一度壊れた日常は、もう戻らない.....が


Killing Heilldom

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〓何があっても生き残る....。
外で待っているモノが
絶望でしかなくても。〓




キリング・ヘィルダム
(2004/1/25/Sunday)




ソレが軽く、頭を撫でただけで彼の身体からは
「にっ.....逃げ...逃げてえぇえええっっ!!!」
血飛沫が散布され
「え?.....うがっ!?!!」
旨く上体を逸らし難は逃れたものの
衝撃で背部を強く打ちながら
地べたへと倒れた
....肉っっ!!肉ぅうっっ!!!!
もはや成す術、無く
「糞ッ.....左目の目ん玉が赤けぇのか?!
赤く...全部が赤く見えやがる...!!!!」
這い寄るソレから逃げる事すら
守ろうとした者は出来ず、歯牙へ
掛けられんとする....が、しかし
……その時!!!……
どしゅっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!
..あぎぃっ?
「ヴぁーろぉ...オレの当て槍は
ひゃっぱつ百中....おぃ、嘘だろ...!!」
裂けた口が彼を覆い尽くす、その前に
転がりながらも放った、尭示の鉄パイプが
ソレを貫く、だが....。

「くっ...くぅ...クラちゃ....ん...逃げてぇえ!!」
奴へ、突き刺さった箇所は
強靭で柔軟な、かつて髪の毛であった触手で
あった為、それ程の傷ともならず
逆にそれをいともたやすく、引き抜かれ
ヘシ曲げられ唯一の入手していた
武器をも失ってしまう!!
「ばっ...馬鹿野郎!!
早く、こっちに来いっっ!」
しかも、ソレは勇一の肉を食した事で
身体を変化させようとしていた...
「何だ...急に苦しみだして....
何だかしらねぇが...やべぇ...ここに居る事を
全身全霊で身体が拒否していやがる...。」
貧弱な体をしていた人物の容姿が
明らかに変化し、今まであった肉体を
大きく上回る、筋骨隆隆たる巨体と
成って行かんとしていたのだ
「傷...僕のせいで...ごめん...。」
「謝るなよ...その手のが、もっと酷いだろ...。
それに外、見たかよ.........。
外出ればどうにかなるって言う、オレの考えが
甘かったな...ふは...はは...ざまぁない...。
普通に考えれば解る事だよな...この学校から逃げても
世界からは逃げられないんだよな....。」

「けど...けどよぉ..........
それでも...死にたかぁ...ないもんなぁぁっっ!!」
広がる青空を朱色が覆い
まるで、それは夕闇の世界と
彼らの瞳には見えた
....げルな....逃げ...るな....
人間...喰...ぅ.......我ら....賢く...なれる
...............だから.....逃げ...るなぁあ!!

完全な化け物となった者の
唸り声は、地盤すら揺らしかねない程の
影響があると、この景色を
呆然と眺める、彼らへ知らしめる
「もう...これ以上...逃げ場...ないよ...。」
しかも、大振りな動作ながら確実に
ゆっくりと2人を追い込んで行く...
「...........何処までだって.....
逃げられるさ...勇一とオレなら....。」
幸いな事は、屋上が改装工事であった為
鉄パイプと言う武器には恵まれた事だった
それに気付いた途端、尭示は
勇一の手を取りながらゆっくり、ゆっくりと
足場が組まれた場所まで下がって行く...。

「...勇一!先行け!!!早く!!」
「えっ?!!...クラちゃ....うぅ...解った!
早く来てね!!」
かつん!かつん!かつん!かつん!
唐突に尭示は勇一を急かし
組み立てられた梯子へ登るよう叫ぶ、すると
「悪い、それは頼みであっても聞けない。」
彼が登り切った所を見て、尭示は
少し....この身体は..重い...。
側に転がっていた足場用の鉄パイプを
再び拾い上げソレへと向かい、投げ放つと
勇一が居る場所を遠ざけ、別の足場から
上へと駆け登る!!

「駄目か....当たっても...
致命傷にもなんねぇ....。」
自分に狙いを定める様
攻撃を仕掛けた彼へと何かを
叫ぶ勇一に強がりで手を振り
攻撃の機会を待つ
....。
小柄な頃と違い、速さは
鈍くなったとは言うものの、人間が
対処出来る動きではない
「....げて...どうして...逃げて!!!」
突然!突風が吹き、組まれ掛けの
鉄パイプを乱暴に外さんとしていた
尭示の身体が大きく揺さぶられた...---ーーーー
………その直後!!!!!!………
....いただキまぁーーーー...っすぅ...。
巨体を諸共せず、驚異の脚力で
飛び上がった化け物が
頭から腹部に掛けて大きく裂け広がった
醜悪な口を開け、彼へと襲いかかる!!!!!

「わざわざ....どうしてもうワンランク高い場所に
登ったか?....なーんて、質問を
てめぇにブツけても...解んねぇーんだろうな...。
勇一、オレはお前を助ける為でもあったけど
....オレが生きる為でも、あったんだぜ?」
巨大な塊が不安定な足場へ
降り立った影響で、場は脆くも
崩れ去らんとしていた、だが奴が
自らへ襲いかからんとしたーーーー
……その瞬間!!!……
メシャァッ!?!!
「く....クラちゃん...何で?!!!」
尭示は、自分から地上へと身を投げたのだ!
バヒュゥウウウウウゥゥッッッウゥゥウッ!!!!
「そして........。
おぃ!化け物....これでテメェの
薄ッ気味わりぃ顔面に、コレをブッ刺せるなぁあッ!!!!」
追うようにして地面へと真逆さまで
落ちる巨体はわざわざ彼を落下の衝撃から
守る形で地に背を向けた、そこへ
ドブシャァァァァッァッッッッッ!!!!!!
重力と、この下降中の勢いの付いた鉄パイプが
顔面へと解き放たれ、逃げ場を無くし直撃!
しかも間髪入れず、地上8階程の高所より
コンクリートの地盤へ、その巨大な
身体を全身汲まなく叩きつけられると、瞬時
おごっファッぐふぁ!?!!!!!
ヴぁじゅぱぁぁぁっっっっん!!!!!!!
体内内部破裂を引き起こす!!!!!!!!!

一陣の風が止んだ...勇一は
瓦礫の中なか這い出て、ホコリを
指で眼球から擦り落とし、唯一無二の
親友が落下した場所を見下ろす....
「...うっ...うううっ...うあぁわあ!!!!」
涙が自然と溢れた、そこには
さっきまで存在していた化け物が
落下したと思われる跡があるだけだった
「おーぃ!」
メソメソと泣き喚く彼の耳の中へ
風に乗って声が聴こえた、聞き覚えのある声だ
「なぁーおーぃって!!」
鼻水をぐすぐす、っとススリながら
勇一は、もう一度だけ声の聴こえた
地上をフェンス越しに覗いた、するとそこにはーーー
「クラちゃん!!!!!!」
校舎を、球技を行った時等に起こる
器物破損から守る為の緑色をしたネットへと
捕まり、手を振る彼の姿があった...。

「いやぁ、まいったよ....。
グランド側しかコレ張ってねーしな...
あ?...お前、泣いてんの???」
腰を抜かして声も出せずにいた
勇一へと、ネットを伝って下へ降りる事を指示した
尭示はその後、震えながらも
地上に降りんとフェンスを越えた彼を
詰(なじ)るかのごとく、そう声を掛けた
「やっ、やっぱり恐い...。」
「平気だって!...下を見なきゃ、行けんだろ!!」
漸く、勇一が場へ降り立った頃には
あの周囲で巻き起こっていた
叫び声も喚き声も含め、人の声はすっかり
無くなり、校舎は内部外部共に静まり返っていた
「しっかし、あの化け物...体液出して
絶命したかと思ったら....いっきなし消えたんだぜ?
いやぁ、にしても一か八かだったなぁ....!
しかも必死でネットに手ェかけたもんだから
左手も肩も痛い痛い...って、ん?どうした???」
「どうした?じゃないよ!
それより...僕はクラちゃんが死んだかと....
...---ーーーー馬鹿あぁっ!!!...僕を残してなんて...
絶っ対ぃ....死なないでよ....!!」
「おっ、おぃ!....そっか悪かったよ...ほら、泣くな....。
それよか......なぁ、勇一。
さっき、オレが言った事...覚えてっか?」
「え?どうしたの?クラちゃん....。」

それは、改まって尭示が勇一へ何かを
喋り掛けんとした、直後だった
その人物が彼らの前へと姿を現したのは...
「『倉敷 尭示』【くらしき たかじ】
明日乃 勇一』【あすの ゆういち】
...だったわね......。」
眼鏡を鈍く光らせながら
長い髪を後ろへ束ねた少女はゆっくりと
2人の名前を呟き、声を掛けた
「ひっひぃ!?はぃいっっ!!!
そうデスけど...キミは...あっ!!!!」
「....『餐場 要』【あいば かなめ】」
どうやら彼らの組み違いの、同級生だった様だ
「貴方達だけか......。
アレから逃れられたのは、ワタシを含めて...。」
タメ息混じりで彼女は言い捨てる
「そうか.....で、見た所アンタは
どうやら独りみたいだな?」
「Sクラスは...他、もう皆殺られえちゃったの?!」
「えぇ.....残念だけど、ね...。
いぇ、むしろ最善の方法すら学級一の
進学クラスでも取れなかったなんて...ガッカリだわ。」

彼女も彼らと途中経過は異なえど
用途は同じく、窓から
ネットを伝い、この校庭へと脱出した様だ...
「.....外の事、知ってんだろ?」
徐に尭示が重い口を開いた
「えぇ、だから....ワタシは此処にいた。」
頷く要、そして
「そう言う事なんだ...ね....けど、僕は
...僕も....行く...クラちゃんと一緒に...!」
そこで勇一も理解した、けしてこの脱出劇で
悪夢が終わりを告げたわけでは無い事を
「あぁ....これが始まりだ....何があっても
生き残るんだ....オレ達は...っっ!!
....そこに、もう...帰る場所なんか無くても...。」
これが生存を賭けたサバイバルの始まりなのだ、っと...。

今、オレ達は幾多の想いを胸に
「もう引き返せないわ...良いわね...?」
吹き荒む強い向かい風を受けながら
「...うん...。」
外壁のフェンスを乗り越え
かつて、整地されていた筈の
その歩道へと足を踏み出し、学園を後にした
「.....行こう!!」
何があっても生き残る...
外で待っているものが
絶望でしかなくても。

〜It to be a next stories,to your given's ?〜



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それとも…‥
再び、悪夢へと身を投じる?

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