〓1999年7月22日 夏の日差しが眩しい筈だった、この頃 数週間前より発生していた 大規模な雷雲による被害で、太陽は 暗雲へと閉ざされ、世界各地で ソレが元となって起きている 災害に見舞われてしまう...が、この現象は とある日付けを持って解消される事となった。 その代償には数百万とも思える 人間達や動物達の損失があったのだが... たった1日で全ては終わりを告げた。 それは消えた者らへにとっては 全ての始まりであったのだが... この時、まだ誰1人として 人でそれを知る者は地表へと残って居なかった。 雷雲が雷を呼び、未曾有の大災害を引き起こす それを乗じる様にして、激しい雷で 射抜かれた多数のモノ達は 地球から異世界へと強制的な移行を受けた。 これは、その中で否応無しに戦いへと身を投じ 旅を続けて行った幾人かの人間達の 軌跡を記した物語である。〓 |
『3月1日(月)』 幻の続騰的な加数 第一三一六話 『Get Lost A Way』(3.1.月) 一同が異世界へと訪れてから 一体どれ程の月日が経ったのだろうか? 「見えて来たねぇ〜...。 アレがあの人達が待っているって言ってた場所だネッ!」 だが、この長い冒険も定められた 「あぁ!もう少しだってばよ!!」 終着点にて終わりを迎えんとしていた.... {....僕の悪意を....どうか... 目覚めさせないで....早く....僕を... 僕を殺しに....!!!} 漸く、自分達と対極へと位置する者共 『異界の闇覇者』と対等で渡り合うまでの“力”を 各地の闘いを積むことで手にした8人は 最終地、太陽の光が遮られし夜の世界たる 『絶陽地帯』へ足を踏み入れ 彼の者らの待ちし根城、『万絶の城』【オールメア・ホープレス】を 眼前とし入り口にて、この足を止めた....。 『グギギギギギィイイィィッッッ!!!!!!』 人の喚き叫んだ様な顔の彫刻が飾られた 城門が、彼らの訪れと共に自動で開かれ [ひょほほほ.....。 皆様、お待ちしておりましたぞぇ....。 我が主人共がお待ちです...こちらへ...ささ...。] 唐突にカンテラを持つラクダ型の 『幻魔』が姿を現し一同を 中のエントランスへと導く [我が名は『絶大なる双コブラクダ』【マスター・キャメルン】 見たままの幻魔で御座います...。 この城の...城主共の執事を仰せ遣っております故... これより方々の言(こと)づてを伝えたき所存で御座いますが? 宜しいでしょうかのぉ....ほほぉ...。] 続けて自らの自己紹介を始め、執事は承諾を確かめると 「…愚問だな...ここまで来て引き返す者がいるとでも?…。」 また継続し、あるゲームの説明を開始した...。 [ほほぉ...それは随分と威勢の良い事で? 嬉しい限りですよ...ほほ....では、この城で待つ 城主共より...言づて致しましょう....。] ゲームの内容とは、単純な物であった これより案内されるであろう 『七罪都』【セブン’ス・ミレニオン】と 呼ばれる、城内の各エリアにいる自分達と戦い 勝ち残る!!っと言う... 「ぎゃはははははっっっ! 上等やないか!!のぉ!?!!」 「あぁ...ようは勝ち抜きバトルだろ? 話しが早い...こっちは1人余っちまうが... そっちに余せてフェアーでやってやるよ?」 すると強気な発言を行う2人をニヤリと見つめ 説明を終える終えないか、のタイミングで [えぇ、それはこちらも考えがありますのでのぉ...。 さぁ、案内致しますぞ? 皆様の墓場へと........。] 執事はそう言い放ち手元の垂れた綱を引き 背後の巨大な幕を一気に引き上げる!! 「ふ〜ん、貴方の墓場だと思うけどねっ? 私が相手になってあげたいわ...。 気が立っているのよ、私!今!!」 異空間のごとき銀河を模した 空間が出現し執事は一同へと頭を下げて 先に向かう様、手を胸へ置き指示した 「まぁまぁ、あんたには...取り戻す!って 大事な目的があるでしょ? そう言うのは...ぼくに任せときな!!」 だがしかし、最後の1人がその空間へと 足を踏み出さんとしたーーーー …その時!!!!… [ほほっ.....定員オーバーですじゃて...。 そちらの方には残って 別の場所でお亡くなりになって頂きましょうかのぉ?] 「なっニィ!?!うっぅぉおおおっっっっ?!!!」 『どしゅぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!』 突然!!白衣の者の胸を前から 無造作に突き飛ばし、幻魔の声に併せ上がって来た 階段が全て閉じ、滑り台の様な形態となって 元いた場所へと戻されるだけなく [万が一にも逃げる等と言う選択肢は ないとは思いますがのぉ....念には念を...ですじゃて...。] その場へ深い穴が開き、彼を飲み込んでしまう これを合図とし、城の出入口は全て塞がれ 一同『選ばれし者達』は、これで 逃げ場を完全に失った、そして7人の 最後の戦いはこうして幕を開けたのだった...。 『3月2日(火)』 第一三一七話 『七罪の城』(3.2.火) 「あっ...アレ.....?!! どっ!どうして.....手ぇ繋いでいた筈なのに...!!」 唐突に最後尾を歩いていた彼が いなくなった事で動揺する 背も低く丸っこい少年は思わず、そう声を上げた [あの方は城主共に選ばれておりませぬのでね...。 別の下層へと堕ちて頂ききました故.... ほほほっ....生き残れば会えますよ、きっとね。] すると、どこからともなく 現れた執事たる『幻魔』が彼へ声を掛け 7人をネジ曲がった空間の先へと案内し始めた 「…行こう... 今は彼を信じるしかない!…。」 学生服姿の少女に促(うなが)され 少年も渋々、歩を進める... [足元に気をつけて下さいませねぇ....。 ひょひょひょ....。] やがて歩き進めているうち 『幻魔』は、この巨大な城 『万絶の城』【オールメア・ホープレス】について ゆっくりと語り出す... 「貴方がいなくなってから... 何度、明けぬ朝日を迎えただろうか...。 私は.....この時を待ち望んでいた.... “御真の儀”でキミを取り戻してみせる 全てを無へと還えしても...!!」 {...どうか....どうか.... 願わくば...僕の心が張り裂けてしまわうウチに ...僕を....殺して............ ....殺しに来て...下さい....。} [此処はオールメア・ホープレスの内部城主らが その“力”を結集し、暴れても良い様にと 虚数空間で創られた『運命の回廊』【フォーチューン・クロォイスター】っと 言う名の回廊ですじゃて.....。] 銀河を思わせる作りである その空間回廊を説明し、カンテラを揺らす 幻魔は、黄緑色の扉の前で足を止めた 「何だ....そうやって遠回りさせて.... 作戦でも練ろうって気かい?」 [そうでは御座いませんよ、ほほ、ささどうぞ...。] 『キキキキキキッッッッギィ〜〜〜〜ッ!!!』 そして、グローブ型の武器を少年が放った 挑発的な言葉をもろともせず 「やぁ、お待ちしていたよ? フフッ随分、遅かったじゃない.....。 まずは、この『絶陽地帯』まで 来れた事を称えてあげないとね!!」 その扉を開け放ち、中で一同を待っていた と、ある人物が彼らへと労いの声を掛けた...。 扉の先では、とある学園風景が広がり その中心に彼は居た 「あっ...きっ...キミは...!!」 「久しいね、今日は最後まで お相手させてもらうからネッ? ...さて、通して良いよ。」 眼鏡を掛け、今声を上げた少年と 同じ位の背格好で太った彼は また同じく学生服姿で幻魔へと指示を出した [御意ですじゃて... さぁさぁ、他の皆様には先へと進んで 頂きますじぁてぇ...のぉ...ひょひょひょ!!] 彼と向き合うは頷き、一同へ手を振る 「絶対勝てよーーーッ!!!」 「先で待ってるからねーーーー!」 そして、労いの言葉を受けながら懐より 白金に輝く鞭を取り出し 「待ってて....こんな所で... ボクは今、足止め喰らってる暇なんか ーーーーッッないんッだから!!」 執事が扉を締めると同時で それを構えた!!! こうして同様にし、一同は 各々の宿敵が待つ虚数空間へと 訪れては1人、また1人と その数を減らして行った.... 「そうか、ぼくが最後の1人なのか... ふふっ面白いじゃないか? ....それで、相手はどいつよ?」 「私だ、不満かな?」 「...!...いや、上等!! そっか、ぼくがこの分なら一番乗りだな。」 最後の部屋で待ち受けていたのは 各所で相対した、黒ずくめの人物であった 「言ってくれる.......。 だがしかし、お嬢さん...? この6人の中で君は一番の不幸を背負ってしまった 何故なら相手が、この私だからな...来なさい。」 少女の口ぶりを一蹴すると アンク(鍵の形をした錫杖の意。)を振り上げ 自らも攻撃を誘発するかのごとく挑発する...。 先を見るんッスねぇ〜!! |