盲目の羊』【シープ・ゴート】を 打ち倒すことに成功した『ラフェーラ』は 今、傷つき雨水に濡れたみすぼらしい姿で 『京香』『智明』の前に現れた.... 「ハルカが消えた???」 「どう言う事だ!?!....ッちっっい!!! タクマ!!やべぇぞ!!城が崩れる!!! 脱出すんぜ!!!!」 『ズガガガガッッッ!!!』 「くくっ...これであのハルカちゃんも 終まいやな?...あぁ〜残念やったなぁ〜 『幹』ちゃんの奴、彼女を助けてやれんでな?」 手にした暗く輝く槍を徐に振り回し 城へ向かい『貴弘』が一線した …その瞬間!!!… シープ・ゴートの牙城は全体に亀裂が 走り轟音の中ーーーー 「...完全に...私が浸食される...ま...ぇ にぃ!!....『S・W』 【サークル・ワーキュリー】イイイッッ!!! (お願い!!!ハルカ...生きて!!!!)」 砕け散って行く!!!! 『ズキャァァッッッッッン!!!』 霧が辺りに舞い散った砂ぼこり等を 吸い取った為に、直ぐに煙は鎮まった... 「....どうにか生きてるみたいだな...。 おぃ!!らふぇーら〜!!!無事か!?!」 「...ふぅ...これでこの地も暫くは 安泰ですね...私なら生きていますよ〜。」 街への被害も殆ど出ずにこうして 城は脆くも崩れ去った....。 「『禁光線』様々だったな....。 っと、それよりハルカは!?!」 「....あの一瞬...誰かの“能力”が 発動したんでしょう....恐らくわ...。 あの門から彼女を移動させた能力者の 仕業....ここ以外の地帯に...もしかしたら 彼女は飛ばされてしまったのかもしれません...。」 深いため息の後にラフェーラは彼に向かい 呟き、立ち上がると 「どうしたんだ?ラフェーラ???」 「...彼女が戻った時に、私達が コレでは悲しむでしょうから...。 一旦、『コロンビア・ホールド』へ...。 戻りましょう...きっと戻って来ますよ... あの彼女なら....!!」 さっさと歩きだし、あの港へと 足を進めた.... 「あぁ...信じてるぜ....。 俺も...ハルカ...お前を!!!」 瓦礫の山と化した城の前に幹が姿を お付きの羽の生えた『幻魔』と現す 「...あはは〜ミキちゃん復かぁぁぁ活ぅぅ!! ....くふふっ、まだ頭がくらくら すっけどさ...あの女、ハルカをこの手で ブチ殺すまでは死ねないさ...くくっ...。」 完全にあの時の彼女とは様子が変わっていた...。 「それから私達は私が統治する街へ 向かって船を出し...この地へと 戻って来たのですが...ここで私達が 予期していない出来事が既に街で 起こっていたのです....。」 「...この世界と現実世界の大陸が 一緒なのは薄々気付いていたが....。 そうなった場合...還元される支配者も その地を支配....くっ!!!! (あたし達のしている事は一体!?! これじゃあ自分達の首を締めている だけにしかやはり過ぎない...!!!)」 「悩むなや、キョウ...。 それでも俺様達は進むしかないんや!! そぃでどうなったんや....続きを 話して貰えるか?」 改めてこの世界の矛盾した法則に 危惧するキョウの肩にポッンっと 手を置き、勇気付けながら智明は ラフェーラに向かいそう言って 話しを続けさせた...その頃ーーーー 「でもさ、...次はキミの番かなぁ〜? らりほぉ〜〜〜〜〜!!!!」 古ぼけた教会では...因縁の死闘が 開始されようとしていた!!! 『6月8日(木)』 第三一九話 『永い夜〜そして、時は動き出す〜』(6.8.木) 【にゃにが起きたのか!?!】 まだまだ続くのですぞッ!! 『ノリがもう、めちゃめちゃで〜ッ!!』 先を見るんッスねぇ〜!! |