とろっトロで行こう!! |
第94話 Step up High the beat 其の17 Step up High the beat …浮遊する岩場でそれぞれの決戦を続ける 9人の戦いは、既に終わりを迎えていた… “ペルソナ”『アバドン』の使い手 『洋』は、全てのSPを 使い果たし、仰向けに寝転がり だらしなくよだれを口から垂れ流し ながら目を回して気絶している... 「やったな...『園村』 『城戸』!!!」 『尚也』に声を掛けられた 二人は、息を切らせながら返事を返す 「...はぁはぁ...尚也君って やっぱしタフだよね〜〜〜.... もうマキちゃんも...だめぇ〜〜〜。」 最後の『スクルド』の召喚で SPを全て消費してしまったマキは、 岩場に腰を掛けていた 「手前は...ちぃ...まぁ、いい...か。」 久しぶりに召喚した『ルシファー』の 姿を思い出しつつ、地べたに 座り込んだレイジは、あれだけの 闘いをこなし散々『ヴィシュヌ』を 召喚していたのにも関わらず 疲れを見せずにいる尚也を見て いたら、不思議と数ヶ月前の出来事が 目に浮かび、ため息混じりに笑った...。 『バシュァァァッァッッ!!!』 「なっ!?...何故...このワタクシが!?」 『サヤカ』のペルソナ獣の女王 『ヘカテー』による最大の攻撃は、 「...『アヤセ』的には〜〜〜 当然の結果って奴ぅ〜〜〜〜ねぇ〜 『黛』も、そう思うでしょ?」 アヤセのペルソナ『イルダーナ』から 繰り出された『マハラギダイン』に 打ち破られ、消滅する!!! 「...『4柱神』のこの...ワタクシが... 認めないわ...認めない認めないぃぃ!!!」 更に逆上して襲いかかるサヤカへ 『ドズォッッッン!!!』 「...まっ、そうかもね?... ...ふっ...あんたにしては、 良くやったよ、アヤセ!!」 唐突に放たれたユキノの蹴りが鳩尾に決まり その場に崩れ落ち、意識を失う!!! 「それにしても〜〜〜『ユマ』達... 大丈夫かなぁ〜〜〜?」 自分の役目を果たしたアヤセは、 少し前に城へと向かって行った 彼女達の心配をする... 「...トロは、どうだか知らないけど... きっとだいじょぶだよ...。 それにアタシらがこれから追い付けば 済む事だろ?」 そんなアヤセの横でユキノは、 簡単にそう呟く...が、この異次元を さ迷って浮遊する岩場から 自分達が脱出出来るかさえ保証も ないことの不安を拭えずにいた...。 「...ふっ...所詮コピーがオリジナルを 越える事など...皆無!!!」 『バギョォォッッ!!!』 「...なっにぃ!!!俺が.... 追い付いてゆけないだと!!?」 『南条』の補助魔法を受けて 素早さ等の全てを限界まで上昇させた 『稲葉』『桐島』『上杉』の 3人は、全てをコピーしてしまう 『御夏』とそのペルソナに向かい同時に ペルソナによる最強攻撃を炸裂させる!!! 「COME Here !!『ウォフ・マナフ』!!!」 「最後の俺様の1撃ぃぃ喰らい やがれーーー!!!よろしぅぅぅ!! 『パラスアテネ』!!!!」 「...いくぜ...これで終わりだぁ!!! ぺぺぺぺぺぺっっぺるそなぁ!!! きやがれぇぇ『シヴァ』ぁぁっっ!!!!」 『ドギャギャギャギャッッン!!!』 「貴様らは...手加減というものをーーー 知らんのか!!!?」 御夏の存在していた場所に大きな大穴が 開き、そこにはもう御夏の姿は 跡形もなかった...爆風のあおりを 受けた南条は叱咤しつつも顔についたススを 拭き去ると、全員の無事を 確認し、顔を赤らめながら笑みを浮かべた。 第95話 Step up High the beat 其の18 エピローグ 「っ...たくよぉ...お坊ちゃんなんか 助けようとするんじゃなかったぜ!!」 『南条』の態度に不服な『稲葉』は、 岩に刺さっていた斧を抜き去り 独り言の様にそう大きな声で呟いた... 「フンッ!!...サルめが、そんな 事だから貴様はあんな男にてこずるのだ。 (恥をしれ、ハジをッ!!)」 すると、当然...南条からの反撃に合い 言葉を失くす...そんな二人を見て 「フフフッ...KeiもMarkは、いつ見ても とても仲が良いですわね...。」 『桐島』は、静かに笑う 「エリーにはあれがそう見えるッスか!? ...む〜〜〜俺様ちょぃ嫉妬ーーーッス〜。 (な〜んてね。)」 槍を支えにして立っていた『上杉』は、 それを止めて、地面にあぐらをかいた 城の中で『鈴子』に破れた 『凍花』を含め、これで 全ての『4柱神』は、倒れた!! その場の決戦が全て終えたと確信した 仲間達は、岩場の中心部に集い これからの事を相談しようとする...が、 …その瞬間!!!… 『ドキャキャキャキャッッッ!!!』 突然の揺れが岩場を襲う!!!! 「なんだ...これは!?!」 「...!!?『尚也』君!!!アレ!!」 揺れの中で、叫ぶ『園村』が 指を差し示した、そこにはーーーー 「...俺をあの程度の攻撃で 倒せると思っていたのかよ?」 3人の持つ最強の“ペルソナ”が放った技で たった今、完全に粉砕した筈の 『雷乃 御夏』【らいの みなつ】の姿が!! 「ふざけんな!!てめぇ...さっきので くたばったんじゃ〜〜なかったのかよ!?」 吠えるマーク....だが、それを 無視して御夏は... 「くはははっっっ....ここで貴様らは 死ぬんだよぉ....“浄暗”までは、まだ 時間がある...。 くくっ俺のペルソナ...いや、俺に 喰われちまぇ!!!....呼でよ!!堕天使 『リュシュフェル』ッッ!!!!」 『ばぎゅおぉぉぉぉ!!!!』 [ヴォォォオオオォォォッッッ!!!!] そう言い放ち、おもむろに傷ついた 身体を糧にペルソナを召喚する!!! 「...『アヤセ』〜〜〜パス1〜 もうぺるちゃん出ないよぉ〜。」 そして、既にSPが底を付いている者が 多い中で、自ら暴走させたペルソナと 同化した御夏との最終決戦が始まる!!! 「もう一度...俺に...“力”を!!! ペルソナーーーッ『ヴィシュヌ』!!」 『ぱきゅぉぉぉぉおぉぉん!!!!』 暴走し、御夏の肉体を悪魔化した 狡猾で醜悪な堕天使リュシュフェルの 容赦ない攻撃が襲いかかる...だが、 「逃げて!!Naoya !!!」 尚也は、一人逃げずに闘いを挑む 「なっ!?...藤堂...。 ふっ...庶民がここまで しているのに...日本一...いや果ては 世界一となろうとしている男子が... ここで逃げては...すたる...な!!! 行け!!『インドラ』!!!!」 それに次、南条ーーーー 「けっ...奴の尻拭いは、俺も参加させて もらうぜ!!...いけぇぇえぇぇ 『シヴァ』ァァッッッッ!!!」 マークも迎撃にペルソナを発動する!!! 「...手前ぇら...を死なせるワケには... いかねぇ...GOぉぉぉ!! 『ルシファー』ッッッッ!!!!」 「アタシも...ヤキが回ったもんさ...。 行きな!!『カーリー』!!!」 次々と仲間達はーーー 「も〜ナオりんたら〜...しゃないなぁ!! もう逃げるワケにはいかんのよ!!! 俺様ぁ〜〜〜ふっかぁ〜つ!!! きやがれぇ!!『パラスアテネ』!!」 「ばっかみたい...今回だけ...アヤセ サービスだかんね、さーびす!! ぺるちゃ〜ん!!『イルダーナ』!!!」 「これで...Lastにしましょう...!! おいでなさい『ウォフ・マナフ』...!!!」 再び立ち上がり、尚也と共に リュシュフェルを迎え撃つ!! 「...マキちゃん...貴方にまた会えて 凄く嬉しかったよ...だから、今度は ...尚也君...キミの力になる!!! 私に眠るもう一人の私...力をーーー 貸して!!ペルソナ『スクルド』!!!」 『バギュォォォォォン!!!』 すると、放たれた力は一つに収束し 光の刃となってリュシュフェルの身体を 貫き、光の粒子に変えてしまった!!!! 第96話 その手に…未来を 其の1 迷い… 「...ようこそ...と、言うべきなのかな? ...ふっ...大事な客...とは...言えない... が、まぁイイ...ようこそ...我が城へ。」 扉を潜り抜けた先の玉座には、 『歩無』が静かに存在していた... 「...あっ...あの...。」 “トロ”は、何かいい知れぬ 圧迫感を放つ歩無に声を掛けようと するも、それに負けて 言葉を失ってしまう... 「...ここに『智哉』がいるって... 本当なの...?!」 そんなトロを置いて声を強めに 『夢麻』は叫んだ!!! 「...!?!...貴様....何故 それを...弟の事を知っている?」 彼女の問には答えず、名前を 聞いたとたんに身を乗り出し 歩無は、その場から立ち上がった...。 「...弟?...えっ...!?!」 歩無の言葉に動揺する夢麻... またもや訳が解らず困惑し、戸惑う トロ...そんな中で彼は、歩き おもむろに真横に幾つもの連なる 機械に包まれ安置された一つの ヒト1人が余裕で入ってしまいそうな カプセルに手をかけた... 「...ボク...って.... もしかして...場違いなんじゃ....。」 心配して焦っていたトロの 額から汗が白い床に しずくとなってこぼれ落ちている... 「まさか...そこに...入って居るのは...。」 「...そうだ...此処に入って いるは...弟の...智哉だ...。」 夢魔は、ハッとして声を上げ そう答えた歩無を見つめた....。 「...何故...病院のベットで 寝ていた...彼をここへ....!?」 「...奴らになど...弟を...!! 智哉を直す事など...不可能だからだ!!!」 声を荒だてて叫ぶ歩無は、 夢麻を睨み付け、喋り続ける... 「...奴らが弟をこんな目に 合わせたんだ...死んだように 眠りついたまま動かぬ人間に!!!」 「!!?....。」 それを聞いた夢麻は、ほぼ全てを 理解した...自分を助ける為にその身を 犠牲にしてくれた智哉の兄が 何故、こんな事を引き起こしたのか... 自分が彼を止める権利があるのだろうか? 夢麻の中で何かが崩れ、迷い始めた...。 続く!! |
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