とろっトロで行こう!! |
第76話 悠久の時 其の14 親愛 『悠助』の“ペルソナ” 『ハゲネ』が放つ 凄まじい攻撃をまともに 受けた『園村』だったが... その身体から突然、彼女に手をすべるべく 現れたペルソナ... 時の女神『ヴェルザンディ』の 聖なる力により無傷で済む!! 「!?...馬鹿な、俺の攻撃を 無効にしただと!?...。」 「…私の中のもう一人のワタシ お願い、力を貸して... 『リカーム』&『 更にそれに臆し、あとずさる 悠助をよそに園村は、全てをズタボロに されてしまった“トロ”に手を かざし...復活魔法と最大回復魔法を 同時に放つ....すると輝く 優しい光がその身体を包み込み 「....ボクは....あっ!?園村さん!?」 次の瞬間、制服まで直しながらトロを 完全に蘇らせた!!! 「横内!!良かった....園村も...。」 未だ身動きの取れないでいる 『藤堂 尚也』だったが、それを 見て少しホッと落ち着き冷静に集中して 『秘孔突き』から逃れようと 必死に身体を動かそうとする... 「...ふっ...面白い....まさか こんな思わぬ展開になろうとは... 俺まで...ふふっ...イイだろう...。 そのデブがまた死ぬのを見るだけだ... 今度は、お前を先にする!!!」 「...あなたなんかに...負ける 私じゃないわ...自分を偽っている あなたなんかに!!!」 「...まず、その口を塞いでやる!!」 思惑どおりに事が進まず少しだけ 焦った悠助だったが、3つ又の矛を再度 構えると...次の標的を園村に定め 物凄い気迫をまといながらハゲネとの 同時攻撃を仕掛ける!!! 「...園村さん...大丈夫なの!?」 「ふふっ!任せなさい!!... トロ君、キミはそこで寝てなさぃ!! みんなのアイドル、マキちゃんの 見せ場って奴よ!!!」 何がなんだか解らず 困惑しつつも、自身の身を安じて くれるトロを置いて、その場から ゆっくりと立ち上がり 向かって来る悠助と対時するマキは、 「やれ!!!『灼熱沙牙』ぁ!!」 『ドシュアァァッッッ!!!』 ヴェルザンディと共に目の前に両手を かざし『光の裁き』を放った!! 第77話 悠久の時 其の15 いつかの晴れた空の下で… …数ヶ月前… 「....これで終まいだ... 無駄な事もなくなる....。」 ナイフを片手にする『悠助』は、それを 静かに自分の首に押し付ける... そして、何もためらずに引き 全てを終わらせようとしていた、その時 [人間?!人間!!!!] [うひゃひゃひゃ〜〜〜なんだ!? こいつぅ死ぬ気らしいぜぃ!!] [貧弱な人間らしいぃぃぃ!!] 突如起きた変異により悪魔がその場に 出現し、彼を取り囲みあざける... 「...幻覚なのか?....いや... そうでは、ないんだろうな...首に 痛みを感じているし...人々の悲鳴も 響く...。」 だが、それにまったく動じない悠助は、 首筋から垂れる自分の血液を見て どうでもイイと言った顔する...すると [げげっ!!ガキ!!死ぬなら] [喰う喰う喰う!!!] [そうだヨコセよぉ〜〜〜その命ぃぃぃ!!] それを見て、取り囲む悪魔達は 一斉に悠助を取って喰をうと襲いかかる!! …しかし、その瞬間!!… 「....“ペルソナ”ーーーーっ!!」 『ズバシュォォォッッッ!!!』 悪魔達の身体は、無惨にも散り果て 消滅する!!! 「ケガ...ないか?」 悪魔達が一瞬にして瞬断されて消滅してゆく その光景をまざまざと目の前で 見せつけられた悠助は、流石に 驚き、手にしていたナイフを手から 離し、地面に落としていた...そして 「...あっ...あぁ....。」 突如、その消滅した悪魔達に替わって 現れた同じエルミンの制服を着る少年に 声を掛けられ戸惑う...が 「首...血が出てるけど?」 「これは!!...その、何でもない...。」 首の傷から流れる出血のことを 聞かれ黙ってしまう...だがそんな 悠助に構わず話し掛け続ける少年は、 「俺は『歩無』ここにいても なんだし、街に行かないか?」 「...。」 「そういえば、名前は?」 「...悠助...。」 「良い名前だね、そうと決まれば!! 悠助!街に一緒に行こう!!」 名乗り強引に彼の手を引くと街に 向かって走った....。 「うぉぉぉおおっっっっ!!!!」 「私に眠る力をーーーー 私を助けて!!!ペルソナーーー!!!」 『園村』に向かい突っ込んで来る 悠助とそのペルソナ『ハゲネ』は、 一瞬にして『ヴェルザンディ』と園村の 両手から放たれた『光の裁き』が生み出す 神々しい光に、その身を包み込まれる!! そして、その輝きに包まれ 身動きが不能になった悠助の 身体に天のイカズチが注がれた!! 「ウァァッァァッッッ!!!!? バカなぁーーー!!! 俺が...この....そんな...あゆむ......。」 絶叫する悠助は、更に衝撃で壁に めり込み...そのまま気絶する...。 第78話 悠久の時 其の16 悠久の時&エピローグ 「.........。」 完全に立ったまま気絶してしまった 『悠助』は、ピクリともせず その場で血を流し木の壁に身体を めり込ませていた.... 「...!!やった動ける!! 大丈夫か!?二人とも!!!」 悠助の技が解け、身体が自由になった 『尚也』は、二人の下へ駆け寄り 声を掛ける...すると、 「あはははっ!!ばっちし!! マキちゃんにお任せって感じ だったでしょ?ふふっそれより 尚也君こそ大丈夫?」 笑顔で『マキ』は、返事を返し その後に、ゆっくりとその場から 立ち上がった“トロ”も慌てて 「あはっ、....ボク、あんまり良く 刺されてからのこととか 覚えてないんだけど...とにかく もう大丈夫だよ〜...藤堂君も園村さんも 無事で良かった〜〜〜〜。」 尚也にそう返事を返していた....。 『ヴゥンッッッ!!!』 「!?...扉???」 この間の主である悠助が倒され 『歩無』に繋がる道に進む為の 最後の赤い扉が、室内に突然出現した!! 「...もしかして〜ゴ〜ルって ことかしら?」 「あっ...きっとそうだよ!! あの人を倒したから先に進めるんじゃ ないかなぁ〜!?」 不意に尚也がそれに近付いて ゆく...そして、その後をトロとマキが 追おうとするが...彼女だけ、血を流す 悠助を放って置けず側に走り寄り 目の前まで来ると“ペルソナ”で 回復魔法を放とうとする...が 「...止めろ...敵に情けを掛けて 貰うなど....俺のプライドに傷が 付いてしまう...。 それに俺はこのまま消える... 邪魔をするな!!!」 「!?...貴方もう意識を...。」 突如、目を開け意識を戻した悠助に マキは、そう言われためらう... 「園村!!そんな奴どうでも イイだろ?さっさと先に進もう!!」 更に後ろからは、尚也が急かす...だが 「...ペルソナッ!!!」 『パヒュッッッッン!!!』 それらを無視してマキは、悠助に 回復魔法を放った....。 「余計な事を!!」 だが、放たれた回復魔法では、完全に 悠助の全ての傷を回復しきれなかった...SPを 消費しすぎてマキの魔力が 低下してしまったのだ... 「...ふふっ...貴方は誰かの為に 闘っているって認めたくないのね...。 でも、いつかそれが受け止められる時が きっと来るから...それまで死ぬ なんて言わないで...生きて... 誰かの為って...凄くカッコイイんだから!!」 「.....。」 息を切らせながらも、マキは 悠助にそう囁くように言うと.... それを見て呆れる尚也と二人の心配を してまた汗をかいて勝手に 困って、オロオロしているトロの下へ 走って行った!! 「....カッコイイ....か...。 ふっ...時間だな....。」 3人は、赤い扉を潜り抜けその部屋から 姿を消した...そして、一人部屋に 残された悠助の下へいま、空間を斬り裂き 女性がその姿を現した....。 「...貴方が負けるとは....思わなかった...。」 彼女は、ゆっくりと悠助に 歩み寄るとその残った傷に触れる... 「...『凍花』...すまない... 期待に添えられなかったようだ... 歩無には、死んだと伝えてくれ...。」 静かに自分を見つめる凍花の耳元で 悠助は静かにそう呟くと...ペルソナ 『ハゲネ』の刀で自分に止めを 刺そうとする....だが、その瞬間 「...貴方のその志とか.... 凄く、好きよ....だから...死なないで 彼も...親友の死は求めていない...。」 凍花は、身を呈してそれを防ぎ... 唇を悠助に重ね...やがて、その場から その姿を消してしまった.... 「...誰かの為に...ならば.... 俺にもまだ....。」 そして、傷の痛みに耐えつつも 立ち上がった悠助は、床に落ちた 三つ又の矛を拾い上げると彼女と 同じようにそこから姿を消した....。 続く!! |
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